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ユーラシア開発銀行、SWIFT非経由となるクリアリング業務を開始

(ロシア、米国、EU)

欧州ロシアCIS課

2019年04月23日

ユーラシア経済連合(EEU)加盟国などが参加する国際金融機関「ユーラシア開発銀行(EABR)」は4月19日、同行によるクリアリング(注1)業務を開始したと発表した。

同行のプレスリリースによると、決済は各中央銀行に直接開設された同行の(対応する通貨の)コルレス口座を経由して行われる。送金は加盟国の決済システムによって直接行われ、現在世界で最も広く利用されているSWIFT(スイフト:国際銀行間通信協会)を経由しない。EABRは、SWIFTを経由しないことで利用者は費用と時間を節約でき、有利なレートを適用できると説明している。同行は加盟国経済の統合効果を創出、もしくは効果が高い案件(事業)について積極的に法人との協力を進め、法人取引、両替取引、預金などの分野に広げていくとしている。

ロシア政府にとって、SWIFTを経由しない国際決済システムの導入は、欧米による金融制裁の影響を低減する政策の1つ。他国と同様、ロシアの金融機関はSWIFTを通じて世界の金融機関と決済業務を行っているため、仮にSWIFTの利用に制限が課せられた場合に、ロシア経済への影響が不可避なためだ(注2)。

ロシア政府は、EEU(2018年11月28日記事参照)、CIS(2018年10月2日記事参照)の枠組みで、金融分野での協力を進めている。今後、その他の、欧米諸国が参加しない枠組みである上海協力機構(2018年10月15日記事参照)や、BRICS銀行との協力(2018年7月27日記事参照)などを通じて中国、インドやイラン(2018年4月26日記事参照)といった経済規模の大きな国との非SWIFT経由決済の促進を進めるとみられる。

EABRは、2006年にロシアとカザフスタンの出資で設立。現在の加盟国はEEU加盟国(両国とベラルーシ、キルギス、アルメニア)にタジキスタンを加えた6カ国。主たる業務は、加盟国経済の統合に向けた事業ファイナンス、新しい金融商品の導入、工業分野での事業支援、官民連携事業の推進、ファンディング支援など。本部はカザフスタンのアルマトイに所在している。

(注1)銀行間決済のための事前準備(受払差額の計算など)のこと。「清算」とも呼ばれる。

(注2)クレジットカード決済分野での、欧米への依存度低減に向けた取り組みについては2019年4月23日記事参照

(高橋淳)

(ロシア、米国、EU)

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