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ディーゼル車の走行禁止区域、さらに4都市で導入へ

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2018年11月29日

ドイツ西部のゲルゼンキルヒェン行政裁判所は11月15日、旧式ディーゼル車の乗り入れ規制を求めていた環境団体の訴えを認め、エッセン市およびゲルゼンキルヒェン市の一部への旧式エンジン車など(注)の走行を2019年7月以降、禁止する判決を下した。今回の判決では、交通量の多い高速道路の一部も乗り入れ禁止地区に含まれており、アンドレアス・ショイヤー交通・デジタルインフラ相は、経済活動などに対する影響が大きいことから、同判決を「過剰で不適切」とするコメントを発表している。

また、ケルンの行政裁判所も11月8日、2019年4月以降のケルン市およびボン市における走行禁止区域の導入に関する判決を下した。人口100万を超える国内都市で広範囲にわたる走行禁止の判決が出たのは初めてで、ケルン市周辺の地域経済への影響が懸念されており、州政府は控訴する方針を示している。

欧州委員会は、一部加盟国が大気質についてEU基準を満たしておらず、また、この問題を解決するための適切な措置を取っていないことを問題視し、2018年5月にドイツなど6カ国をEU司法裁判所(CJEU)に提訴している。このほか、ディーゼル車の乗り入れ規制を求めて、ドイツ国内の環境団体が約30都市で訴訟を起こしており、これまでハンブルク市、シュツットガルト市など、複数の都市で旧式ディーゼル車の乗り入れを禁止する判決が出ている(2018年6月1日記事7月24日記事10月18日記事参照)。旧式ディーゼル車の走行禁止の拡大を回避すべく、連邦政府は11月15日、走行禁止措置導入の妥当性を判断するための大気中の窒素酸化物(NOx)基準値を設定した。基準としては、EUの基準値(立方メートル当たり40マイクログラム)より10マイクログラム多い50マイクログラムとし、これを下回る「軽微」な違反の場合、環境負荷が少ない新車への買い替え促進や、排出システムの交換を進めることにより、走行禁止措置を導入せずともEU基準に到達するとし、ディーゼル車の走行禁止の導入は実施しない。さらに、走行禁止地区においても、「ユーロ6」および窒素酸化物排出量が走行距離1キロ当たり270ミリグラムを超えない車は、走行禁止から除外されるとした。一方、ドイツ国内からはEUの基準値を超える独自の基準値を設けることに対し、異議を唱える声も出ている。

(注)自動車の大気汚染物質の排出基準「ユーロ5」(乗用車を対象)および「ユーロV」(大型トラックやバスなどの重量車を対象)とそれ以前の排出基準のディーゼル車と、「ユーロ2/II」とそれ以前の排出基準のガソリン車が主な対象。詳細は都市、地区により異なる。また、「ユーロ5/V」基準を満たすディーゼル車については2カ月間ほどの猶予が設けられている地区もある。

(ベアナデット・マイヤー、森悠介)

(ドイツ)

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