日本からの輸出に関する制度

菓子の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する菓子のHSコード

ロシアはユーラシア経済連合(以降EEUと記載)の加盟国です。その他のEEU加盟国は、アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスです。EEU域内では、とりわけ商品の輸出入手続きおよび諸条件、通関業務、関税額の支払いについて、統一の関税規則が施行されています。このため、日本からロシアへの菓子の輸入手続きおよび輸入に関する要求事項は、ロシア国内法およびEEU法に従うことになります。

本ページで定義する菓子のHSコード
ロシアに輸入またはロシアから輸出される商品は、ユーラシア経済連合対外経済活動統一品目分類(以降TN VED EEUと記載)に従って分類されます。
菓子に適用されるTN VED EEUコードは次のとおりです。

HSコード 品名
1704 砂糖菓子(ホワイトチョコレートを含むものとし、ココアを含有しないものに限る。):
1704 10 - チューインガム(砂糖で覆ってあるかないかを問わない。):
1704 10 100 0 - 重量に対するショ糖含有量が60%未満(ショ糖として表された転化糖を含む)
1704 10 900 --重量に対するショ糖含有量が60%以上(ショ糖として表された転化糖を含む):
1704 10 900 1 -- 板状のガム
1704 10 900 9 --- その他のもの
1704 90 --- その他のもの
1704 90 100 0 -重量に対するショ糖含有量が10%以上の甘草エキスで、ほかの添加物は含まないもの
1704 90 300 0 - ホワイトチョコレート
- その他のもの:
1704 90 510 0 --- 正味重量が1kg以上の直接包装にしたペースト状および塊状のもの(マルチパンを含む)
1704 90 550 0 --- のど用の錠剤および咳止めドロップ
1704 90 610 0 --- 糖衣(ペレット状)したもの
--- その他のもの:
1704 90 650 0 ---- チューインガムその他のゼリー状の菓子類(砂糖菓子の形をしたフルーツペーストを含む)
1704 90 710 0 ---- キャンデー(詰物をしたかしていないかを問わない。)
1704 90 750 0 ---- トフィーその他のキャラメルおよびこれに類する菓子類
---- その他のもの:
1704 90 810 0 ----- ドロップ状に固めたもの
1704 90 990 0 ----- その他のもの
1806 チョコレートその他のココアを含有する調製食料品:
1806 20 - その他の調製品(塊状、板状または棒状のもので、その重量が2キログラムを超えるものおよび液状、ペースト状、粉状、粒状その他これらに類する形状のもので、正味重量が2キログラムを超える容器入りまたは直接包装にしたものに限る。):
1806 20 100 0 -- 重量に対してココアバター含有量が31%以上、または重量に対してココアバターと乳脂肪の合計含有量が31%以上のもの
1806 20 300 0 -- 重量に対してココアバターと乳脂肪の合計含有量が25重量%以上31重量%未満のもの
-- その他のもの:
1806 20 500 0 --- 重量に対してココアバター含有量が18%以上のもの
1806 20 700 0 --- ミルクチョコレートチップ
1806 20 800 0 --- チョコレートグレーズ
1806 20 950 0 --- その他のもの
- その他のブリケット状、シート状、プレート状のもの:
1806 31 000 0 -- 詰物をしたもの
1806 32 -- 詰物をしてないもの:
1806 32 100 0 --- 穀粒、果実、ナッツを加えたもの
1806 32 900 0 --- その他のもの
1806 90 - その他のもの:
-- チョコレートおよびチョコレート製品:
--- 一口大のチョコレート(詰物をしたかしていないかを問わない。):
1806 90 110 0 ---- アルコールを含有するもの
1806 90 190 0 ---- その他のもの
--- その他のもの:
1806 90 310 0 ---- 詰物をしたもの
1806 90 390 0 ---- 詰物をしていないもの
1806 90 500 -- カカオを含有する砂糖菓子、およびその代替品から作られた代用品:
1806 90 500 1 --- キャンデー(詰物をしたかしていないかを問わない。)
1806 90 500 2 --- トフィー、その他のキャラメルおよびこれに類する菓子類
1806 90 500 9 --- その他のもの
1806 90 600 0 -- カカオを含有するペースト状のもの
1806 90 700 0 -- カカオを含有する物品で、飲料品を作るためのもの
1806 90 900 0 その他のもの
1905 パン、ペーストリー、ケーキ、ビスケットその他のベーカリー製品(ココアを含有するかしないかを問わない。)および聖さん用ウエハー、医療用に適するオブラート、シーリングウエハー、ライスペーパーその他これらに類する物品
1905 31 -- スイートビスケット:
--- 全体または一部をチョコレートその他のカカオ含有物で覆ったもの:
1905 31 110 0 --- 正味重量が85g以下の直接包装にしたもの
1905 31 190 0 ---- その他のもの
--- その他のもの:
1905 31 300 0 ---- 重量に対して乳脂肪含有量が8%以上のもの
---- その他のもの:
1905 31 910 0 ----- 詰物をはさんだビスケット
1905 31 990 0 ----- その他のもの
1905 32 -- ワッフルおよびウエハー:
1905 32 050 0 --- 重量に対して含水量が10%以上のもの
--- その他のもの:
----全体または一部をチョコレートその他のカカオ含有物で覆ったもの:
1905 32 110 0 ----- 正味重量85g以下の直接包装にしたもの
1905 32 190 0 ----- その他のもの
---- その他のもの:
1905 32 910 0 ----- 塩味を有するもの(詰物をしたかしていないかを問わない。)
1905 32 990 0 ----- その他のもの
1905 40 - ラスク、トーストパンその他これらに類する焼いた物品:
1905 40 100 0 -- ラスク
1905 40 900 0 -- その他のもの
1905 90 - その他のもの:
1905 90 100 0 -- マッツァ
1905 90 200 0 -- 聖さん用ウエハー、医療用に適するオブラート、シーリングウエハー、ライスペーパーその他これらに類する物品
-- その他のもの:
1905 90 300 0 --- 蜂蜜、卵、チーズ、果実等を加えずに、乾燥状態において砂糖が全重量の5%以下および脂分が全重量の5%以下であるベーカリー製品
1905 90 450 0 --- クラッカー
1905 90 550 0 --- 押し出した、または引き伸ばした食品(辛味または塩味)
--- その他のもの:
1905 90 600 0 ----甘味料を加えたもの
1905 90 900 0 ---- その他のもの
2105 00 アイスクリームその他の氷菓(ココアを含有するかしないかを問わない。):
2105 00 100 0 - 乳脂肪を含有しない、または重量に対して乳脂肪含有量が3%未満のもの
- 乳脂肪を含有するもの:
2105 00 910 0 -- 重量に対して乳脂肪含有量が3%以上7%未満のもの
2105 00 990 0 -- 重量に対して乳脂肪含有量が7%以上のもの

適用されるTN VED EEUコードを決定する際には、ユーラシア経済委員会により承認された、ロシア連邦税関局による特定商品の分類および商品の分類決定についての解説を考慮に入れる必要があります。

ロシアの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2020年10月

日本からロシア連邦への菓子類の輸入は禁止されていません。

東京電力福島第一原子力発電所の事故と関連して、群馬県、福島県、千葉県、茨城県、栃木県、東京都で生産された食品は、食品に含まれる放射性物質が関税同盟によって定められた基準を下回っていることを確認する申告書と、放射性セシウム含有量の測定値が記された放射性物質検査証明書の添付が求められます。証明書の発行に関する詳細は農林水産省「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う食品等に係る諸外国・地域への輸出に関する証明書発行等について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを確認してください。
この申告書は、輸入される製品を分析した結果、放射性核種セシウム137の数値および放射線数値がロシアにおける現行の要求基準を超えていないことを確認するものです。

食品における有害元素ならびに放射性核種セシウム137およびストロンチウム90の許容含有量に関する要求事項は、関税同盟技術規則「食品の安全について」において定められています。菓子類については、関税同盟技術規則「食品の安全について」において、乳製品およびベーカリー製品における放射性核種セシウム137およびストロンチウム90の水準が定められています。

EEUが定める放射性物質の基準値
製品名 基準指数 許容量
パンおよびベーカリー製品 セシウム137の比放射能 40 Bq/kg
ストロンチウム90の比放射能 20 Bq/kg
乳製品 セシウム137の比放射能 100 Bq/kg /td>
ストロンチウム90の比放射能 25 Bq/kg

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2020年10月

ロシアへの輸入を目的とする菓子類の生産者(生産地)および輸出者の登録は必要ありません。

ただし、ロシアへの菓子類輸出を行うにあたり、日本の輸出者は、食品中の放射性物質含有量を確認する申告書(2013年2月1日付ロシア連邦消費者権利保護・福利監督局(Rospotrebnadzor)書簡第01/971-13-32号)を準備する必要があります。詳しくは、「1.輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)」を確認してください。

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2020年10月

動物検疫
日本から菓子類を輸入する場合、動物検疫証明書は求められません(2010年6月18日付関税同盟委員会決定第317号)。
果実・漿果を基に製造されたアイスクリーム、アイスキャンディー、氷菓を除いたアイスクリーム(HSコード2105 00)については、動物検疫対象品目の統一リストに記載されていますが、ロシア連邦関係当局は、2011年9月23日付関税同盟委員会決定第810号に従い、当該物品に対して第三国からの輸入における動物検査は行いません(2011年9月23日付関税同盟委員会決定第810号)。
植物検疫
ユーラシア経済連合(EEU)は菓子類を日本から輸入する場合に植物検疫証明書は求めていません(2010年6月18日付関税同盟委員会決定第318号)。このため、輸出時にも検疫に関する通知・申請は必要ありません。

ロシアの食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2020年10月

ユーラシア経済連合(EEU)規制およびロシア連邦法に従い、次のHSコードの物品に対する品質安全基準は、1992年2月7日付ロシア連邦法第2300-1号「消費者の権利保護について」や、食品全般に適用される衛生防疫規則などの法令により規制されています。

  1. 1704 10 - 1704 90 - ココアを含有しない砂糖菓子(ホワイトチョコレートを含む)(「菓子類」)
  2. 1806 20 – 1806 90 - チョコレートおよびその他のカカオを含有する食品(「チョコレート」)
  3. 1905 31, 905 32 1905 40, 1905 90 - パン、ペーストリー、ケーキ、ビスケットその他のベーカリー製品(ココアを含有するかしないかを問わない。)および聖さん用ウエハー、医療用に適するオブラート、シーリングウエハー、ライスペーパーその他これらに類する物品(「小麦粉製品」)
  4. 2105 00 -アイスクリームその他の氷菓(ココアを含有するかしないかを問わない。)(「アイスクリーム」)

