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安全保障貿易管理とコンプライアンス・プログラム(CP):日本

質問

安全保障貿易管理とコンプライアンス・プログラム(CP)について、教えてください。

回答

国際的な平和および安全の維持の観点から大量破壊兵器等の拡散防止や通常兵器の過剰な蓄積を防止するために、国際条約やワッセナー・アレンジメント(WA)などの 国際的輸出管理の枠組み(レジーム)に基づき、各国で輸出の管理・制限を行っています。日本では外国為替及び外国貿易法(外為法)を根拠法と定め、貨物の輸出については輸出貿易管理令(輸出令)で、役務(技術)の提供については外国為替令(外為令)で規制品目や役務(技術)の内容を規定し、さらに具体的な規制値や仕様などの詳細を輸出貿易管理令別表第1および外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令(貨物等省令)や通達等で規定しています。

I. 安全保障貿易管理制度

  1. 安全保障貿易管理の国際的枠組み
    安全保障貿易管理の国際的枠組みとしては、現在、通常兵器と大量破壊兵器に関連する4つのレジームがあります。
    1. 原子力供給国会合(Nuclear Suppliers Group: NSG)
      「NSGガイドライン」に基づいて核兵器の製造等に使用される可能性のある原子力専用品、汎用品および技術を対象としています。
    2. オーストラリア・グループ(Australia Group: AG)
      オーストラリアの提案により、「生物兵器禁止条約」と「化学兵器禁止条約」に基づき、それらの兵器の開発等に転用の可能性の高い汎用品、専用品および技術を参加国がそれぞれ自主的に法規制を行うことに合意しています。
    3. ミサイル技術管理レジーム(Missile Technology Control Regime: MTCR)
      核爆弾を搭載可能なロケットと無人航空機の開発・製造に使われる機材と技術の輸出規制を目的とした枠組みで、生物・化学兵器を搭載できる小型のミサイルまで規制が広げられています。
    4. ワッセナー・アレンジメント(Wassenaar Arrangement: WA)
      通常兵器およびその開発・製造・使用に供されるおそれのある汎用品(デュアルユース品)を対象としています。
  2. わが国の安全保障貿易管理制度
    わが国では、外国為替及び外国貿易法ならびに輸出貿易管理令等により、以下の輸出規制を行っています。
    1. リスト規制(大量破壊兵器やその他の通常兵器の開発等に用いられるおそれが高い特定の貨物・技術をリスト化して規制)
      武器または前述のレジームで合意した高度技術汎用品に対し、仕向地域に関係なくリスト規制対象品目リスト「輸出貿易管理令別表第1」に定める貨物、「外国為替令別表」に定める技術で、省令に定める特定の仕様のものは全て経済産業省の輸出許可が必要になります。
    2. キャッチオール規制(大量破壊兵器および通常兵器の開発等に用いられるおそれのある貨物・技術について、リスト規制品以外にも用途・需要者により規制)
      リスト規制非該当品であっても、食料品、木材等の一部を除いて、全てのものに対し、用途、需要者により許可申請要否が決まります。輸出管理徹底国 (ホワイト国、全27カ国) を除く全ての国、地域を仕向地とする場合に規制対象となります。
    3. 積替規制(仮陸揚げ貨物に対する規制)
      わが国に仮に陸揚げした貨物について、大量破壊兵器等の開発等のために用いられるおそれがあり輸出規制の発動要件に該当する場合には、経済産業省の許可が必要になります。
    4. 仲介貿易・技術取引規制(三国間貿易に対する規制)
      外国相互間の貨物の移動を伴う売買、貸借または贈与において、当該貨物が大量破壊兵器等の開発等のために用いられるおそれがあり規制の発動要件に該当する場合には、経済産業省の許可が必要になります。
    5. 政令および省令の制定および改正
      安全保障貿易管理制度は、関係各国と国際機関の連携により刻々と変化する国際情勢に合わせた運用が必要で、また国内では、できるだけ効率的に運用しなければなりません。このため、随時、関連法規の制定や改正が行われていますので、常に最新の情報を入手する必要があります。

II. コンプライアンス・プログラム(CP)

輸出者自らの責任と判断に基づき輸出貿易管理を行うことが、わが国の安全保障貿易管理制度の基本理念です。武器・大量破壊兵器等の拡散が引き続き懸念される中、安全保障貿易管理を適切に実施していくために、各輸出企業が管理体制を整備し、これを確実に実施していくことが求められています。また、キャッチオール規制の導入に伴い、輸出企業の判断に委ねられる部分が従来に比べ増加するため、企業の自主的安全保障貿易管理体制としての法令順守プログラム、すなわち、CPを制定し、経済産業省に届け出ることが求められています。2010年4月からその中核をなす輸出貿易に関する内部管理体制の整備を含む輸出者等順守基準が適用(法的拘束力が発生)され、次の事項が定められました。

  1. 輸出等を行うに当たって順守する基準
    1. リスト規制品該非確認をする責任者を選定すること。
    2. 輸出等業務従事者への最新法令の周知およびその順守指導を行うこと。
  2. リスト規制品の輸出等を行うに当たって順守する基準
    上記1に加え、教育・監査を含む内部管理体制等9項目を定めること。

なお、安全保障貿易情報センターのウェブサイトにはモデルCPが紹介されていますのでご参照ください。

関係機関

経済産業省貿易経済協力局貿易管理部外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
一般財団法人 安全保障貿易情報センター(CISTEC)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
日本機械輸出組合(JMC)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関係法令

外国為替及び外国貿易法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
輸出貿易管理令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
外国為替令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

参考資料・情報

ジェトロ:
貿易・投資相談Q&A
安全保障輸出管理に基づく輸出規制キャッチオール規制
輸出における安全保障貿易管理規則該非の確認方法
ワッセナー・アレンジメントに関わるコンピュータ輸出手続き

調査時点:2012/09
最終更新:2017/11

記事番号: A-000922

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