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ユーラシア経済連合、イランとFTA締結へ

(ロシア、イラン、アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス)

欧州ロシアCIS課

2018年04月26日

ロシアのドミトリー・メドベージェフ首相は4月23日、イランとユーラシア経済連合(EEU)との自由貿易協定(FTA)締結に関する政府指示に署名した。

署名されたのは政府指示第739-R号「ユーラシア経済連合とその加盟国を一方とし、イラン・イスラム共和国をもう一方とする自由貿易圏創設に向けた時限的協定の署名について」。EEUのロシア政府代表に対し、協定の本質を変えない範囲内での変更を加える権限を付与したうえで、同協定への署名を指示するもの。

関税引き下げもしくは撤廃の対象はEEUの関税分類で502の品目。協定の有効期間は4年間で、期間中に品目の拡大などに向けた協議が継続されるもよう。協定への署名のち、各国議会の批准手続を経て発効する。協定への署名時期は、対象国の複数の政府高官のコメントによると5月末の見通し。EEUが自由貿易協定を締結するのは2016年10月に発効したベトナムとのFTAに続いて2カ国目となる。

EEU加盟国で最大の経済規模となるロシアとイランの貿易額は2017年実績(ロシア側統計)で17億696万ドル。ロシアにとってイランは48位の貿易相手国だ。ロシアの対イラン輸出は13億1,480万ドル(46位)で、主力は穀物(シェア27.0%)、鉄鋼(21.2%)、動物性または植物性の油脂など(11.1%)となっている。ロシアの対イラン輸入は3億9,217万ドル(62位)で、食用の果実およびナッツなど(シェア30.7%)、食用の野菜など(30.6%)、銅および同製品(10.8%)が主力だ。

両地域間で自由貿易圏創設への動きが加速した理由として、アルメニアなど一部加盟国で相互の貿易・投資活発化への期待が高まっていること(2018年1月5日記事参照)に加え、イランでの石油天然ガス開発事業にロシア企業の参画が容易になること、米国との関係悪化を踏まえ対ドルレートの変動による国内経済への影響とドルの決済比率を下げようとするロシア・イラン両国の思惑が一致したこと(注)を指摘するメディアもある(インターネットメディア「フェルガナ・ニュース」4月24日)。

また、両国を結ぶ国際鉄道輸送路「南北」も2020年の実現に向け大きく動きだしており(2018年2月1日記事参照)、両国間のトランジット輸送を担うアゼルバイジャン鉄道は4月23日、同輸送路を経由したイラン産原油と石油製品の輸送について50%の割引率を適用することでイラン側と合意した旨発表している。

(注)両国間の貿易はルーブル建て決済に移行しつつある。イラン政府は3月、民間企業によるドル建ての輸入品発注を禁止。4月には通貨リアルの対ドル為替レートの急激な下落と国内の外貨不足を受けたことから、為替を一本化(2018年4月11日記事参照)、また政府機関による公式統計の単位をドルからユーロに変更する方針などを打ち出している。

(高橋淳)

(ロシア、イラン、アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス)

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