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オンライン「土曜市」で生鮮食品販売に挑む(エチオピア)

2021年6月17日

EC(電子商取引)ビジネスに取り組むエチオピア発のスタートアップ「ケダメ・ゲベヤ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」は、インターネットを介して生鮮食品を取引している。起業したゲタネ・シャンベル最高経営責任者(CEO)に話を聞いた(4月27日)。

質問:
企業概要は。
答え:
当地では、農家が作物を販売する機会は限られる。農家のための販売市場をインターネット上でつくろうと、2017年に立ち上げた。「ケダメ・ゲベヤ」は、アムハラ語で「土曜市」という意味を持つ。現在は250人の個人登録と、120件の法人登録を顧客に持ち、法人の内訳は、バーやレストラン、カフェ、スーパーマーケット、ホテルなどだ。商品の仕入れ先は、中小零細企業や協同組合など251カ所ある。オンラインで食品を販売する企業は他にもあるが、当社は企業(B2B)と個人(B2C)の双方の取り込みを狙っており、地方にも視野を広げている。エチオピアでは、オンラインの食品流通は、新しい分野だ。競合他社もあるものの、当社は古参企業といえる。
質問:
ECビジネスを立ち上げた動機は。
答え:
幼少期から父親の農作業と販売をみていたなかで、流通網に中間業者やブローカーが多すぎることに問題意識を感じていた。効率的な流通網をつくることで、小規模な農家や販売業が市場へ参入しやすい環境をつくりたかった。
質問:
具体的なビジネスモデルについて。
答え:
生産者と最終消費者(企業、個人)を直接結ぶ、インターネット上の市場基盤を提供している。注文手段は、ウェブサイト、コールセンター、ソーシャルメディア(テレグラム、ワッツアップ、フェイスブックなど)が利用可能で、他の実店舗よりも比較的安く商品(鶏卵やバナナなど)を提供できる。個人の注文の方が多いが、消費者への直接販売だけでなく、各地の中央市場にも販売できるように機能強化を検討している。
質問:
新型コロナウイルスの影響は。
答え:
当社では、新型コロナはプラスに作用している。感染拡大によって、ECに対する消費者の購買行動は急変した。新規顧客数は増え、既存の顧客への配送も大きく増加している。こうした傾向は、特に個人顧客層で顕著にみられる。これに伴って、当社は個人への配送(B2C)を受け付ける取引先を増やしており、新型コロナ前の15社から41社に増えている。
質問:
ビジネス拡大の上での課題や機会は。
答え:
課題は、インフラと政策だ。オンラインで商品を販売しているが、ライセンス上では、卸・小売業として登録せざるを得ない。また、EC決済は法制度整備が追い付いていないうえ、消費者のECに対する意識もまだ高くない。多くのエチオピア人にとって、インターネット上での購入は、まだ絵空事に近いのが実情だ。しかし、人々の意識が変わるのを待つのではなく、人々の生活を便利にすることに貢献したい。幸いにも、エチオピアで事業を始めたのが早かったため、先行者利益を享受し、アディスアベバ市以外にもサービス展開を広げつつある。若い世代はテクノロジー志向も強いため、意識を高くもって当社で働いてくれることが、今後の会社と市場の成長につながると期待している。
質問:
日本企業へのメッセージは。
答え:
外国企業とのいかなる協業にも高い関心をもっている。オンライン商取引市場はまだまだ拡大すると思っており、やがては他のアフリカ諸国にも展開したい。
執筆者紹介
ジェトロ・アディスアベバ事務所 リサーチマネージャー
メセレット・アベベ
エチオピア財務省を経て、ABEイニシアチブで来日し、国際大学にて修士号(国際開発)を取得。2019年から現職。

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