欧州議会、英国が総選挙か再国民投票ならブレグジット期日延期を支持
(EU、英国)
ブリュッセル発
2019年10月10日
欧州議会のダビド=マリア・サッソーリ議長は10月9日、ロンドンで英国下院のジョン・バーコウ議長と会談し、英国が総選挙あるいはEU離脱(ブレグジット)の是非を問う国民投票を再び実施するために、離脱期日の延期をEU側に要請するならば、欧州議会として支持するだろうと表明した。
EU離脱期日の延期をめぐっては、欧州議会のブレグジット問題対策グループ座長を務めるギー・フェルホフスタット議員(ベルギー選出)が9月8日に、総選挙や2回目の国民投票などの打開策なしに欧州議会が応ずることはないとの厳しい見解(2019年9月9日記事参照)を明らかにしており、サッソーリ議長はこの立場をあらためて伝えるかたちとなった。ただ、同議長とバーコウ議長は「英国の合意なきEU離脱(ノー・ディール)は双方の市民の利益に反する」との認識で一致したという。
前日の8日には、欧州理事会のドナルド・トゥスク常任議長が「(ブレグジットをめぐる)ばかげた中傷合戦に勝つことに意味はない。大事なのは安全保障や市民の利益など双方の将来だ」「離脱協定も、期日延期も、国民投票の再実施も望まないのだとすると、あなたはどうしたいのか」と、ボリス・ジョンソン英国首相に問いかけるコメントをツイッターに投稿。英国が明らかにした新提案(2019年10月3日記事参照)にEUが難色(2019年10月3日記事、10月4日記事参照)を示し、EUから見れば現実的な提案をしないジョンソン政権に疑問を呈している。
欧州委員会のミシェル・バルニエ首席交渉官は10月9日の欧州議会本会議でのスピーチで、ブレグジットをめぐる事態打開について「われわれ(EU)が求めるのは、アイルランド島に関する法的拘束力があり、現実的で、的確な解決策だ」「(英国との)合意は困難だが、まだ可能性は残されている」とコメントしている。
(前田篤穂)
(EU、英国)
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