日本からミャンマー向けの機械の事前検査(PSI:Pre-Shipment Inspection)の概要

質問 日本からミャンマー向けの機械の事前検査の概要について教えてください。

回答

Ⅰ. 事前検査(PSI:Pre-Shipment Inspection)の導入

ミャンマー政府は、粗悪品や中古不良品の流入を防ぐため、輸出国側での事前検査(PSI)制度を導入しました。 韓国からの一部輸入品(中古家電、中古電子機器、中古部品等)については2013年7月1日から義務化しています。日本からの輸出については、実質的に船積前検査は中古機械のみが対象とされています。

Ⅱ. 日本における事前検査の種類

日本における船積前検査は、商業省管轄の国営検査会社 MITS(Myanmar Inspection & Testing Services Ltd.)が対応しています。ただし、2017年1月時点で具体的な運用内容は公開されていません。 民間の事前検査(Private PSI)も行われており、その場合は売買契約書やL/C(信用状)条件に基づく検査が必要です。具体的な取引においては、必ず取引の前に事前検査や現地に関する最新情報の確認を行ってください。

Ⅲ. 中古機械の輸入規制

ミャンマーに輸入される中古機械に関しては、輸入する地域に応じた2種類の輸入規則が存在しており、各々で船積前検査が義務付けられています。

  1. ティラワSEZ(特別経済区)向け中古機械の輸入規制

    2014年ミャンマー経済特別区法にもとづき、ティラワ経済特別区(Thilawa Special Economic Zone)管理委員会から2015年5月27日付けで「認可事業に使用される中古機械の輸入及び使用に関する指示書(Instruction relating to the Import and Use of Used Machinery to be Used in the Authorized Operation)」(Instruction/No.01/2015)が公示されました。これにより、以下の条件を満たさない中古機械の認可事業への使用及び輸入できません。

    1. 国際的に信頼される第三者機関による事前検査。機械性能証明書(Mechanical Performance Certificate)の取得。
    2. 残存耐用年数10年以上。ティラワSEZ管理委員会の事前登録・承認。

      機械性能証明書には、以下の情報及び評価/報告が含まれている必要があります。

      1. 現状評価(修理・オーバーホール後含む)
      2. 製造年
      3. 試運転(機能テスト)結果
      4. 残存耐用年数(10年以上)
      5. 排出ガス・安全基準適合性
      6. インボイス価格の妥当性
      7. 検査日、場所

      機械性能証明書を発行する「国際的信頼のある第三者機関」は同指示書内に 、日本海事検定協会 、日本海事協会(Class NK)、Bureau Veritas 、SGS 、Intertekと記載されていますが、これら機関限定ではなく「国際的に評価の高い機関」が発行したものでよいとされています。注意点は、機械性能証明書発行日から 1年以内にミャンマー国内に輸入する必要があります。

  2. ティラワSEZ外での中古機械輸入

    ティラワ経済特別区以外で中古機械の輸入が認められる条件は、商業省通知 No.14/2017(2017年2月17日)において、以下のとおり定められています。

    1. 正常稼働品(修理履歴なし)
    2. 海上輸送であること
    3. 製造後10年以内
      以下の情報の提出が必要です。
      1. ブランド名
      2. 能力
      3. 製造年
      4. 原産国
      5. 動力源(電気・ディーゼル等)
      6. 新品比 80%以上の品質保持
      7. 関係省庁の推薦
      8. 出荷地での稼働状態に関するPSI証明書
      9. 先進工業国の技術で製造されていること
      10. 必要に応じて DISI(工業監督検査局)の検査
      11. 環境保全局の推薦取得

    Ⅳ. 公道走行を目的としない産業機械

    公道走行を目的としない産業機械の輸入については、商業省通知 No.100/2024(2024年12月23日)において、以下のように定められています。公道を走らない産業機械は製造後15年以内(2011年以降製造)のもののみ輸入可能です。

    対象機械例:
    油圧ショベル、ブルドーザー、ホイールローダー • クレーン各種、フォークリフ ト • アスファルトフィニッシャー 等(全18種)

    Ⅴ. 日本からの機械(中古を含む)の輸出における注意点(安全保障貿易管理)

    日本から輸出される一部の機械(中古を含む)及び関連技術は、安全保障貿易管理(リスト規制・キャッチオール規制) の対象となる可能性があります。機械(中古を含む)及び関連技術を輸出される際には、まずはこの点に注意して手続きを進めていただくようにしてください。

    関係機関

    関係法令及び規則

    参考資料・情報

    経済産業省
    安全保障貿易管理外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    安全保障貿易管理ガイダンス[入門編] 第二版PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(3.8MB)
    ジェトロ
    「安全保障貿易管理におけるキャッチオール規制」
    「安全保障貿易管理」 早わかりガイドPDFファイル(3.3MB)

    調査時点:2017年1月
    最終更新:2025年12月

記事番号: F-170103

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