個人宛て小口貨物の通関制度:中国
質問
中国の個人宛て小口通関制度について教えてください。
回答
個人宛て小口貨物の場合は、通常、個人持ち込み、郵送またはクーリエ便(以下郵送品等という)の方法がとられます。個人宛て小口貨物は一定の条件を満たせば、輸入通関手続きが簡略化され、また関税が免除される場合や、関税や輸入増値税に代わって税率が軽減される場合があります。
Ⅰ. 個人宛て小口貨物について
(1)個人使用目的の個人宛て小口貨物とは
個人宛て小口使用目的の物品については、一般(大口個人使用、大口販売目的、小口販売目的)の場合と違い、以下の例外が適用され、手続きが簡略化される場合があります。
- 個人使用目的の物品とは
個人が携帯して出入国する手荷物品、郵送出入国物品のうち、自家用かつ数量が合理的である範囲の貨物です。(根拠:中華人民共和国税関法第46条) - 個人使用、合理的な数量の基準
個人使用とは、販売やレンタルではなく、自身で使用し、または友人への贈り物とすることを指します。また合理的な数量とは、税関が実際の状況に基づいて判定した正常な数量を指します。具体的な数量は2.(1)項(携行品)、2.(2)項(郵送品)参照。これ以外のものについては税関の裁量に委ねられるところが大きいです。
Ⅱ. 個人宛て小口貨物の輸入通関手続き、限度額
(1)携行品の場合
個⼈の携⾏物品の輸⼊通関⼿続は以下のように規定されています(税関総署公告2007年第72号「全国の各対外開放検問所で実⾏される出⼊国旅客新申告制度」、2008年2⽉1⽇施⾏、および税関総署公告2025年第43号「⼊国旅客が携帯する荷物の検査通関基準に関係する事項について」、2025年4月1日施⾏)。
- 個人携行品の通関手続き(含む限度額の目安)
下記物品を携行している旅客は入国の際、「通関申告通路」(赤色通路)を選択し、所定の申告票に記入のうえ、税関の検査と手続きを行います。食品などの場合、検疫機関の検査を受ける必要がある品目があります。関税・増値税など税金納付が必要な場合、税関が関税基準(課税価格および税率)を確定し、通関申告書を発行します。 (詳細については下記、簡易課税制度参照)- 輸入禁止物品
- 輸入限度額・数量を超えた物品または許可証・他の証明文書を提示しなければならない物品
- 動植物、動植物製品、その他の検疫が必要な物品
- 血液等の人体組織、病原性微生物、生物学的物品、その他公共衛生的物品
- 感染症に汚染した検疫を受けたもの、または感染症に検疫を受けまん延させる恐れのある物品
- 規定額を超える紙幣
- 規定の免税額または数量を超える物品
- 貨物、サンプル、広告品
- 別送品の形で、持込む手荷物品
- その他法令により書面での申告が必要な手荷物品
代表的な免税限度は下記とされている。
- 居住者が国外で入手した総額5,000元以内(5,000元を含む)の個人使用目的の物品
- 非居住者が中国から持ち出さない予定の総額2,000元以内(2,000元を含む)の個人使用目的の物品
- アルコール飲料(アルコール分12%以上)1,500cc、紙巻きタバコ(加熱式タバコを含む)400本
- 人民元:2万元以内
- 外貨:マルチの出入国者は、携行外貨は毎回税関に申告する必要あり。それ以外の入国者は、5,000米ドル相当以内の外貨現金
- 上記物品を携行していない旅客は「無通関申告通路」(緑色通路)を選択します。
- 「携行、郵送による入国禁止動物・植物およびその製品目録」に掲げられている品目は、中国の関連部門の審査認可を経た上で、輸出国の当局が発行した検疫証書があれば通関できます。
- 特殊品携行の取り扱い―例えば薬品
『薬品輸入管理弁法』第39条では、「個人が自家用の少量の薬品を所持して出入国する場合、自家用、合理的な数量を限度とし、税関の監督管理を受けなければならない。」と規定しています。非処方薬は限度内であれば、通関できるとされています。
処方薬の場合、税関は、医師の有効な処方原本に基づき薬品の合理的な数量を確定させる正規の医療機関が発行した医療診断書を提出し、実際に携帯する必要があることを証明することとなります。
なお、国ごとに麻薬認定範囲及び薬品成分の制限に差異がありますので、判断に迷われる場合には、事前に税関までご確認ください。
(2)郵送品の場合
- 個人宛て郵送品の限度額について