また輸入される食品に対しては、関税同盟技術規則で規定される要求事項への適合(適合証明もしくは適合申告)が求められます。この要求事項は、製品、製品の生産、使用、保管、輸送、販売、リサイクルなどに対する必須要件であり、菓子類には、次の技術規則が適用されます。

  • 関税同盟技術規則「食品の安全について」(「TR CU 021/2011」)
    主に次の項目が含まれます。
    • 安全のための一般要求事項
    • 生産、保管、輸送、販売、リサイクルの各過程における要求事項
    • 微生物学的安全基準
    • 衛生学的安全要求事項
    • 放射性同位体セシウム137およびストロンチウム90の許容レベル
    • 食品添加物の成分としての使用が禁止された植物およびその加工品、動物由来物、微生物、菌類、生物活性物質の一覧
  • 関税同盟技術規則「食品表示」(「TR CU 022/2011」)
  • 関税同盟技術規則「食品添加物、香料および加工助剤の安全要求事項」(「TR CU 029/2012」)
  • 関税同盟技術規則「包装の安全性について」(「TR CU 005/2011」)
  • 関税同盟技術規則「乳および乳製品の安全性について」(「TR CU 033/2013」)

このほかにもロシアでは当該品に適用される多国間標準および国家標準(GOST)が存在します。これらの規格は任意で適用されるものですが、GOSTなどの取得が必須とされるケースもあります。2019年12月24日付ユーラシア経済委員会理事会決定第236号では、TR CU 021/2011の要求事項に合致する、国際標準および地域(多国間)標準およびそれらが存在しない場合は国家標準のリストが作成されています。これによりそれぞれの標準規格がTR CU 021/2011の要求事項に合致しているかを知ることができます。

関連リンク

関係省庁
ロシア連邦消費者権利保護・福利監督局外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ロシア連邦税関局外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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ロシア連邦動植物検疫局 (英語)
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ロシア連邦技術規則・計量庁外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ユーラシア経済委員会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
2000年1月2日付ロシア連邦法第29-FZ号「食品の品質と安全性について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2003年5月22日付ロシア連邦国家衛生医師長決定第98号「衛生規則・基準SanPiN 2.3.2.1324-03の制定について」(並びに2003年5月21日にロシア連邦国家医師長が承認した衛生規則・基準SanPiN 2.3.2.1324-03. 2.3.2.「食材及び食品。食品の消費期限及び保存条件に関する衛生要求事項」)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2001年11月14日付ロシア連邦国家衛生医師長決定第36号「衛生規則の制定について」(並びに2001年11月6日にロシア連邦国家衛生医師長が承認した衛生規則・基準SanPiN 2.3.2.1078-01. 2.3.2.「食材及び食品。食品の安全性及び栄養価に関する衛生要求事項」)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2018年8月27日付ロシア連邦消費者権利保護・福利監督局書簡第01/11156-2018-32号「衛生規則の適用について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2010年5月28日付関税同盟委員会決定第299号「関税同盟における衛生措置の適用について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2011年12月9日付関税同盟委員会決定第880号「関税同盟技術規則『食品の安全について』の採択について」 (並びに関税同盟技術規則TR CU 021/2011「食品の安全について」)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2.2MB)
2011年12月9日付関税同盟委員会決定第881号「関税同盟技術規則『食品表示』の採択について」(並びに関税同盟技術規則TR CU 022/2011「食品表示」)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(309KB)
2011年8月16日付関税同盟委員会決定第769号「関税同盟技術規則『包装の安全性について』の採択について」(並びに関税同盟技術規則 TR CU 005/2011「包装の安全性について」)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(692KB)
2013年10月9日付ユーラシア経済委員会決定第67号「関税同盟技術規則『乳及び乳製品の安全性について』について」(並びに関税同盟技術規則TR CU 033/2013「乳及び乳製品の安全性について」)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
1992年2月7日付ロシア連邦法第2300-1号「消費者の権利保護について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ロシア連邦国家標準規格(GOST R 53041-2008)菓子および菓子半製品の用語と定義外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2019年12月24日付ユーラシア経済委員会理事会決定第236号「自主的採用により関税同盟技術規則「食品安全について」(TR CU021/2011)が適用される国際・地域(多国間)標準(それが存在しない場合には国家標準)の一覧、及びサンプル抽出・技術規則「食品安全について」の適用等にかかる調査(試験)及び計量規則と手法を含む国際・地域(多国間)標準(それが存在しない場合には国家標準)の一覧について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
"
その他参考情報
ロシア品目別輸入手続き(食品・日用消費財を中心に)(2020年3月)
ロシア 関税同盟技術規則 ТR CU 021/2011 「食品の安全について」(仮訳)(2018年3月)PDFファイル(675KB)

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2020年10月

菓子類は残留農薬の検査対象です。関税同盟技術規則「食品の安全について」(TR CU 021/2011)付属書3では、菓子類について残留農薬量に関する次の要求事項が定められています。

菓子類における残留農薬の許容量
物質名 物品 最大許容量
ヘキサクロロシクロヘキサン(HCH)、(アルファ・ベータ・ガンマ異性体) 小麦粉製品 0.2mg/kg以下
チョコレート 0.5 mg/kg以下
アイスクリーム(ミルクおよびミルクベース) 1.25 mg/kg以下(油脂換算)
ジクロロジフェニルトリクロロエタン(DDT)およびその代謝物 小麦粉製品 0.02 mg/kg以下
チョコレート 0.15 mg/kg以下
アイスクリーム(ミルクおよびミルクベース) 1.0 mg/kg以下(油脂換算)

動物用医薬品の最大許容残留量に関する要件は、2018年2月13日付ユーラシア経済委員会理事会決定第28号「原料など動物由来の非加工食品に含まれている動物用医薬品(薬理作用物質)の最大許容残留量とその測定方法について」に基づき、動物由来の食品に対してのみ適用され、アイスクリームが該当します。関税同盟技術規則「乳および乳製品の安全性について」(TR CU 033/2013)の付属書4では、乳製品における潜在的有害物質(動物用医薬品)の許容含有量が次のとおり定められています。

乳製品における動物用医薬品の許容量
抗生物質 許容値
レボマイセチン(クロラムフェニコール) 不可(0.0003 mg/kg未満)
テトラサイクリン系 不可(0.01mg/kg未満)
ストレプトマイシン 不可(0.2mg/kg未満)
ペニシリン 不可(0.004mg/kg未満)

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2020年10月

菓子類は重金属および汚染物質含有量の検査対象となります。関税同盟技術規則「食品の安全について」(TR CU 021/2011)付属書3では、菓子類における重金属の許容含有量について次のとおり定めています。

菓子類の重金属の許容量
有害元素 物品 最大許容値
菓子類、チョコレート 1.0 mg/kg以下
小麦粉製品:
パン、菓子パン、味付きパン 0.35 mg/kg以下
ペーストリー 0.5 mg/kg以下
アイスクリーム:
果実・漿果をもとに製造された香りのある氷菓 0.3 mg/kg以下
その他のもの 0.1 mg/kg以下
ヒ素 菓子類、チョコレート 1.0 mg/kg以下
小麦粉製品:
パン、菓子パン、味付きパン 0.15 mg/kg以下
ペーストリー 0.3 mg/kg以下
アイスクリーム:
果実・漿果を基にしたもの、風味を付けたもの、氷菓 0.1 mg/kg以下
その他のもの 0.05 mg/kg以下
カドミウム チョコレート 0.5 mg/kg以下
小麦粉製品(パン、菓子パン、味付きパン) 0.07 mg/kg以下
菓子類および ペーストリー 0.1 mg/kg以下
アイスクリーム (ミルクおよびミルクベース) 0.03 mg/kg以下
水銀 チョコレート 0.1 mg/kg以下
菓子類 0.01 mg/kg以下
小麦粉製品:
パン、菓子パン、味付きパン 0.015 mg/kg以下
ペーストリー 0.02 mg/kg以下
アイスクリーム (ミルクおよびミルクベース) 0.005 mg/kg以下

TR CU 021/2011に従い、食品には、ヒトおよび動物の健康にとって有害となる伝染病および寄生虫病の病原体、これによる毒素が含まれていてはなりません。汚染物質の許容含有量を下表に示します。

菓子類の汚染物質の許容量
製品 指標 最大許容値
マイコトキシン
アイスクリーム:
果実・漿果を基にしたもの、風味を付けたもの、氷菓 5-ヒドロキシメチルフルフラール 20.0 mg/kg以下
その他のもの アフラトキシンM1 0.0005 mg/kg以下
ダイオキシン類 0.000003 mg/kg以下
(油脂換算)
菓子類、小麦粉製品(菓子類)、チョコレート アフラトキシンB1 0.005 mg/kg以下
小麦粉製品(菓子類) デオキシニバレノール 0.7 mg/kg以下

この他にもTR CU 021/2011付属書1および2では、菓子類における微生物安全基準(病原性を含みます)を定めています。

菓子類の微生物安全基準
指標 製品 許容含有値
サルモネラを含む病原微生物 アイスクリーム (ミルクおよびミルクベース)、小麦粉製品(具入りパン)、菓子類、チョコレート 25 g中 不検出
リステリア・モノサイトゲネス アイスクリーム (ミルクおよびミルクベース) 25 g中 不検出
中温好気性および通性嫌気性の微生物の数 小麦粉製品:
具入りパン 1 x 103 CFU/g以下
クリームパン 5 x 103 CFU/g以下
菓子類、チョコレート TR CU 021/2011付属書2を参照
5 x 103 CFU/g以下
アイスクリーム(果実・漿果を基にしたもの、風味を付けたもの、砂糖シロップを加えた氷菓) 1 x 105 CFU/g以下
大腸菌群 小麦粉製品:
具入りパン 1.0g中 不検出
クリームを使用するパン 0.01 g中 不検出
菓子類、チョコレート 1.0g中 不検出
TR CU 021/2011付属書2を参照
アイスクリーム(果実・漿果を基にしたもの、風味を付けたもの、砂糖シロップを加えた氷菓) 0.01 g中 不検出
黄色ブドウ球菌 小麦粉製品(具入りパン) 1.0 g中不検出
カビ 小麦粉製品(具入りパン) 50 CFU/g以下
菓子類、チョコレート 50 CFU/g以下
TR CU 021/2011付属書2を参照
アイスクリーム(果実・漿果を基にしたもの、風味を付けたもの、砂糖シロップを加えた氷菓) 100 CFU/g以下
酵母 菓子類 50 CFU/g以下
TR CU 021/2011付属書2を参照
チョコレート 50 CFU/g以下
アイスクリーム(果実・漿果を基にしたもの、風味を付けたもの、砂糖シロップを加えた氷菓) 100 CFU/g以下
プロテウス属細菌 小麦粉製品(具入りパン) 0.1 g中 不検出

