イグアス、レンソイスなど3国立公園の民営化を推進

(ブラジル)

サンパウロ発

2019年09月09日

9月3日付官報に掲載された、8月21日付決議79号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによれば、投資パートナープログラム(PPI)審議会は、ブラジル国内のイグアス国立公園、レンソイス・マラニャンエス国立公園、ジェリコアコアラ国立公園を、国家民営化プログラム(PND)に加え、公園への訪問客、公園の保護・維持・管理など支援を行う公共サービス業務を、コンセッション方式によって民営化することを発表した。

上記3国立公園は、ユネスコ世界遺産に登録されているイグアス国立公園など、世界的にも人気の観光地だ。

PPIは、国内のインフラ整備プロジェクトに関する透明性・信頼性・法的保護をより高め、官民パートナーシップを強化および拡大し、民間事業者の投資を呼び込むことを目的としている。PPI審議会は、大統領、主要閣僚、政策金融機関の長で構成され、いわゆる民営化プロジェクトの決定や推進を行う政府意思決定組織だ。

政府は2回目のPPI審議会を8月に開催し、ブラジル最大の荷物取扱量を誇るサントス港や国営のブラジル郵便電信会社(テレブラス)など9社を、新たにPNDリストに加える発表をしており、ボルソナーロ政権下での新たな民営化プロセスが本格化している。

このたび発表された3つの国立公園の民営化は今後、「検討」「パブリックコンサルテーション」「連邦裁判所判定」「公示」「入札」「契約」の各段階を経る。進捗状況はPPIウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる。

PPI審議会は、これらの国立公園管理業務の民営化は、法律上の最優先課題である国立公園の保護・維持・管理をしながら、訪問客への公共サービスの質を向上させるとしている。また、投資機会の拡大と雇用創出に貢献し、経済成長と市民サービスの拡大・改善を促進できる点を強調している。

ブラジル政府は2019年6月から、オーストラリア、カナダ、米国、日本からの滞在日数最大180日の訪問ビザ免除措置を実施している(2019年3月22日記事参照)。世界的に有名な国立公園の民営化は、今後さらなるインバウンド振興に寄与することが期待されている。

(大久保敦)

(ブラジル)

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