中古車の現地輸入規則および留意点:ミャンマー向け輸出
質問
ミャンマーへ中古車を輸出する際の現地での輸入規則および輸入手続きについて教えてください。
回答
Ⅰ. ミャンマーの新車及び中古者の輸入環境
ミャンマーでは、2021年10月1日より乗用車の輸入ライセンス発行と新車販売店のライセンス発行が停止され、乗用車の輸入が一時的に禁止されています。
一方、電気自動車(乗用車)は例外として輸入ライセンスが発給されており、条件付きで輸入が認められています。2022年11月、商業省(MOC)は通達62号により海外からの電気自動車輸入規則を通達しました。現在は、2025年1月から2026年3月31日まで有効な「電気自動車(EV)輸入パイロットプロジェクト」のもとで電気自動車(バスを含む)が輸入・登録されています。電気自動車の輸入を希望する企業は、以下のような条件を満たしたうえで当局が定める基準・仕様・数量の電気自動車を輸入・販売可能となっています。
- 当局(Committee for the Development of Electric Vehicles and Related Industries)の認可。
- ショールームの開設。
- 当局が定める保証、アフターサービス、修理を提供すること。
2023年10月15日商業省は、海外で就労するミャンマー国民に対し電気自動車(EV)の輸入許可を付与する方針を発表しました。給与所得者が1年間で20万ドル(約3,000万円)以上をミャンマーに送金した場合、送金額の5%に相当するEVの輸入を1年につき1台許可しています。給与所得者以外は1年間で5万ドル以上を送金した場合同様の許可を与えるというものですが、2025年11月末現在輸入実績はありません。
Ⅱ. 日本からの中古車の輸出手続き
- 輸出者として用意すべき書類
必要書類は「日本からの中古車輸出の際の通関手続き、および必要書類
」で紹介している書類です。
- 輸出者として行うべき検査
船積前検査が要求されています。ただし、実際には政府認定検査機関の指定がないため、ミャンマー向け中古車の船積前検査の実績はなく、輸出者がインボイス上で自己証明すればよいとされていますが、契約時に輸入者に直接ご確認ください。
検査事項は以下のとおりです。
- エンジンの動作確認(動作に異常なく、真正かつ新しい部品に交換済みであること)
- ブレーキを含むシャーシの安全性(オーバーホールと必要な修理・部品交換が済んでいること)
- 車体状態(必要な修理・塗装がなされていること)
- 車内状態(清潔であること)
- バッテリーとタイヤ(新しいものに交換済みであること)
- ハンドル(左ハンドル車のみ輸入可能)
Ⅲ. 輸入手続き
車両輸入管理委員会への申請の他、輸入のつど、輸入ライセンスを取得する必要があります。
- 車両輸入管理委員会への申請
以下の書類を車両輸入管理委員会に提出します。- 車両輸入申請書
- 国民登録身分証明カードの原本と写し
- 銀行通帳とその写し
- 住民登録家族リストの原本とその写し
- 輸入予定の車両のインボイス
- 車両輸入に関する管理委員会に対して既に申請し、過去に輸入許可を発行された者ではないことを宣誓陳述する書類
- 輸入ライセンス(import license)取得
商務省は、2024年通達100号(2024年12月23付)許可発行対象となる中古車輸入の年式を発表しました。年式は毎年更新されます。- 乗用車(非商用車)2024~2025年製。
- 商用車(商用トラック/バス)2021年~2025年製。
- 消防車および救急車 2016年~2025年製
乗用車および商用車はすべて左ハンドルでなければなりません。 詳細は、ジェトロの「輸出入手続き(ミャンマー) 」を参照ください。
- 輸入通関「輸出入手続き(ミャンマー)」に記載のある必要書類の提出に加え、上述の「II-2.船積前検査」に関連し、Inspection & Testing Certificate(船積前検査証明書)、またはインボイス上で自己証明を行う必要があります。
- 車両登録手続き運輸通信省道路交通管理局(RTAD)で車両登録します。登録事務所は、ヤンゴン管区のタウ・チャント(ミンガラドン軍区)/イワル・ター・ジー(東ダゴン軍区)/ネピドー管区/マンダレー管区で行います。
- 必要書類
- 税関申告書
- 輸入許可証カスタムズ・インボイス
- 国民登録身分証明カード(写真付NCR)
- 車両登録料 (2025年11月現在)
- 商用車・トラック: FOB価格の5%
