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EU理事会、欧州委への対米通商交渉権限付託を承認

(EU、米国)

ブリュッセル発

2019年04月16日

EU理事会(閣僚理事会)は4月15日、EUとして米国との通商協議を開始する権限を欧州委員会に付託(マンデート)する交渉指令案を承認した。交渉内容は「工業品に対する関税撤廃」「非関税障壁撤廃に向けた(基準認証の)適合性評価」に絞り、農業分野を含まないことをEU側は強調している。

米国の交渉姿勢を牽制

欧州委は今回の交渉指令案を1月18日に採択(2019年1月21日記事参照)、欧州議会・国際貿易委員会(INTA)が条件付きで承認(2019年2月21日記事参照)していた。EU・米国間の通商交渉では、「包括的貿易投資協定(TTIP)」交渉が2013年7月から2016年10月にかけて行われたが、今回の発表で「TTIPの交渉指令は今や意味をなさない」との立場を明らかにした。

米国は2018年6月から、EU原産品を対象に含む鉄鋼・アルミニウム製品への追加関税賦課措置を発動しているが、EUのエアバス補助金への対抗措置として、さらなる追加関税を示唆する動きを見せている(2019年4月11日記事参照)。これに対し、EU理事会は「米国がEU原産の鉄鋼・アルミニウムに課している追加関税措置を継続する限り、今回の新たな交渉の妥結はない」「今後、米国がEU原産品にさらなる貿易制限措置を発動しようとした場合、一方的に対米交渉を打ち切ることもあり得る」としている。また、エネルギー集約品や水産品などEU側のセンシティブな商品や、EUと米国の規制枠組みの違いに由来する環境負荷の問題に留意することなど、EUの基本理念との両立を目指す姿勢を明らかにした。このため、対米通商協議に関して、経済・環境・社会面での持続可能性の視点に基づく影響評価を実施し、交渉プロセスに反映することを欧州委に求めた。

欧州委のセシリア・マルムストロム委員(通商担当)は4月15日、「(EU・米国間の)通商摩擦解消の一助となる決定」とEU理事会の承認を歓迎している。

なお、欧州委が発表した「(EU・米国通商協定に伴う)経済効果分析報告書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」は、双方の関税撤廃・低減により、2033年までにEUの対米輸出は8%、米国の対EU輸出は9%拡大すると試算している。

(前田篤穂)

(EU、米国)

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