四川省と広島県、中国四国地域ワイドでの交流を推進

(中国、日本)

成都発

2019年01月15日

1月12日に四川省成都市で、日本の中国四国地域と四川省との交流イベント「四川省-日本・中国四国地方経済貿易交流会」が開催された。この交流会には、広島県の湯崎英彦知事と中国の李天然駐大阪総領事を団長とする広島県、岡山県、香川県、愛媛県などからの自治体や企業、大学などの関係者からなる訪中代表団のほか、四川省政府および省内各市の幹部や中国企業の関係者らが参加した。

交流会では、四川省長の尹力氏が、自動車、電子情報、小売業の分野において、四川省と日本とは良好な経済関係を構築していると述べ、今後は省エネ・環境、イノベーション、ハイテク製造、物流、eコマース、医療・健康、飲食産業、観光などの分野でのさらなる交流の促進に期待感を示した。

また、成都市長の羅強氏は、2020年に開港が予定される天府国際空港の周辺エリアにおける「中国(四川)日本合作産業園区」の設置構想(2018年5月23日記事参照)に触れ、航空や貿易、物流、通信、ロボット、新材料、サービス、アニメーションなどの分野を例に挙げ、同園区への日本企業の進出を呼び掛けた。

湯崎知事は、広島県と四川省との交流は高校生の相互訪問や大学への留学生派遣、経済交流など多岐にわたっており、今後も同省との活発な交流の継続を期待すると述べるとともに、中国四国地域における各地の観光地を紹介し、中国人旅行客の訪日を呼び掛けた。

交流会ではまた、四川省綿陽市、内江市、楽山市、眉山市による投資環境の説明と、広島県、岡山県、愛媛県、香川県による観光産業を中心とした各地の紹介が、相互に行われた。さらに、日中双方による「日中友好四川宣言」が読み上げられ、日本の中国四国地域と四川省とが、これまでの民業の交流促進を通じて、官の交流促進を促すといった良好な伝統を継承し、日中の友好交流の促進に向けて互いに努力していくことが表明された。

四川省は2018年、尹省長が2度にわたり訪日した。また、2018年7月に四川省綿陽市で日中地域間交流イベント(2018年7月20日記事参照)、2018年8月に大阪で「四川省経済・投資セミナー」(2018年9月12日記事参照)を開催したほか、2018年10月には成都市が札幌市との間で友好交流に関する「備忘録」を署名(2018年11月6日記事参照)するなど、省を挙げて日本各地との交流に積極的な姿勢を示している。

(田中一誠)

(中国、日本)

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