アイスクリームに関しては、この他にも微生物の最大許容含有量を定めています。関税同盟技術規則「乳および乳製品の安全性について」(TR CU 033/2013)の付属書8を確認してください。

4. 食品添加物

調査時点:2020年10月

菓子類に対して食品添加物に関する規制があります。
食品全般で使用が認められている食品添加物の一覧は、関税同盟技術規則「食品添加物、香料および加工助剤の安全要求事項」(TR CU 029/2012)付属書2で定められています。
この他にも、技術規則では特定の菓子類における食品添加物の使用規則を定めています。
例えば、TR CU 029/2012付属書3、6、7(二酸化炭素ガスE290を除く)、8、12、15、16、17において、食品添加物の製造者が定める技術文書のみに基づいてその使用が判断される(技術規則において使用制限を「生産者によって規定される」と記載されている)場合は、それらをチョコレートおよび菓子類(ゼリー)の製造に使用することはできません(ただし着色料および甘味料を除く)。
また、TR CU 029/2012に従い、菓子類その他の製品のチョコレート原料およびカカオ製品を製造する際には、いかなる着色料も使用が禁止されています。また、その他の菓子類(表を参照)では着色料の添加が許可されていますが、その一部については含有量に規制が設けられています。

菓子類の食品添加物の許容量
食品添加物(E番号) 食品 物品に対する最大許容含有量
アゾルビン(E122、カルモイシン)、
アルラレッドAC(E129)、
E160e - Beta-apo-8'-carotenic aldehyde (C30)、
E160f - Ethyl ester of beta-apo-8'-carotenic acid (C 30)、
サンセットイエローFCF(E110)、
キノリンイエロー(E104)、
グリーンS(E142)、
ファストグリーンFCF(143)、
インジゴカルミン(E132)、
カルミン(E120、コチニール)、
ブラウンHT(E155)、
クルクミン(E100)、
リコペン(E160d)、
ルテイン(E161b)、
ポンソー4R(E124、ニューコクシン)、
ブリリアントブルーFCF(E133)、
パテントブルーV(E131)、
タートラジン(E102)、
ブリリアントブラックPN(E151) - 単体または組み合わせて
※菓子類、ベーカリー製品、デザート、アイスクリーム、アイスキャンディーにおける、アゾルビン(E122)、サンセットイエローFCF(E110)、ブラウンHT(E155)、ポンソー4R(E124)といった着色料の使用は、50 mg/kgを超えてはなりません。
砂糖菓子 300 mg/kg
ガム 300 mg/kg
味付きパンおよびペーストリー 200 mg/kg
ミルクベースのアイスクリーム、アイスキャンディ 150 mg/kg
アナトー抽出物(E160b、ビキシン、ノルビキシン) アイスキャンディー、フルーツアイスクリーム 20 mg/kg
味付きパンおよびペーストリー
(総カロチノイドはビキシンまたはノルビキシンに換算)
10 mg/kg
ミルクベースのアイスクリーム 10 mg/kg
ガム 300 mg/kg
銀(E174)、金(E175) 砂糖菓子、チョコレート(菓子詰め合わせ、デコレーションケーキなどの表面の装飾) 生産者によって規定される

ゼリー(薄切り果肉入りのものを含む)およびこれに類するフルーツ加工製品(低カロリーのものを含む)などの菓子類は、TR CU 029/2012付属書10に定める次の着色料の使用が例外的に許可されています。

ゼリーおよびこれに類するフルーツ加工製品が使用できる着色料
添加物名 ジ物品に対する最大許容含有量
アントシアニン(E163) 生産者によって規定される
カロチン(E160a)
ビートレッド(E162、ベタニン)
クルクミン(E100)
パプリカ抽出物、カプサンチン、カプソルビン(E160c)
カラメル色素(E150 a, b, c, d)
クロロフィル、クロロフィリン(E140)およびこれらの銅錯体(E141)
サンセットイエローFCF(E110)、キノリンイエロー(E104)、グリーンS(E142)、カルミン(E120)、リコペン(E160d)、ルテイン(E161b)、Ponceau 4R(E124) - 単体または組み合わせて 100 mg/kg

TR CU 029/2012付属書3に定めるとおり、固化防止剤の使用基準は、食品の種類(表を参照)に応じて区別されるものと、区別されないものがあります。

固化防止剤の使用基準
食品添加物(E番号) 食品 物品に対する最大許容含有量
非晶質シリカ(E551)、
ケイ酸アルミニウム(E559、カオリン)、
ケイ酸アルミニウムカリウム(E555)、
ケイ酸アルミニウムカルシウム(E556)、
ケイ酸アルミニウムナトリウム(E554)、
ベントナイト(E558)、
ケイ酸カルシウム(E552)、
ケイ酸マグネシウム(E553i, E553ii, E553iii) - 単体または組み合わせて
砂糖菓子、ただしチョコレート製品を除く(表面処理) 生産者によって規定される
ガム(E553iiiのみ)
ひまし油(E1503) カカオ製品およびチョコレート製品 350 mg/kg
砂糖菓子 500 mg/kg
ガム 2.1 g/kg
ジメチルポリシロキサン(E900) ゼリーおよびこれに類する塗るためのフルーツをベースとする物品(低カロリーを含む) 10 mg/kg
砂糖菓子、ただしチョコレートを除く 10 mg/kg
ガム 100 mg/kg

特定の種類の菓子類において酸化防止剤の使用は次のとおり規制されています。TR CU 029/2012付属書4には、全種類の菓子類における酸化防止剤使用基準が記されています。

酸化防止剤の使用基準
食品添加物(インデックスE) 食品 物品に対する最大許容含有量
ブチルヒドロキシアニソール(E320、ВНА)、
ジブチルヒドロキシトルエン(E321、「イオノール」、
ВНТ)、tert-ブチルヒドロキノン(E319、TBHQ)、
没食子酸(gallates):没食子酸プロピル(E310)、
没食子酸オクチル(E311)、
没食子酸ドデシル(E312)
- 単体または組み合わせて
※ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、tert-ブチルヒドロキノン、gallatesといった酸化防止剤につき、これらを個別に使用したときの最大値が記されています。組み合わせて使用した場合には、個々の酸化防止剤の最大値が比例して減らなくてはなりません。つまり(個々の酸化防止剤の最大値に対する%で表される)総質量が100%以下とならなくてはなりません。
ガム BHA - 400 mg/kg
BHT - 400 mg/kg
TBHQ - 400 mg/kg
Gallates - 400 mg/kg
グアヤク脂(E314) ガム 1.5 g/kg
クェルセチン、ジヒドロクェルセチン(タキシフォリン) - 単体または組み合わせて チョコレート 200 mg/kg(製品の油脂につき)
ローズマリー抽出物(E392)、カルノソールおよびカルノシン酸の合計に換算 味付きパン 200 mg/kg(製品の油脂につき)
ガム 200 mg/kg

この他にも、菓子類における光沢剤使用衛生基準が設けられています。

光沢剤の使用基準
食品添加物(インデックスE) 食品 物品に対する最大許容含有量
蜜蝋(白と黄色)(E901)、キャンデリラワックス(E902)、シェラック(E904) 一口大のチョコレート、ドラジェ、チョコレート、チョコレートグレーズで覆ったペーストリー 生産者によって規定される
ガム
ワッフル - ミルクベースのワッフルアイスクリームにおける(E901のみ)
カルナウバワックス(E903) 一口大のチョコレート、ドラジェ、チョコレート 500 mg/kg
チョコレートグレーズで覆ったペーストリー 200 mg/kg
ガム 1.2 g/kg
微結晶ワックス(E905ci) 一口大のチョコレート、ドラジェ 生産者によって規定される
ガム 20 g/kg
鉱物油(高粘性)E905d カカオ製品、チョコレート製品(模造および代用チョコレートを含む) 2 g/kg
一口大のチョコレート, ドラジェ 2 g/kg
ガム 20 g/kg
ペーストリー(ベーキング) 3 g/kg
鉱物油(中粘性および低粘性、class I)905e 菓子類 2 g/kg
パンおよびベーカリー製品 3 g/kg
還元ポリ1‐デセン(E907) 砂糖菓子 2 g/kg
プルラン(E1204) シート状の呼気清涼用細粒菓子 生産者によって規定される

5. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2020年10月

全般的な食品包装に関する要求事項は関税同盟技術規則「包装の安全性について」(TR CU 005/2011)で定められています。
菓子類の食品包装も、TR CU 005/2011に定める同様の一般要求事項に適合しなくてはなりません。包装とその保管、輸送、処分のプロセスは、安全要求事項に適合しなくてはなりません。包装の安全性は、次の要求事項をすべて守ることにより確保されます。

