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北朝鮮の2013年GDP成長率、3年連続のプラスに−韓国銀行が推計値を発表−

(韓国、北朝鮮)

中国北アジア課

2014年07月10日

韓国銀行(中央銀行)は6月27日、北朝鮮の2013年GDP成長率の推計値を発表した。それによると、2013年の成長率は1.1%で、2009年、2010年と2年連続してマイナス成長が続いた後は、2011年以降、3年連続してプラス成長を記録したことになる。GDPの2割強を占める農林漁業が気象条件に恵まれ好調だったことや、鉱産物を中心とした輸出が伸びたことが寄与している。なお、北朝鮮はGDP成長率を公表していない。

<農林漁業、鉱業は好調を持続するものの、建設業は不振>
韓国銀行が発表した報道資料(注)によると、北朝鮮が2011年以降3年連続してプラス成長を達成できたのは、大規模な水害などもなく、良好な気象条件に恵まれて農作物の生産が順調だったことに加えて、石炭、鉄鉱石などの鉱業生産が活発だったことによるとしている(表1、2012年7月24日記事2013年7月23日記事参照)。

表1北朝鮮と韓国のGDP成長率

産業別にみると、農林漁業は、養豚などの畜産業の生産が減少したが、良好な気象条件と病虫害の防除が功を奏し、農作物生産が順調だったことで、前年比1.9%増となった(表2参照)。また鉱業は、石炭と鉄鉱石の生産が増え、2.1%増となった。製造業は1.1%増と、2012年の1.6%増から鈍化した。ただ、軽工業は食料品、繊維・衣類、履物などの生産が順調で、また重化学工業は化学製品や金属製品の生産が増えたとしている。

電気・ガス・水道業は水力・火力発電が増えて2.3%増になった。建設業は、住宅建設は増えた半面、土木部門の道路舗装工事などが減少したために、1.0%減だったとしている。サービス業では、卸・小売業、飲食・宿泊業は不振だったものの、政府サービスや運輸・通信業は増えて、0.3%増になっている。

表2北朝鮮の産業別GDP成長率

<産業構造面では農林漁業の比重が低下、製造業やサービス部門が上昇>
2013年の北朝鮮の産業構造をみると、農林漁業および鉱工業の比重(名目GDP比)が前年より低下している一方、電気・ガス・水道業およびサービス業の比重は上昇している(表3参照)。

農林漁業は2012年の23.4%から22.4%に1.0ポイント低下、同様に鉱業は14.0%から13.6%に0.4ポイント低下した。一方、製造業は2012年の21.9%から22.1%に0.2ポイント上昇し、電気・ガス・水道業も3.5%から4.1%に0.6ポイント、サービス業も29.4%から30.0%に0.6ポイント上昇した。

表3北朝鮮と韓国の産業構造比較(注1)

<名目国民総所得は韓国の43分の1>
2013年の北朝鮮の名目国民総所得(GNI)は、韓国の通貨基準で換算すると、33兆8,000億ウォン(約3兆3,800億円、1ウォン=約0.1円)で、韓国の1,441兆1,000億ウォンと比較すると、およそ43分の1の水準になる(表4参照)。

また、1人当たりのGNIは137万9,000ウォンで、韓国の2,869万5,000ウォンの21分の1の水準にとどまっているとし、GNI、1人当たりGNIともに韓国との格差は徐々に拡大していると韓国銀行では指摘している。

表4北朝鮮の経済規模および1人当たりGNI

<対外貿易規模は73億ドルに拡大>
韓国銀行では例年北朝鮮と韓国の貿易規模を比較している。それによると、2013年の南北交易額を除いた北朝鮮の貿易規模は前年比7.8%増の73億4,000万ドルに達した(表5参照)。内訳は、輸出が前年比11.7%増の32億2,000万ドル、輸入が5.0%増の41億3,000万ドルになっている(2014年6月5日記事参照)

表5北朝鮮と韓国の貿易規模

一方、韓国と北朝鮮とのいわゆる南北交易(2013年)について、韓国銀行は、前年比42.4%減の11億4,000万ドルと大幅に減少したと明らかにしている(2014年3月24日記事参照)。とりわけ、北朝鮮への搬出は電気電子製品や繊維類の急減で前年比42.0%減、北朝鮮からの搬入は同じく繊維類と電気電子製品の急減により42.7%減になったとしている。また、搬出入の合計額の99.7%が開城工業団地関連の製品としている。

(注)韓国銀行は1991年以降、北朝鮮の経済活動に関連する基礎資料を関連機関から提供を受け、それを基に、韓国の価格、付加価値などを適用して「北朝鮮の経済成長率」を推計している。これは北朝鮮の経済力を韓国の経済的視点から比較、分析し、その結果を北朝鮮政策に活用することを目的としている。この推計作業に当たっては、国連の国民経済計算体系(SNA)を基準にしているが、韓国でのGDP計算の基準年を2014年3月に従来の2005年基準から2010年基準に変更したことに基づき、北朝鮮のGDP推計に当たっても、今回から2010年基準を採用したと明らかにしている。

(根本光幸)

(北朝鮮・韓国)

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