総選挙後初の通常国会は5月22日に招集、25日に大統領就任式

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2019年05月17日

南アフリカ共和国国民議会は5月10日、2019年の通常国会を5月22日から開催すると発表した。5月8日に実施された国民議会総選挙後(2019年5月14日記事参照)、初の国会招集となる。400議席中230議席を獲得して勝利した与党・アフリカ民族会議(ANC)の総裁であるシリル・ラマポーザ大統領が、国会初日に議会の承認を受けて再任される見通しだ。

大統領再任の承認後、ラマポーザ大統領が新閣僚人事を発表する見込みだ。大統領は2018年2月の就任直後から現在34ある省庁と閣僚ポストを見直して削減する意向を示してきたことから、注目が集まっている(2018年2月28日記事参照)。大統領の就任式は5月25日に実施される予定だ。

南ア・ノースウエスト大学のレイモンド・パーソンズ教授は、現地紙「エンジニアリング・ニュース」のインタビューに対し、新ラマポーザ体制は企業家と消費者双方からの信頼の回復を優先する政策を実施すると予想した。そのためには、信頼性があり、かつスリム化された内閣が必要だと述べている。特に、不採算経営により同国の財政赤字拡大の要因となっている電力公社エスコムの改革が注目されている。同国大手投資銀行モメンタムのエコノミスト、サニシャ・パッキリサミー氏は現地紙「ビジネス・デイ」に対し、エスコムについて、「非効率な経営が原因で生じる計画停電は短期的に南アの経済成長を押し下げる要因となっていることから、同社の経営改善は急務。ラマポーザ大統領はエスコムの事業分離(発電、送電、配電)の議論(2019年2月13日記事参照)を加速させるべき」と主張した。南アでは、2015年以来の大規模な計画停電が3月に実施され(2019年3月28日記事参照)、市民生活に大きな影響をもたらしたが、4月以降は落ち着きを取り戻している(2019年5月現在)。

(高橋史)

(南アフリカ共和国)

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