  1. 食品に接触する使用素材の保健衛生指標
  2. 機械的指標
  3. 化学的安定性
  4. 気密性

1~4項に示す要求事項は密封手段にも適用されます。2~4の要求事項の詳細は表のとおりです。

菓子類の包装が適合しなくてはならない保健衛生指標は、TR CU 005/2011付属書1および1.1に記されています。

包装および密封手段の機械的指標、化学的安定性、気密性

1.包装
1.1 金属包装
  • 内部の過剰な気圧上昇に際して気密性が確保されること
  • 包装本体縦軸方向の圧縮力に耐えられること
  • 内側のコーティングが包装された物品に対して耐久性があり、および(または)モデル環境において殺菌またはパスツール式殺菌法に耐えられること
  • 耐食性であること
1.2 ガラス包装
  • 基本パラメータおよび用途に応じて、内部の水圧に耐えられること
  • 温度差に破壊することなく耐えられること
  • 包装本体縦軸方向の圧縮力に耐えられること(瓶を除く)
  • ガラスの耐水性がclass 3/98以上であること
1.3 ポリマー包装
  • 気密性が確保されていること
  • 破壊することなく、高い場所から自由落下したときの衝撃に所定の回数耐えられること(密封された製品において)
  • 包装本体縦軸方向の圧縮力に耐えられること(手提げ袋および袋を除く)
  • 熱水の作用を受けて変形やヒビ割れをしない(手提げ袋および袋を除く)
  • 包装の取手がしっかり固定されており、所定の荷重に耐えられること
  • 包装の溶接継目および接着層が水を通さないこと
  • 引っ張りに際して所定の静荷重に耐えられること(手提げ袋および袋において)
  • 包装された製品の作用に対する耐久性が包装内面にあること
1.4 カートン製および紙製の包装
  • 自由落下および(または)水平衝撃試験による衝撃に所定の回数耐えられること
  • 包装本体縦軸方向の圧縮力に耐えられ、および(または)積み重ね強度が確保されていること
  • 包装の取手(これがあるとき)が包装にしっかり固定され、所定の荷重に耐えられること
1.5 複合材包装
  • 気密性があり(密封手段があるとき)または接合部に所定の強度が確保されていること
  • 内側コーティング表面が酸化しないこと
  • 包装された製品の作用に対する耐久性が包装内面にあること
1.6 布包装
  • 破壊することなく、高い場所から自由落下したときの衝撃に所定の回数耐えられること
  • 所定の破断荷重に耐えられること
1.7 木製包装
  • 破壊することなく、高い場所から自由落下したときの衝撃に所定の回数耐えられること
  • 水平面または斜面での衝撃に所定の回数耐えられること
  • 包装本体縦軸方向の圧縮力に耐えられること
  • 木材含水率が所定のものであること
1.8 セラミック包装
  • 防水性であること
  • 包装を閉じたときに気密性が確保されること
2.密封手段
2.1 金属密封手段
  • 包装の気密性を確保すること
  • ネジ式密封手段を開けるときの回転モーメントが所定の要求事項に適合すること
  • 圧着キャップおよびへら絞り蓋の接着層が頑丈であること
  • 王冠(栓)が内圧に耐えられること
  • 王冠(栓)が耐食性であること
  • 蓋およびパッキンの内側表面塗膜が、パスツール式殺菌および殺菌の工程でモデル環境の作用に耐えられること
2.2 ポリマー密封手段
  • 所定の使用条件において包装の気密性を確保すること(熱収縮性キャップ、へら絞り蓋、バルブ、定量ディスペンサー、注ぎ口、パッキン、閉蓋を除く)
  • ネジ蓋およびスクリューキャップを開けるときの回転モーメントが所定の要求事項に適合すること
  • パッキンが層状に剥がれないこと
  • ポリマーダストが所定の量を超えないこと
2.3 カートン製密封手段
  • モデル環境の作用に耐えられること
  • 層状に剥がれてバラバラにならないこと
2.4 複合材密封手段
  • 熱収縮性キャップおよびへら絞り蓋の接着層が頑丈であること
  • パッキンが層状に剥がれないこと
図1. 食品と接触することを用途とする包装、図2. 使用されている包装のリサイクルが可能 – メビウスの輪

TR CU 005/2011には、個別の物品として流通する場合の包装(他の製造業者が使用するために包装されたもの)および製造過程で物品を梱包するため包装(主製品と切り離して流通しない包装)のそれぞれに対して要求事項が定められており、後者に対してはTR CU 005/2011の表示に関する一連の要求事項は適用されません。適用される規定について次に示します。
包装の表示(TR CU 005/2011の要求事項)には、包装の材料識別に必要な情報が記されなければなりません。表示は摩耗に強く耐久性のあるものでなければなりません。包装(密封手段)の材料識別に必要な表示は、直に包装および(または)添付書に記載されなければなりません。
表示には、TR CU 005/2011付属書3に従い、包装(密封手段)の製造材料のコード番号および(または)文字記号(略字)が記され、またTR CU 005/2011付属書4に従い、シンボルが記されなければなりません:図1(食品と接触することを用途とする包装(密封手段))、図2(使用されている包装(密封手段)のリサイクルが可能 – メビウスの輪)。

6. ラベル表示

調査時点:2020年10月

関税同盟技術規則「食品表示」(TR CU 022/2011)の要求事項に従い、菓子類の表示はロシア語で記載する必要があります。またそれらは明瞭で、読みやすく、正確で、消費者に誤解を与えないものでなければなりません。文字、記号、シンボルは、表示が記載された背景色とコントラストをなしている必要があります。 TR CU 022/2011によると、読みやすさの基準となるのは、表示で使用される文字の明確性および分かりやすさであり、また背景色とそこに記載された情報の色のコントラストであり、これらは視力矯正のために使用されるもの(眼鏡、コンタクトレンズなど)以外の光学機器を用いずに情報が読み取れるものでなければなりません。明瞭さの基準となるのは、文章または文章と図を用いて食品に関する情報を伝えるときに、多様な解釈を許さないことにあります。
これ以外にも、製品の全耐用期間を通じて表示が保持される方法で、製造者が定めた保管条件に順守していることを示す必要があります。また、表示には表に示す情報を含めなければなりません。一方、製造者の要求に応じてほかの情報を表示に記載することも可能です。例えば製品に関する情報を外国語で併記しても構いません。

食品ラベルに必要な情報
No. 情報 文字 追加要件
1. 製品名 文字の高さ2 mm以上(小文字)
ただし、次のものを除く
  1. 代替乳脂肪入り乳製品(アイスクリーム)の名称 – 2.5 mm以上
  2. 容量または重量100 ml (g)以上の消費者包装に入ったアイスクリームの名称 – 2.25 mm以上
食品の原材料として香料が使用されている場合、この香料で代替され、食品の原材料に含まれていない成分の名称を、「~味」および(または)「~風味」の言葉を用いて食品名に加えることができる。
食品は、食品名に追加可能な語句として、発明された名称を持つこともできる。発明された名称は、食品の用途を必ずしも反映せず、食品名に代わるものではない。発明された名称は、製品名の一部としてすぐ近くに配置することにより、表示にも記載される。一方、食品に含まれる香料について考え出した名称は記載しなくてもよい。
アイスクリーム名は関税同盟技術規則「乳および乳製品の安全性について」(TR CU 033/2013)第II章に定める用語に適合する必要がある。名称の語順は変えてもよい。
代替乳脂肪入りアイスクリームの名称には、「代替乳脂肪入りアイスクリーム」の用語が完全に含まれていなくてはならない。
アイスクリームの名付けに関するその他の要求事項は、TR CU 033/2013第XII章を確認すること。
2. 原材料 文字の高さ0.8 mm以上(小文字) 製品の原材料に含まれる成分は、製品を製造する時点でその重量比率が多いものから順番に表示する。これら成分表示の直前に「原材料名」の表記が配置されなくてはならない。
菓子類に香料が使用されている場合、原材料表示に「香料」の語句を記載しなくてはならない。
製品の原材料に甘味料・糖アルコールが含まれる場合、原材料表示の直後に「甘味料を使用しています。過度に摂取すると緩下作用を起こす場合があります」と表記する。
穀物成分が原材料に含まれる菓子類では、グルテンを含有する穀物成分が使用されていないとき、またはグルテンが除去されているとき、原材料表示の直後に「グルテンを含まない」と表記することができる。
特定の着色料(アゾルビンE122、キノリンイエローE104、サンセットイエローFCF E110、アルラレッドAC E129、Ponceau 4R E124、タートラジンE102)が使用されている菓子類では、表示に「児童の活動と注意力に悪影響を与えるおそれのある着色料を含む」の注意書きが必要。
摂取することによりアレルギー反応または一部の病気では禁忌を起こす可能性があり、TR CU 022/2011第4条第4.4部第14項に記された、成分(食品添加物、香料を含みます)また生物活性添加物は、その量に関係なく製品の原材料に記載する。
アイスクリームの原材料に、製造工程で使用されるが製品の原材料に含まれない機能性成分および加工助剤(塩化カルシウムなど)は記載しなくてもよい。アイスクリームのコーティングおよび代替乳脂肪の原材料に含まれる成分は、構成成分に関する要求事項を考慮して、「原材料名」の項目に記載する。このときコーティング、代替乳脂肪の原材料に含まれる植物油の名称は、「比率は一様でない」の文言を付け加えることにより任意の順番で記載することができる。
3. 油脂の重量比率 – アイスクリームの場合 文字サイズの設定なし。 アイスクリームではパーセンテージで記される。
製造者の判断により、油脂の重量比率の代わりに乳脂肪の重量比率を記載することができる。このときアイスクリームにおける油脂の重量比率に関する情報を「栄養表示」の項目に記載する。
全乳から作られたアイスクリームでは、%による「~から~まで」の範囲で油脂の重量比率を記載することができ、このとき任意の便利な方法で、油脂の重量比率に関する具体的な値を、ロットごとに明確に判別できる形で追加表示する。
代替乳脂肪を使用したアイスクリームでは、製品に占めるパーセンテージの形で非乳脂肪の重量比率を記載する(例えば「油脂の重量比率15%、このうち植物油6%」)。
4. 数量 文字の高さ2 mm以上(小文字) 包装された菓子類の数量は、以下を考慮して記載します。
  1. 食品がペースト状、粘液状、粘塑性体のとき、その体積か重量を記載。
  2. 食品が固体、粒状、固体と液体の混合物のとき、その重量を記載。
このとき食品の数量を示すために、重量と個数、重量と体積など、2つの値を同時に用いてもよい。
包装された食品の数量を漠然と記載すること、また包装された食品の数量の値を範囲で記載することは認められない。
5. 製造日 文字の高さ2 mm以上(小文字)
※0.8 mm以上の文字(小文字)で記載される、製造日および(または)製造日が表記された場所に関する情報(こうした情報がある場合)を示すために使用される語句を除きます
「製造日」の語句の後に、製品の製造日または消費者包装にこの日付を記載します。
菓子類の製造日は、消費期限に応じて、次の書式で記載する。
  1. 消費期限が72時間以上3カ月未満の場合は、日、月、年
  2. 消費期限が3カ月以上の場合は、月、年、または日、月、年
6. 消費期限 文字の高さ2 mm以上(小文字)
※0.8 mm以上の文字(小文字)で記載される、消費期限および(または)消費期限が表記された場所に関する情報(こうした情報がある場合)を示すために使用される語句を除きます
菓子類の消費期限は、次の語句を用いて記載する。
  1. 消費期限が72時間以上3カ月未満のときは、日、月、年の表記とあわせて「まで有効」
  2. 消費期限が3カぁ月以上のときは、月、年の表記とあわせて「末まで有効」、または日、月、年の表記とあわせて「まで有効」
消費期限を表すのに、日数、月数、または年数の表記とあわせて「有効」の語句を使用することができる。
「まで有効」「末まで有効」の語句の後に、包装に消費期限が表記された場所を代わりに記載してもよい。 製品の表示における「まで有効」「末まで有効」の語句は、「消費期限」「までに消費する」の語句または同様な意味の語句に代えることができる。
7. 保存条件 文字の高さ0.8 mm以上(小文字) 保存条件に留意が必要な場合は任意で記載。
8. 製造者の正式名称と所在地(国を含めた住所)(製造者の住所と一致しない場合は、製造住所も) 文字の高さ0.8 mm以上(小文字) 公式に登録された製造者名称および所在地。第三国(ユーラシア経済連合構成国ではない国で日本は含まれる)から輸入された商品は、製品の製造者の名称および所在地に関する情報は、ラテン文字とアラブ数字で、またはロシア語で国名を記すことを条件に食品製造者の所在地である国の公用語で記載することができる。
第三国から供給される食品については、輸入者の名称、所在地を記載する必要がある。
9. 使用上の注意 文字の高さ0.8 mm以上(小文字) 任意で記載。
10. 栄養価の指標 特殊食品のみ 食品の栄養価には次の指標が含まれる。
  1. エネルギー値(カロリー)(ジュールおよびカロリーで、またはこれらの倍量単位もしくは分量単位で)
  2. タンパク質、脂肪、炭水化物の量(グラムで、またはその倍量単位もしくは分量単位で)
  3. ビタミン類およびミネラル類の量(国際単位系(SI)の単位(ミリグラムまたはマイクログラム)で)
  4. 全乳から作られたアイスクリームでは、「~から~まで」の範囲で栄養価を記載することが可能。
  5. 栄養価の指標では、表示に「平均値」の表記を追加することが可能。
  6. 栄養価は、食品100gまたは100mgおよび(または)1人分に換算して記載しなければならない。(表示に1人分として記載された食品の量を必ず表記する)。
  7. 栄養価の個別指標は、その量が、TR CU 022/2011第4条第4.9号に定める特定の物質における成人の平均1日必要量に対する一定の割合を占める場合、菓子類の表示に記載しなくても構いません。当該物質における成人の平均1日必要量を表した値は、TR CU 022/2011付属書2を確認すること。
  8. ガムに対する栄養価の記載は必要ない。
11. 遺伝子組み換え作物(GMO)を使用して得られた成分が食品に含まれていることに関する情報 設定なし GMOを使用して得られた食品には、「遺伝子組換え食品」または「遺伝子組み換え作物から得られた製品」または「製品には遺伝子組み換え作物の成分が含まれる」といった情報を記載しなければならない。
12. ユーラシア経済連合(EEU)構成国市場内で流通する製品への統一表示記号(EACマーク) EACマークの基準寸法は5mm以上(図1、図2を参照)。 EACマークは製品の評価が申告書通りであれば記載できる。EACマークは、ユーラシア経済連合(EEU)市場で流通させるために製品を出荷する前に表示する。
EACマークの図柄は、単色で、これが記載される表面の色と対照的なものでなければならない。
また、製品の全耐用年数を通じてその図柄の明瞭性および明確性を確保できる任意の方法で記載する。
13. 包装(密封手段)の製造材料のコード番号、文字記号(略字)、シンボル 関税同盟技術規則「包装の安全性について」(TR CU 005/2011)に従う。
「食品関連の規制」の「4.食品包装(食品容器の品質または基準)」の項目を参照してください。
TR CU 005/2011に従う。
「食品関連の規制」の「4.食品包装(食品容器の品質または基準)」の項目を参照してください。
図1. ユーラシア経済連合構成国市場内で流通する製品への統一表示記号(EACマーク)、図 2. 方眼目盛で表したEACマーク