- バス: FOB価格 の5%
- 乗用車
- 1350cc以下の乗用車: FOB価格の15%
- 1351cc~2000ccまで: FOB価格の 25%
- 2001ccc~3000ccまでFOB価格の25%
- 3001cc~4000ccまでFOB価格の30%
- 4001cc~5000ccまでFOB価格の35%
- 5001cc以上の車両: FOB価格の 60%
- 乗用・貨物兼用社:FOB価格の40%
- 必要書類
Ⅳ. 輸入にかかる諸税
1.輸入関税
Myanmar National Trade Portal
にHSコードを入力すれば検索することができます。輸入時は関税率表にしたがって、輸入関税(Import Duty)を支払います。課税基準は賦課課税方式によるCIF価格です。
輸入関税率は以下のとおりです。
- バス10%
- 乗用車
- 1000cc未満10%
- 1000ccから1500CC 10%
- 1500ccから2000cc10%
- 2000cc超20%
- 貨物自動車: 10%
- 特殊車両 3%
電気自動車、充電関連機器およびスペアパーツ、ならびに完全組立(CBU)、コンプリートノックダウン(CKD)、セミノックダウン(SKD)で生産される電気自動車関連部品の関税率が0%に引下げられました。(2025年通達27、3月31日付)
ミャンマー国内においてセミノックダウン(SKD)およびコンプリートノックダウン(CKD)で生産される燃料駆動自動車の部品の関税が引き下げられました。(2025年6月1日から2026年5月31日までの措置)
セミノックダウン(SKD)部品の関税率は以下のとおりです。
- 2000cc以下の乗用車:5%(7.5%から引き下げ)
- 2001cc以上の乗用車:5%(7.5%から引き下げ)
- 三輪バイク(乗用):3%(7.5%から引き下げ)
- 三輪バイク(貨物):3%(7.5%から引き下げ)
- バス:3%(7.5%から引き下げ)
- トラック及び架装用トラック:3%(7.5%から引き下げ)
- オートバイ:1.5%(3%から引き下げ)
コンプリートノックダウン(CKD)部品の関税率は以下のとおりです。
- 2000cc以下の乗用車:3%(5%から引き下げ)
- 2001cc以上の乗用車:3%(5%から引き下げ)
- 三輪バイク(乗用):1.5%(5%から引き下げ)
- 三輪バイク(貨物):3%(5%から引き下げ)
- バス:3%(5%から引き下げ)
- トラック及び架装用トラック:3%(5%から引き下げ)
- オートバイ:1.5%(3%から引き下げ)
2.商業税
輸入時に商業税(Commercial Tax)も課税されます(税率は品目によって異なります)。課税基準は陸揚げ時の価格(CIF価格と輸入関税額の合計)です。乗用車は25%、その他は5%です。
3.前払い法人税
原則すべての輸出入貨物を対象に前払い法人税が2%徴収されます(2013年6月13日より導入)。輸入の際、関税納付時に国税局に納付します。
注意:
ミャンマーの自動車輸入規制等はこれまで頻繁に変更されており、今後さらに多くの変更が行われることが予測されます。実際の取引時には、輸入者を通じて十分に最新の情報を確認しながら進めてください。本情報はあくまで参考情報であることを理解した上でご活用いただくようお願いいたします。ジェトロは、本情報をもとに行われた商取引等によるいかなる損害等に対しても、責任を負いかねます。
関係機関
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在日ミャンマー連邦大使館
(英語)
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商業省(Ministry of Commerce)
-
鉄運輸通信省道路交通管理局(Ministry of Transport and Communications, Road Transport Administration Department)
参考資料・情報
- Ministry of Commerce
-
Myanmar National Trade Portal
- ジェトロ:
- 輸出入手続き(ミャンマー)
- 貿易・投資相談Q&A「中古車輸出の際の必要書類と手続き: 日本
調査時点:2015年2月
最終更新:2025年12月
記事番号: A-021209
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