トルコに対する鉄鋼の追加関税率を引き上げ

(米国、トルコ)

ニューヨーク発

2018年08月13日

トランプ米大統領は8月10日、1962年通商拡大法232条(以下、232条)に基づく鉄鋼製品への関税賦課(2018年6月1日記事参照)について、トルコへの追加関税の税率引き上げを命じる大統領宣言外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに署名した。2018年8月13日午前0時1分以降に通関するトルコからの鉄鋼製品に対して50%(現行25%)の追加関税を賦課する。トランプ大統領は同日のツイートで、アルミニウム製品に対しても現行の10%から20%へ追加関税率を引き上げると述べている。ただし、8月13日(日本時間)時点でホワイトハウスのウェブサイトには、鉄鋼製品に関する大統領宣言のみ掲載されており、アルミニウム製品の大統領宣言は掲載されていない。

トランプ大統領は、トルコ・リラの急落と米国との関係悪化を今回の措置の理由に挙げた。トルコの急激なインフレや経常収支赤字の拡大などを背景に、トルコ・リラの対米ドルレートは年初から4割超下落している(ブルームバーグ8月12日)。

また、米国とトルコ政府の間では、トルコ政府による米国人牧師の逮捕・拘束や232条に基づく関税賦課をめぐり、対立が深まっている。米国政府は8月1日に前者に対する制裁措置として、トルコ政府の閣僚2人の米国内資産の凍結や米国企業・個人との取引禁止を決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。さらに、トルコ政府が232条の関税賦課に対抗措置を発動(2018年7月23日記事参照)したことに対して、トルコの一般特恵関税制度(GSP)の対象資格を見直すと発表している(2018年8月7日記事参照)。

(鈴木敦)

(米国、トルコ)

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