一般的な成分において、アレルギー反応を引き起こす可能性があるものや、特定の種類の疾患にて禁忌とされているものの使用について、TR CU 022/2011の第4部で示されています。

アレルギーまたは不耐性を起こしうる物質・製品リスト
  1. ピーナッツとその加工品
  2. アスパルテームおよびアスパルテームアセスルファム塩;
  3. マスタードとその加工製品
  4. 二酸化硫黄および亜硫酸塩(総含有量が二酸化硫黄換算で1キログラムあたり10ミリグラムまたは1リットルあたり10ミリグラムを超える場合)
  5. グルテンを含む穀物、およびその加工製品
  6. ごまとその加工品
  7. ルピナスとその加工製品
  8. 貝類とその加工製品
  9. 牛乳およびその加工品(乳糖を含む)
  10. ナッツとその加工製品
  11. 甲殻類およびその加工製品
  12. 魚およびその加工品(魚ゼラチン除く)
  13. セロリとその加工製品
  14. 大豆とその加工製品
  15. 卵とその加工品

7. その他

調査時点:2020年10月

ユーラシア適合マーク(EACマーク)
関税同盟技術規則「食品の安全について」に従って、菓子がこの技術規則や菓子に対して適用範囲がおよぶ関税同盟のほかの技術規則の要求事項に適合している場合は、ユーラシア経済連合(以下、EEU)構成国市場で流通する商品への製品流通の統一マーク(EACマーク)を表示します。
技術規則「食品の安全について」は、EACマークの表示が、菓子がEEU統一関税圏の市場に出る前に施されていなければならないと規定しています。また、市場への流通とは、輸入者から売買およびその他の手段により菓子がEEU圏内へ引き渡されることを意味するとも規定しています。この規定は、輸入される商品がロシア国内で実際に販売されるまではEACマークの表示は施されていなくてもよいことの裏付であると考えることができます。その一方で、EACマークがあることにより、商品が技術規則に定められたすべての適合評価手続きを通過したことが証明されます。したがって実際には、自由な市場流通を目的として税関に提出された商品にEACマークがない場合、税関により、適合宣言や適合証明がなされていないとみなされてしまうリスクがあります。
2018年6月14日付のロシア連邦税関局書簡第14-88/35479号「情報の方向性について」では、商品をロシアへ持ち込むまでにEACマークが表示されなかった場合は、ロシアで表示を施すことが可能であると規定されています。そのためには、表示のない商品を保税蔵置場に置き通関手続き中の状態にするか、国内消費向けとして条件つきの通関を行う必要があります。商品の条件付きの通関を行うためには、税関に理由書を提出し、一連の条件(特に輸入者がEACマークの表示を行う権限を与えられていること)を順守しなければなりません。輸入者は条件付きで通関させた商品を販売する権利がありません。EACマークが表示された後で、税関に適合申告書および適合証明書を提出し、変更があることを明記したうえで商品の申告書に情報の変更を加えます。その後、商品を自由に流通させることが可能になります。
そのため、EACマークの表示のタイミングは次のようになります。
  1. 商品をロシアへ持ち込む前
  2. 手続き中の商品がロシアで保税蔵置場に置かれた後
  3. ロシアの税関による条件付き通関後

統一記号の図柄は、明るい背景(左)、あるいは文字とは対照的な背景(右)に、3つの図案化された文字「E」「A」「C」の組み合わせで構成されている。

EACマーク

EACマーク

関連リンク

関係省庁
ユーラシア経済委員会(EEC) 技術規制・認定部(ロシア語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ロシア連邦税関局(ロシア語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ロシア連邦政府(ロシア語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
2011年12月9日付関税同盟委員会決定第881号「関税同盟技術規則『食品表示』の採択について」(ロシア語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(309KB)
2011年8月16日付関税同盟委員会決定第769号「関税同盟技術規則『包装の安全性について』の採択について」(ロシア語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(692KB)
2011年7月15日付関税同盟委員会決定第711号「ユーラシア経済連合市場における製品流通の統一マークおよびその導入手順について」(ロシア語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(454KB)
2011年12月9日付関税同盟委員会決定第874号「関税同盟技術規則『穀物の安全について』の採択について」(ロシア語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(454KB)
2018年6月14日付ロシア連邦税関局書簡第14-88/35479号「情報の方向性について」(ロシア語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
1992年2月7日付ロシア連邦法第2300-1号「消費者の権利保護について」(ロシア語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
ジェトロ「貿易投資相談Q&A:GOST-R(ロシア国家標準規格)認証取得:ロシア向け輸出」
ジェトロ「通関時の「ユーラシア適合マーク」貼付の有無でトラブル-ロシア税関とユーラシア経済委員会が異なる見解-」(ビジネス短信)

ロシアでの輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2020年10月

ロシアへの菓子類の輸入に許可またはライセンスは求められません。
また、輸入される菓子類の登録または菓子類を輸入するための特別な輸入者の登記は求められません。

他方、菓子類を日本から輸入するとき、輸入者は輸入を行うため、然るべき税関手続きを経なければなりません。

税関手続きに付される物品の申告人の特定
ユーラシア経済連合関税基本法第83条に従い、税関手続きに付される物品の申告人になれる外国人は、次に該当する者です。
  1. 所定の手続きに従い、加盟国域内に開設および(または)登記された代表部または支店を持つ組織(代表部または支店で使用する目的で輸入される物品についてのみ税関手続きを申請する場合
  2. EEU加盟国内において加盟国同士の国境を超えて物品が移動される場合、当該物品の所有者であること。
  3. 保税倉庫に係る税関手続き、一次輸入(仮輸入)に係る税関手続き、再輸出に係る税関手続き、特別税関手続きを申請する際、EEU加盟国内において加盟国同士の国境を超えて物品が移動される場合は、物品を所有および使用する権利を有する者
その他の場合において税関手続きに付される物品の申告人になれるのは、ユーラシア経済連合(EEU)加盟国の人で、次に該当する者です。
  1. 物品がEEU国境税関を移動する根拠となる、外国人との取引を行う当事者
  2. 前述の(1)に記した取引を締結するよう委任および(または)指示した者
  3. 物品を所有、使用および(または)管理する権利を有する者(一方の当事者が外国人である取引の枠外において、物品が連合の国境税関を移動する場合)
  4. EEUの関税領域にある外国製品について外国人またはEEU加盟国人と締結された取引の当事者
  5. 物流事業者(保税運送に係る税関手続を申請する場合)