- 個人宛物品の郵送による輸出入については、中国域外から中国への輸入に対しては、1回あたりの限度額は、2000元。中国から域外への輸出については、香港、マカオ、台湾向けは、1回あたりの限度額を800元。他国および地域向けは、1,000元としております。(税関総署公告2024年第176号「輸出入貨物の管理の修正および廃止に関する文書の公告」2024年12月1日施行
および2010年第43号「個人宛郵送品の出入国管理措置に関する事項の調整について」、2010年9月1日施行)。
- 限度額を超えても個人使用目的と認められる場合
税関が個人使用目的の物品であると認定し、その郵送品が1件のみで、かつ分割できない場合には必要書類の準備をし、運送業者経由で通関申告の上、税金を納付後、郵送品を受け取ります。
- 個人宛物品の郵送による輸出入については、中国域外から中国への輸入に対しては、1回あたりの限度額は、2000元。中国から域外への輸出については、香港、マカオ、台湾向けは、1回あたりの限度額を800元。他国および地域向けは、1,000元としております。(税関総署公告2024年第176号「輸出入貨物の管理の修正および廃止に関する文書の公告」2024年12月1日施行
- 個人宛ての郵送品の通関手続
- 限度額以内の場合
- 免税範囲(3.(1)項参照)の場合
発送人と運送業者の契約によりますが、通常は運送業者が通関手続きを行うので、荷受人が通関手続きをすることはありません。 - 納税が必要な場合
通常は運送業者より荷受人に通関申告に必要な書類等を記載した書簡が送られます。荷受人は必要書類を準備し運送業者経由で通関申告し、税金を納付後、郵送品を受け取ります。
- 免税範囲(3.(1)項参照)の場合
- 検査が必要な場合
特殊物品(例えば、生物製品、薬品、植物、携帯電話、郵送による⼊国禁⽌動物・植物およびその製品およびその他の検疫物⽬録、出入国者の携帯物検疫管理弁法(原質検総局令第146号)第4、5条を参考)については、実際の郵送時に運送業者に相談する必要があります。 - 限度額を超える場合
4.項個人使用目的個人宛小口貨物に該当しない貨物の一般通関手続きを参照ください。
- 限度額以内の場合
Ⅲ. 個人用携行品および郵送品に対する簡易税率制度
- 以下の個人宛ての小口貨物(携行品及び郵送品)は関税が免除されます。
- 関税額が50元以下の1件の貨物
- 商業価値のない広告品およびサンプル品等
※上記規定は一般貨物においても、適用されます。
(根拠法令:「輸出入関税条例」第45条)
- ⼊国者が携⾏して持ち込む⼿荷物および個⼈が輸⼊する郵送品が、個人宛て小口貨物の限度内で、且つ、関税課税対象と判断された場合、「輸出入関税条例」第56条より、入国物品の関税及び輸入増値税は輸入税(行郵税)に統合され、簡易税率が適用されます。
- 輸入税の計算式は、輸入税(行郵税)額=課税価格×輸入税率
課税価格表及び輸入税率は、『中華人民共和国入国物品分類表』、『中華人民共和国入国物品納税価格表』に規定されています。 - 「課税価格表」に課税価格が明記されていない物品については税関が同一物品の主要市場小売価格をもとに、課税価格を確定します。
- 実際の購入価格が「課税価格表」に明記されている価格の2倍以上または2分の1以下の場合、税関は実際の購入インボイスまたはレシートに記載された金額に基づき課税価格を確定します。
- 実際の購入価格が課税価格表の金額の2分の1を下回る場合、自主的に税関に購入インボイスあるいはレシートを提出することにより、課税価格が減額されます。
- 実際の購入価格が課税価格表の金額の2倍を上回ると税関が判断する場合、購入インボイスあるいはレシートを提出することにより、実際の購入金額により課税価格が決定する場合があります。
- ⼊国者が携⾏して持ち込む⼿荷物および個⼈が輸⼊する郵送品が個人宛て小口貨物の限度を超える場合には、一般貨物として、関税、増値税、消費税等が課税されます。
Ⅳ. 個人使用目的個人宛て小口貨物に該当しない貨物の一般通関手続き
上記に含まれない貨物については中国の貿易管理制度についての下記資料を参照ください。品目により、輸入に必要な許認可、登録・届出の手続き等が定められています。詳細は下記リンクを参照ください。
関係機関
関係法令
調査時点:2016年12月
最終更新:2025年8月
記事番号: A-051022
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