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ムーディーズ、チェコの格付けを17年ぶりに格上げ

(チェコ)

プラハ発

2019年10月16日

米国格付け会社のムーディーズが10月4日、チェコの長期国債の信用格付けをA1からAa3に格上げした。同社がチェコの格付けを引き上げたのは、17年ぶり。

チェコは、ビシェグラード4カ国(注)ではトップ(ポーランド、スロバキアはともにA2、ハンガリーはBaa3)で、今回の格上げにより、日本(A1)をも上回った。

同社は、今回の引き上げ理由として、財政指標が健全に推移している点、産業全体における高付加価値産業の比率の増加および各産業部門でのイノベーション促進に政府が焦点を当てて改革に努めており、経済成長を下支えしている点を挙げている。

財政の健全さを示す指標としては、政府の債務負担の低さと支払い能力が挙げられている。特に債務負担については、A1~Aa3に格付けされている国の中でも、チェコは2012年以降最も急速な債務削減を達成した国と評価されている。

政府債務残高は、2019年、2020年にさらに減少し、2020年末にはGDP比30.8%、2023年までには30%を下回る水準まで低下すると予想されている。チェコ財務省によると、2018年の政府債務残高はGDP比32.6%だった。同省は、2019年にはGDP比31.3%に低下すると予想している。

政府の改革に関してムーディーズは、母親の職場復帰や外国人などの労働市場への参画が進み、さらに雇用が拡大したことと教育システムの強化で進展をみせた点を指摘しており、加えて、イノベーション戦略(2019年5月28日付地域・分析レポート参照)や投資インセンティブ法の改正(2019年8月20日記事9月5日記事参照)などといった政府の施策も、経済構造をさらに強化することが期待されるとして評価している。

一方、同社は、高齢化が進む中でさらなる年金制度と医療制度の改革がされなければ、2030年台半ば以降、財政状況が悪化する可能性があるとした。

アンドレイ・バビシュ首相は、ムーディーズによる格上げはチェコ経済にとって素晴らしい成功を反映したもの、として歓迎した。

また、アレナ・シレロバー財務相は「格付けが上がれば上がるほど、債務者としての信用が高まり、安く、有利な条件で市場から借り入れができる」と説明し、借り入れにかかるコストの削減分を、年金や科学研究費などに充てられると述べた。

(注)ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリーの中欧4カ国から成る地域協力機構。

(中川圭子)

(チェコ)

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