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2020年10月

ロシア市場において販売目的の商品の輸入には、輸入後に商品を自由に用いることを念頭に置いた国内消費のための流通における通関手続き時の収納を前提としています。

日本から商品を輸入する際の税関への申告者は、通常、契約上の買主であるロシアの会社になります。そのため、製品の輸入には、ロシアの買主または卸売業者と契約するか、またはロシア領内に子会社法人(実際には、通常有限会社の形式をとります)を設立し、その後、契約を結ぶ必要があります。

ロシアへの製品輸入時、普通、通関手数料の保証の支払いを要求されることはありませんが、そのような保証が税関当局から依頼されるケース(例えば、税関当局に申告書の真偽に対する疑念や、関税額算定の正確さに疑念が生じている場合)もあります。保証は、現金、または銀行保証のかたちをとります。

通関手続きに必要な書類
日本から輸入する際、通関手続きにおいて物品の税関申告書を提出する必要があります(ユーラシア経済連合関税基本法第105条)。
ユーラシア経済連合関税基本法第108条に従い、税関申告書に記載された情報を確認するために必要な書類は次のとおりです。
  1. 物品の取引を実行したことを確認する書類。こうした取引が存在しない場合は、物品を所有、使用および(または)管理する権利を確認するその他の書類、また申告人の手元にあるその他の商業書類
    通常はこうした書類として物品供給契約書(輸入契約書)が用いられます。
    このとき総額300万ルーブルを超える取引では、輸入契約書が登録された後にロシアの指定銀行が発行する固有の契約番号も必要となります(2017年8月16日付ロシア銀行通達第181-I号)。
  2. 運送(船積)書類
  3. 税関申告書を提出する人の権限を確認する書類
  4. 禁止、制限、国内市場保護措置の遵守を確認する書類
    該当する書類は次のとおりです。
    1. 食品における放射性セシウム含有量の測定値が記された放射性物質検査証明書に代わる、食品における放射性物質の含有量を確認する申告書(2013年4月22日付ロシア連邦消費者権利保護・福利監督局(Rospotrebnadzor)書簡第01/4630-13-32号)
    2. 適用される技術規則(関税同盟技術規則TR CU 021/2011「食品の安全について」、関税同盟技術規則TR CU 022/2011「食品表示」、関税同盟技術規則TR CU 029/2012「食品添加物、香料および加工助剤の安全要求事項」、関税同盟技術規則 TR CU 005/2011「包装の安全性について」、関税同盟技術規則TR CU 033/2013「乳および乳製品の安全性について」)への適合証明書または適合宣言書
  5. 原産地証明書(ユーラシア経済連合関税基本法第29条、2018年7月13日付ユーラシア経済委員会決定第49号)
  6. 対外経済活動品目表に従って分類するときに使用した、物品の特性を確認する書類。物品の分類に関する仮決定(これがあるとき)。また組み立て前または解体された状態(欠落のある、または未完成の状態を含みます)で連合の国境税関を移動する物品(物品を構成するもの)を税関申告するときには、保税運送に係る税関手続きに従い、当該品について任意の加盟国の税関で下された、組み立て前または解体された状態(欠落のある、または未完成の状態を含みます)で連合の国境税関を移動する物品の分類に関する仮決定または物品の分類に関する決定
  7. 関税、特別関税、反ダンピング関税、相殺関税の納付を確認する書類、および(または)関税、税金、特別関税、反ダンピング関税、相殺関税の納付義務の履行を確認する書類
  8. 関税減免を提供する目的および条件の順守を確認する書類
  9. 関税、税金の納付期限の変更を確認する書類
  10. 物品の申請関税評価額を確認する書類(物品の関税評価額の値と判定方法を含みます)
  11. 国際運送手段の国籍および登録に関する書類 - 保税輸送に係る税関手続きに付される物品を自動車で運搬するとき
  12. 申請された税関手続きに物品を付す条件を確認する書類
  13. 関税領域外で加工に係る税関手続きに付された物品の加工品が国内消費のために出荷の税関手続きに付されるとき、物品の加工業務の申請額を確認する書類

2018年8月3日付連邦法第289-FZ号の第95条に従い、物品の税関申告は電子形式で行われます。このとき2018年8月3日付連邦法第289-FZ号の第96条に定めるように、ユーラシア経済連合関税基本法第109条に従い、電子書類形式で物品申告書を提出するときには、物品申告書に記載された情報を確認する書類を税関に提出する必要はありません。ただし、税関の情報システムから、また税関と加盟国国家機関(組織)による情報協力の枠内で加盟国国家機関(組織)の情報システムから、当該情報を税関が入手できない場合を除きます。
ユーラシア経済連合関税基本法の第109条に従い、税関申告書は、通関規制に関する加盟国の法律に従い税関申告書を登録する権限のある税関に提出します。2012年5月21日付ロシア連邦税関局命令第965号によると、こうした税関とは税関出張所です。
通関業務の手続きで発生する手数料は、業務範囲、製品の量、作成書類の数、その他の要因によって左右され、然るべき通関代理店、税関ブローカー、税関コンサルタントとの契約に基づき決められます。

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2020年10月

菓子類を輸入するときに植物検疫および動物検疫は行われません。

なお、2011年6月29日付ロシア連邦政府決定第500号の第20項に従い、税関職員は、その権限の範囲内で、衛生防疫要求事項への適合性に関する製品(物品)の安全性を確認する書類、規制対象品の運送(船積)書類および(または)商業書類を確認する方法で、規制対象品の衛生検疫管理を行います。
輸入される製品が安全要求事項を順守しているかの確認は主に書類の確認によって行われます。

検査内容
ロシア連邦領域に日本から菓子類を輸入するとき、放射性物質含有量のサンプリング検査を行うことができます。「1.輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)」に記載のとおり、日本から任意の食品を納入する際には、食品に含まれる放射性物質がユーラシア経済連合で定められた基準値を下回っていることを確認する日本で発行された申告書、また放射性セシウム含有量の測定値が記された放射性物質検査証明書が添付されている必要があります(2013年2月1日付ロシア連邦消費者権利保護・福利監督局(Rospotrebnadzor)書簡第01/971-13-32号の第3項)。
また次の場合には、2011年6月29日付ロシア連邦政府決定第500号の第18項に従い、ユーラシア経済連合の対外経済活動統一品目一覧で定められた規制対象品の評価(点検、検査)を実施する必要性について、ロシア連邦消費者権利保護・福利監督局(Rospotrebnadzor)の職員が税関職員に報告します。
  1. 疫学的な問題が起きている国から、および(または)放射線、化学的、生物学的な事故で汚染された地域から(内容物漏れのおそれがある損傷した包装で危険貨物や放射性物質を輸送した際に、放射性核種による表面汚染および線量率の許容値超過が見つかったとき)、および(または)げっ歯類や昆虫が存在するおそれのある、規制対象品が到着した場合
  2. 決定で承認された衛生防疫監督(管理)の対象となる物品に関する統一衛生防疫要求事項に適合しない規制対象品が到着したという情報が入った場合
  3. 輸入される規制対象品が評価(点検、検査)の対象となるリスク管理システムをロシア連邦消費者権利保護・福利監督局(Rospotrebnadzor)が採用した場合

関連リンク

関係省庁
ロシア連邦動植物検疫局外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ロシア連邦税関局外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ロシア連邦農業食料省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ロシア連邦消費者権利保護・福利監督局外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
2010年6月18日付関税同盟委員会決定第317号(2020年6月2日改定)「ユーラシア経済連合の獣医学衛生規準適用について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2010年6月18日付関税同盟委員会決定第318号「ユーラシア経済連合の植物検疫の確保について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2011年9月23日付関税同盟委員会決定第810号「動物検疫対象品目の統一リストに記載された物品に対する動物検疫措置の適用における押収について」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(233KB)
2011年9月30日付ロシア連邦税関局命令第1996号「衛生検疫、植物検疫、動物検疫に必要な、貨物検査及び書類審査の実施における、ロシア連邦の国境通過検問所に配置された税関職員の行動マニュアルの承認について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2011年6月29日付ロシア連邦政府決定第500号「ロシア連邦の国境通過検問所における衛生防疫実施規則の承認について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2013年2月1日付ロシア連邦消費者権利保護・福利監督局書簡第01/971-13-32号「日本からの食品の一時的輸入禁止の解除」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2013年4月22日付ロシア連邦消費者権利保護・福利監督局(Rospotrebnadzor)書簡第01/4630-13-32号「日本からの食品の一時的輸入禁止の解除の日付について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
ロシア連邦税関局の参考情報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

4. 販売許可手続き

調査時点:2020年10月

日本製の菓子類を販売する場合、特別な販売許可またはライセンスの取得は求められません。外資系企業の菓子類販売参入にも制限は設けられていません。

5. その他

調査時点:2020年10月

なし

ロシア内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2020年10月

ユーラシア経済連合(EEU)法の枠内で定められた法的基準に従い、第三国から輸入される製品には輸入関税が課せられます。
輸入関税の計算にはEEUの統一関税率が適用されます(関税特恵が適用される場合を除く)。
ロシアと日本の間には自由貿易体制について定める国際協定が存在しません。このことから日本からロシアに輸入される菓子類には輸入関税が課せられ、計算するときにEEUの統一関税率が適用されます。輸入関税は税関申告書の提出までに納めます。菓子類における輸入関税率は次のとおりです。

