米国製品への報復関税、50%引き下げ

(トルコ)

イスタンブール発

2019年05月23日

5月22日付の官報30781号によると、トルコ政府は対米報復関税の税率を50%引き下げ、2018年6月の水準に戻した。新税率は5月21日付で発効した。

今回の決定は、米国政府が5月16日にトルコから輸入する鉄鋼の関税率を50%から25%に引き下げたことに対する措置となる(2019年5月20日記事参照)。関税率の詳細は添付資料の表1参照。

対米貿易摩擦に関わる一連の措置

トルコと米国の関税をめぐる対立は2018年3月に始まり(2018年7月23日記事参照)。同年8月に米国がトルコからの鉄鋼に対する関税をさらに50%に引き上げるなど(2018年8月13日記事参照)、摩擦が続いた。直近では、米国が鉄鋼の関税率を引き下げたものの、一般特恵関税制度(GSP)からトルコを除外している(2019年5月20日記事参照)。

トルコ政府が米国に対して報復関税を課している22品目の2018年の輸入額は、前年比で0.7%減にとどまった。これは、輸入額が多い品目(HS0802、2701など)が前年比で大きく上昇し、輸入額の小さな品目の急落(HS1006、2704など)をカバーしたことによる。これによって、22品目の対米輸入総額における比率は14.9%から14.3%に減少した。

一方、米国がトルコに対して発表した一連の措置の影響で、トルコから米国へ輸出される鉄鋼、鉄鋼製品、アルミニウムおよびその製品の3品目の2018年の輸出額は、前年比で9.9%減少した。3品目のうち、輸出額が比較的少ない鉄鋼製品とアルミニウムおよびその製品は54.1%増、2.7倍と伸びたが、輸出額の多い鉄鋼輸出は40.4%減と悪影響を受けた(添付資料の表2参照)。

(エライ・バシュ)

(トルコ)

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