航空会社の新規参入奨励を目的に国際搭乗料廃止へ

(ブラジル)

サンパウロ発

2019年10月31日

ブラジルのタルシージオ・ゴメス・デ・フレイタス・インフラ相は10月28日、追加料金の国際搭乗料(18ドル)の請求を廃止する見通しを明らかにした。国際搭乗料を廃止することで、新たな航空会社のブラジル国内市場への参入を奨励し、民間航空業界を活性化させたい意向だ。同相が中南米航空輸送協会(ALTA)主催の「ALTAエアライン・リーダーズ・フォーラム2019」で明らかしたもの。ボルソナーロ大統領も28日、今回の措置を自身のツイッターで紹介し、その意義を強調した。

国際搭乗追加料金は1999年にブラジル政府が導入したもので、国外旅行者への搭乗運賃と一緒に請求されるものだ。空港インフラ改善のために利用される国家民間航空基金(FNAC)の収入源の1つとなっている。ブラジルへの観光を促す一連の行政暫定措置(MP)に含めることで、追加徴収終了を法的に実施する見通しだ。

フレイタス・インフラ相は、政府の意図は国外旅行客の乗客数、ブラジルと接続するフライト数と都市数をそれぞれ増やし、新たな航空会社がブラジル国内路線にも参入することを狙っていると発言している。また現在、ブラジルからは、世界140カ所へ1億4,000万人の乗客を輸送しており、今後、投資の受け入れを増やして2025年には200カ所に2億人の乗客輸送を達成したい意向を明らかにしている。さらに、特に追加料金の廃止に伴い、既にブラジルへの国際線を運航している格安航空会社(LCC)が、国内市場の路線就航にも関心を持つようになるとの期待も述べている。

(大久保敦)

(ブラジル)

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