HSコード 品目名 輸入関税率(関税評価額の%またはユーロ)
1704 砂糖菓子(ホワイトチョコレートを含むものとし、ココアを含有しないものに限る。):
1704 10 - チューインガム(砂糖で覆ってあるかないかを問わない。):
1704 10 100 0 -- 重量に対するショ糖含有量が60%未満(ショ糖として表された転化糖を含む) 10%、ただし1 kgあたり0.6ユーロ以上
1704 10 900 --重量に対するショ糖含有量が60%以上(ショ糖として表された転化糖を含む):
1704 10 900 1 --- 板状のガム--重量に対するショ糖含有量が60%以上(ショ糖として表された転化糖を含む): 10%、ただし1 kgあたり0.6ユーロ以上
1704 10 900 9 --- その他のもの 10%、ただし1 kgあたり0.38ユーロ以上
1704 90 -その他のもの:
1704 90 100 0 --重量に対するショ糖含有量が10%以上の甘草エキスで、ほかの添加物は含まないもの 14%、ただし1 kgあたり0.17ユーロ以上
1704 90 300 0 -- ホワイトチョコレート 12%、ただし1 kgあたり0.15ユーロ以上
-- その他のもの:
1704 90 510 0 --- 正味重量が1kg以上の直接包装にしたペースト状および塊状のもの(マルチパンを含む) 14%、ただし1 kgあたり0.17ユーロ以上
1704 90 550 0 --- のど用の錠剤および咳止めドロップ 7%
1704 90 610 0 --- 糖衣(ペレット状)したもの 14%、ただし1 kgあたり0.175ユーロ以上
--- その他のもの:
1704 90 650 0 ---- チューインガムその他のゼリー状の菓子類(砂糖菓子の形をしたフルーツペーストを含む) 14%、ただし1 kgあたり0.175ユーロ以上
1704 90 710 0 ---- キャンデー(詰物をしたかしていないかを問わない。) 14%、ただし1 kgあたり0.175ユーロ以上
1704 90 750 0 ---- トフィーその他のキャラメルおよびこれに類する菓子類 14%、ただし1 kgあたり0.13ユーロ以上
---- その他のもの:
1704 90 810 0 ----- ドロップ状に固めたもの 14%、ただし1 kgあたり0.175ユーロ以上
1704 90 990 0 ----- その他のもの 12%、ただし1 kgあたり0.14ユーロ以上
1806 チョコレートその他のココアを含有する調製食料品:
1806 20 - その他の調製品(塊状、板状または棒状のもので、その重量が2キログラムを超えるものおよび液状、ペースト状、粉状、粒状その他これらに類する形状のもので、正味重量が2キログラムを超える容器入りまたは直接包装にしたものに限る。):を含有する調製食料品:
1806 20 100 0 -- 重量に対してココアバター含有量が31%以上、または重量に対してココアバターと乳脂肪の合計含有量が31%以上のもの 5%
1806 20 300 0 -- 重量に対してココアバターと乳脂肪の合計含有量が25重量%以上31重量%未満のもの 5%
-- その他のもの:
1806 20 500 0 --- 重量に対してココアバター含有量が18%以上のもの 5%
1806 20 700 0 --- ミルクチョコレートチップ 5%
1806 20 800 0 --- チョコレートグレーズ 5%
1806 20 950 0 --- その他のもの 5%
- その他のブリケット状、シート状、プレート状のもの:
1806 31 000 0 -- 詰物をしたもの 1 kgあたり0.2ユーロ
1806 32 -- 詰物をしてないもの:
1806 32 100 0 --- 穀粒、果実、ナッツを加えたもの 1 kgあたり0.2ユーロ
1806 32 900 0 --- その他のもの 1 kgあたり0.2ユーロ
1806 90 - その他のもの:
-- チョコレートおよびチョコレート製品:
--- 一口大のチョコレート(詰物をしたかしていないかを問わない。):
1806 90 110 0 ---- アルコールを含有するもの 1 kgあたり0.28ユーロ
1806 90 190 0 ---- その他のもの 1 kgあたり0.28ユーロ
--- その他のもの:
1806 90 310 0 ---- 詰物をしたもの 1 kgあたり0.28ユーロ
1806 90 390 0 ---- 詰物をしていないもの 1 kgあたり0.28ユーロ
1806 90 500 -- カカオを含有する砂糖菓子、およびその代替品から作られた代用品:
1806 90 500 1 --- キャンデー(詰物をしたかしていないかを問わない。) 1 kgあたり0.28ユーロ
1806 90 500 2 --- トフィー、その他のキャラメルおよびこれに類する菓子類 1 kgあたり0.28ユーロ
1806 90 500 9 --- その他のもの 1 kgあたり0.28ユーロ
1806 90 600 0 -- カカオを含有するペースト状のもの 1 kgあたり0.28ユーロ
1806 90 700 0 -- カカオを含有する物品で、飲料品を作るためのもの 1 kgあたり0.28ユーロ
1806 90 900 0 -- その他のもの 10%
1905 パン、ペーストリー、ケーキ、ビスケットその他のベーカリー製品(ココアを含有するかしないかを問わない。)および聖さん用ウエハー、医療用に適するオブラート、シーリングウエハー、ライスペーパーその他これらに類する物品
- ビスケット;ワッフルおよびウエハー:
1905 31 -- スイートビスケット:
--- 全体または一部をチョコレートその他のカカオ含有物で覆ったもの:
1905 31 110 0 ---- 正味重量が85g以下の直接包装にしたもの 1 kgあたり0.11ユーロ
1905 31 190 0 ---- その他のもの 1 kgあたり0.11ユーロ
--- その他のもの:
1905 31 300 0 ---- 重量に対して乳脂肪含有量が8%以上のもの 12%、ただし1 kgあたり0.08ユーロ以上
---- その他のもの:
1905 31 910 0 ----- 詰物をはさんだビスケット 12%、ただし1 kgあたり0.09ユーロ以上
1905 31 990 0 ----- その他のもの 12%、ただし1 kgあたり0.1ユーロ以上
1905 32 -- ワッフルおよびウエハー:
1905 32 050 0 --- 重量に対して含水量が10%以上のもの 11%、ただし1 kgあたり0.11ユーロ以上
--- その他のもの:
----全体または一部をチョコレートその他のカカオ含有物で覆ったもの:
1905 32 110 0 ----- 正味重量85g以下の直接包装にしたもの 1 kgあたり0.11ユーロ
1905 32 190 0 ----- その他のもの 1 kgあたり0.11ユーロ
---- その他のもの:
1905 32 910 0 ----- 塩味を有するもの(詰物をしたかしていないかを問わない。) 1 kgあたり0.11ユーロ
1905 32 990 0 ----- その他のもの 1 kgあたり0.11ユーロ
1905 40 - ラスク、トーストパンその他これらに類する焼いた物品:
1905 40 100 0 -- ラスク 15%、ただし1 kgあたり0.15ユーロ以上
1905 40 900 0 -- その他のもの 15%、ただし1 kgあたり0.15ユーロ以上
1905 90 - その他のもの:
1905 90 100 0 -- マッツァ 10%、ただし1 kgあたり0.1ユーロ以上
1905 90 200 0 -- 聖さん用ウエハー、医療用に適するオブラート、シーリングウエハー、ライスペーパーその他これらに類する物品 12%、ただし1 kgあたり0.12ユーロ以上
-- その他のもの:
1905 90 300 0 --- 蜂蜜、卵、チーズ、果実等を加えずに、乾燥状態において砂糖が全重量の5%以下および脂分が全重量の5%以下であるベーカリー製品 12%、ただし1 kgあたり0.12ユーロ以上
1905 90 450 0 --- クラッカー 11%、ただし1 kgあたり0.11ユーロ以上
1905 90 550 0 --- 押し出した、または引き伸ばした食品(辛味または塩味) 10%、ただし1 kgあたり0.1ユーロ以上
--- その他のもの:
1905 90 600 0 ----甘味料を加えたもの 11%、ただし1 kgあたり0.11ユーロ以上
1905 90 900 0 ---- その他のもの 10%、ただし1 kgあたり0.09ユーロ以上
2105 00 アイスクリームその他の氷菓(ココアを含有するかしないかを問わない。):
2105 00 100 0 - 乳脂肪を含有しない、または重量に対して乳脂肪含有量が3%未満のもの 10%
- 乳脂肪を含有するもの:
2105 00 910 0 -- 重量に対して乳脂肪含有量が3%以上7%未満のもの 10%
2105 00 990 0 -- 重量に対して乳脂肪含有量が7%以上のもの 10%

EEU枠内での関税割当はユーラシア経済委員会理事会によって毎年設定されていますが、2020年および2021年の割当対象品一覧に菓子類が記されていないことから、菓子類には関税割当が適用されません。

関税額の計算方法
輸入関税は、各商品に対して具体的に適用される関税率により算出されます。EEUでは、次のような輸入関税計算方法が適用されています。
  1. 課税対象商品の関税額に応じた比率で計算される従価法式
  2. 課税対象商品の数量単位で計算される従量法式(例:キログラムあたり)
  3. 従価方式と従量方式を組み合わせて計算される複合方式

EEU法では、6種類の関税算定方法を規定しています。慣例では、輸入商品の取引価格による計算方法が主流です。この方法では、輸入商品に対して支払われた金額を基準にして関税額が決定されます。商品に対して支払われた金額に対して、法で規定された追加的な加算(例:EEUまでの国際輸送費、保険料など)が行われます。ただし特定の条件に当てはまる場合、関税額に加味されない費用(例:EEU領域内の輸送費)があります。

2. その他の税

調査時点:2020年10月

日本からの菓子の輸入には、輸入関税のほかに次のような支払いが課せられます。

通関手数料

ユーラシア経済連合(EEU)の関税領域に物品を輸入する際に徴収される通関費用に、通関手数料があります(EEU関税基本法の第46条)。物品申告書を登録した日をもって、物品の市場出荷に関連した業務の代金として税関が徴収する通関手数料を支払う義務が、申告人に発生します。
税関業務に対して支払われる通関手数料の額は、輸入される物品の関税評価額に直接左右されます。税関業務手数料の額を計算するために、税関申告書の登録日に有効な料率が適用されます。通関手数料を計算するための料率および基準は、2020年3月26日付ロシア連邦政府決定第342号「物品の出荷に関連した税関業務の実施に対する通関手数料を計算するための料率および基準について」で定められています(以下、「決定第342号」)。物品の市場出荷に関連した税関業務の実施に対する通関手数料は、決定第342号に別段の定めがない限り(つまりEEU領域に輸入される物品の関税評価額が特定されず、かつ申請されない場合)、次の一覧に示した料率に基づいて支払われます。

通関手数料
関税評価額 税関業務に対する通関手数料の額
200,000 ルーブル以下 775 ルーブル
200,000.01~450,000 1550 ルーブル
450,000.01~1,200,000ルーブル 3100 ルーブル
1,200,000.01~2,700,000 ルーブル 8530 ルーブル
2,700,000.01~4,200,000.01 ルーブル 12,000 ルーブル
4,200,000.01~5,500,000 ルーブル 15,500 ルーブル
5,500,000.01~7,000,000 ルーブル 20,000. ルーブル
7,000,000.01~8,000,000 ルーブル 23,000 ルーブル
8,000,000.01~9,000,000 ルーブル 25,000 ルーブル
9,000,000.01~10,000,000 ルーブル 27,000 ルーブル
10,000,000.01ルーブル以上 30,000 ルーブル

付加価値税(VAT)

ロシアに菓子類を輸入するときには付加価値税(VAT)が課されます。次に示す10%の軽減料率が課される製品を除き、菓子類を輸入するときのVATは20%の料率で計算されます(ロシア連邦租税法典第164条第3項、EEU関税基本法第53条第4項)。VATは税率に応じた税務基準額の割合として計算されます。これに対して税務基準額は、関税と輸入される物品の関税評価額の総額で判断されます。VATは、税関申告書の提出までに、ほかの通関費用と一緒に税関に支払います。
なお、以下の表に記載のある、パン、ペーストリー、その他のベーカリー製品を輸入するときは、VATは10%の軽減料率で計算されます(ロシア連邦租税法典第164条第2項第1号)。ロシア連邦への輸入に際して10%の料率が課される製品に係るHSコードのリストは、2004年12月31日付ロシア連邦政府決定第908号「税率10%の付加価値税が課される食料品および児童用品の種類コードリストの承認について」に定められています。

付加価値税(VAT)10%が適用される菓子類
料率10%のVAT
HSコード 品目名
1905 40 ラスク、トーストパンその他これらに類する焼いた物品
1905 40 100 0 ラスク
1905 40 900 0 その他のもの
1905 90 100 0 マッツァ
1905 90 300 0 蜂蜜、卵、チーズ、果実等を加えずに、乾燥状態において砂糖が全重量の5%以下および脂分が全重量の5%以下であるベーカリー製品
1905 90 550 0 - 1905 90 900 0 ベーカリー製品

環境手数料

2020年12月31日付ロシア連邦政府命令第3721r号で承認された有用性喪失後にリサイクル対象となる物品および包装の一覧に記された使用済み包装廃棄物の自主リサイクルを確保しない、またはロシア連邦政府が定めたリサイクル基準を満たさない(廃棄物を一部しかリサイクルしない)菓子類の輸入者は、環境手数料を算定して納付しなければなりません。
環境手数料は、ロシア連邦域内で市場出荷され会計期間の前年にロシア連邦国内で消費するために販売された製品の包装の重量、ならびに会計期間に設定され相対単位で表されたリサイクル基準に、環境手数料率を掛けることによって算定されます。使用済み製品廃棄物のリサイクル基準が達成されないとき、リサイクルされた使用済み製品廃棄物の実際に達成された数値と所定の数値の差に環境手数料率を掛けることによって、支払人が環境手数料を算定します。
環境手数料は毎年、会計期間の翌年4月15日までに算定して納付します。環境手数料が正しく算定され、未納がないか、遅滞がないかを管理し、徴収するのは、連邦天然資源利用監督局(Rosprirodnadzor)とその地方機関です。環境手数料の納付は、物品の輸入者である支払人がロシア連邦の通貨で現金を連邦出納局のRosprirodnadzorの口座に送金する方法で実施されます。幾つかの包装グループにおける環境手数料率とリサイクル基準の例を、次の一覧に示しました。

環境手数料
製品包装の名称 環境手数料率 (1 tあたり) 2021年の使用済み製品廃棄物リサイクル基準
スチール製の金属包装 2423ルーブル 30%
アルミニウム製の金属包装 2423ルーブル 20%
ポリマー包装 3844ルーブル 20%
段ボール包装 2378ルーブル 45%
紙製および非ダンボール製の包装 2378ルーブル 20%
ガラス包装 2564ルーブル 25%
木製包装およびコルク栓 3066ルーブル 20%
布包装 16304ルーブル 10%

3. その他

調査時点:2020年10月

なし

関連リンク

関係省庁
ロシア連邦天然資源利用監督局外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
1998年6月24日付ロシア連邦法第89-FZ号「生産と消費の廃棄物について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2015年10月8日付ロシア連邦政府決定第1073号「環境手数料徴収手順について」(並びに「環境手数料徴収規則」)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2020年12月31日付ロシア連邦政府命令第3721-r号「有用性喪失後にリサイクル対象となる製品及び製品包装の一覧の承認について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2016年4月9日付ロシア連邦政府決定第284号「使用済み製品廃棄物の自主的なリサイクルを確保しない製品の生産者及び製品の輸入者が納める、使用後の廃棄物がリサイクル対象となる製品グループ及び製品包装グループごとの料金率(環境手数料)の制定について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2016年8月22日付連邦天然資源利用監督局(Rosprirodnadzor)命令第488号「環境手数料の支払方法の承認について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2015年12月24日付ロシア連邦政府決定第1417号「有用性喪失後にリサイクル対象となる製品及び製品包装の一覧に記載された、ロシア連邦域内で流通のために出荷された製品及び製品包装の数量に関する製品生産者及び製品輸入者による申告に係る規定の承認について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2020年12月3日付ロシア連邦政府決定第2010号「製品生産者及び製品輸入者による使用済み製品廃棄物リサイクル基準履行報告書の提出規則の承認について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2020年12月31日付ロシア連邦政府決定第3722号「2021年の使用済み製品廃棄物リサイクル基準の承認について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
ロシア連邦天然資源利用監督局(Rosprirodnadzor)公式サイトで入手可能な情報(環境手数料の納付及び使用済み製品廃棄物リサイクル基準の履行に関する報告書の提出について)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

その他(有機食品)

調査時点:2020年10月

日本から菓子類を輸入するとき、輸入者が希望すれば、自主検査による認証により品質証明書を取得することができます。
とりわけ2018年8月3日付連邦法第280-FZ号の第4条に定める有機食品の製造に関する要求事項に菓子類の製造が適合している場合、輸入された菓子類は有機食品認証を取得することができます。
有機食品の生産者に関するこの要求事項は、次のとおりです。

  1. 有機食品に該当しない製品の生産と、有機食品の生産を分離すること
  2. 有機食品製造分野においてロシア連邦で国家標準、多国間標準、国際標準で使用が許可されていない農薬、殺虫剤、抗生物質、動物飼育・成長促進剤、ホルモン剤の使用禁止
  3. 胚移植、クローニングおよび遺伝子工学手法、遺伝子組み換え作物、遺伝子組み換え(トランスジェニック)生物、またそれらを用いて製造された製品の使用禁止
  4. 植物の水耕栽培の禁止
  5. 電離放射線の使用禁止
  6. 害虫、動植物の病気の対策としてのバイオ医薬品を使用、また食虫生物(害虫の天敵)の保護、植物の種類および品種の選択、輪作、最適な植物栽培方法、有機食品の熱処理方法の選定に基づいた、植物または植物由来製品に有害生物が与える損失の防止対策を講ずること
  7. 病気に対する耐性および適応能力を考慮した家畜の品種選定、家畜の健康保持、家畜福祉、自然繁殖を助ける環境の整備、家畜の飼育における最適な保健衛生指標の確保
  8. 有機食品製造分野においてロシア連邦の国家標準、多国間標準、国際標準で定められている食品添加物、加工助剤、香料、風味増強剤、酵素製剤、微量元素、ビタミン類、アミノ酸の使用
  9. 食品を加工する際に伝統的に利用されている生体微生物の使用(プロバイオティクス微生物を含む)。自然環境での微生物の相互作用に基づく、動物由来製品の微生物による腐敗に対する保護対策を講じること
  10. 有機食品の保管および輸送するときの、有機食品と有機食品に該当しない食品の混載の禁止
  11. 包装、消費者包装、輸送容器にポリ塩化ビニルを使用するなど、環境および有機食品の汚染に繋がる可能性のある包装、消費者包装、輸送容器の使用禁止

有機生産の認証は、ロシア連邦の国家規格である「GOST R 57022-2016(ロシア連邦国家規格、有機生産の製品、有機栽培の自主認証の手続き)」の第6項で定められたスキームに従って行われます。 この規格では、「"GOST 33980-2016 国家間基準。有機生産の製品。製造・加工・表示・販売のルール」の要求を満たすための、有機生産の自主的な認証手続きを定めています。
有機生産の認証は、次のステップで行われます。

1)編成作業
申請者による認証機関の選定、認証機関への申請書の提出、認証機関による申請登録と申請に基づく分析の実施、申請者と認証機関の契約および認証のための委員会設置。
2)予備的評価(第一段階)
申請者に書類を請求することで、申請者への訪問をすることなく認証委員会において予備的な審査を行い、第二段階の認証の実施を行うか否かの結論を記載した報告書を作成する。
3)現地訪問による有機生産の検証と評価(第二段階)
申請者との事前のやりとり、検査計画の作成、検査の実施、検査結果報告書の作成、是正措置の実施状況の監視を通じて、認証機関は有機生産証明書の発行または発行拒否の決定を行います。これにより発行の決定が行われた場合、認証機関はロシア語で有機生産適合証明書を作成し申請者に交付します。証明書の有効期間は3年になります。
4)証明書有効期間中の検査・管理
有機食品製造の適合性が確認された後、生産者は、有機食品の包装、消費者包装および(または)輸送容器に、統一された有機食品のマークと文字が組み合わさった形の識別マークを表示する権利を得ます。
また「オーガニック(有機)」の言葉やその略語、その言葉から派生した言葉を、製品に表示するために使用する権利、または有機食品の名称と組み合わせて使用する権利を有することになります。
この識別マークの形状(図参照)と表示手順については、2019年11月19日付ロシア農業省命令第634号で規定されています。
有機食品のマークと文字が組み合わさった形の識別マーク
有機食品の認証を取得した生産者に関する情報は、無償で消費者に情報配信することを目的に、統一国家有機食品生産者登記簿に掲載されます。
統一国家有機食品生産者登記簿外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
登記簿には、有機食品生産者とそこで生産される有機食品の種類に関する情報などが記されます。
いくつかの認証機関のうち、お茶について認証を行っている機関の例として、ООО «Органик Эксперт», АНО «Российская система качества», АО «РСМЦ «Тест-Татарстан»があります。 ロシアでは、日本のJAS規格に基づく有機製品を認証する手続きがないため、前述のGOSTに基づいてロシアで認証手続きを受ける必要があります。