日本からの輸出に関する制度

花きの輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する花きのHSコード

060110
りん茎、塊茎、塊根、球茎、冠根および根茎(休眠しているもの)
060120
りん茎、塊茎、塊根、球茎、冠根および根茎(成長し又は花が付いているもの)ならびにチコリーおよびその根
060210
根を有しない挿穂および接ぎ穂
060230~060290
ツツジ、バラ等
060311~060390
切花および花芽

2019年4月1日以降、農食品・獣医庁(AVA)が解体され、シンガポール食品庁(SFA)が新設されたことで、AVAが所管していた輸入動植物の管理・検疫業務が三つの組織へ分割移管されました。食品関連はSFAへ、非食品関連は国立公園局(NParks)の管轄となり、非食品のうち動物・家畜部門はNParks内の組織である、動物・獣医サービス(AVS)が担当となっています。

NParksは、輸入管理品目である植物のHSコードをさらに細かく分類したNParks独自の商品コードを規定しており、輸入者は輸入許可申告の際に、HSコードとともにこの商品コードをシンガポール税関およびNParksに申告する必要があります。

関連リンク

関係省庁
シンガポール税関(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
シンガポール国立公園局(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
税関 輸出統計品目表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
シンガポール税関 Harmonized System (HS) Classification of Goods(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
シンガポール国立公園局 Bringing Plants & Plant Products into Singapore(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
「Bringing Plants & Plant Product into Singapore」内の「Import permit from NParks」にあるリンクから植物の商品コードを確認できます。

シンガポールの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2022年10月

【シンガポールの法令により輸入が禁止・制限されている品目】

花きの輸入は、NParksが所管する植物管理法およびその付属法令である植物管理(植物輸入)規則により規制されています。植物管理(植物輸入)規則では、花きのうち規制された植物をNParks長官の許可なく輸入してはならないと定めています。規制された植物のリストは同規則第2付表に掲載されています。規制された植物の輸入には、輸出国の検疫機関により船積み前14日以内に発行された植物検疫証明書が船積みごとに必要となります。

【ワシントン条約(CITES)該当種の輸入規制】

絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)のCITESリストに掲載されたあらゆる動植物の輸入には、事前にNParksより「CITES輸入許可」を取得しなければなりません。花きのワシントン条約に該当する品目には、ソテツ科、イチイ科、ナンヨウスギ科、ラン科、シクラメン属全種などが挙げられます。ワシントン条約の該当種は、経済産業省のウェブサイトから確認することできます。

輸入申告には輸出国の管轄官庁が発行した「CITES輸出・再輸出許可」を事前に取得していることが条件となります。CITES輸入許可にかかる手数料は、一つの貨物につき最低60 Sドル(シンガポール・ドル)(5種まで)、6種目からは追加で1種につき12 Sドルかかります。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2022年10月

ワシントン条約(CITES)の規制対象種を輸出する場合、経済産業省が発行した「CITES輸出・再輸出許可」を事前に取得する必要があります。該当品目に当てはまらない場合でも、原産地証明書が必要となる場合があるため、経済産業省ウェブサイトの「ワシントン条約規制対象種の調べ方」および「ワシントン条約規制対象貨物の輸出承認手続き」で、輸出しようとする商品について確認してください。

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2022年10月

花きを含む植物の輸入規制は、植物管理法で定められています。同法には、植物全般の防疫について規定した植物管理(植物輸入)規則と、植物検疫証明について規定した植物管理(植物検疫証明)規則が付されています。
植物管理(植物輸入)規則の第2付表に輸入規制植物のリストが掲載されています。次の24品目の輸入規制植物の輸入には、規制病害虫が付着していない旨を記載した植物検疫証明書が船積みごとに必要となります。植物検疫証明書は輸出国の検疫機関によって船積み前14日以内に発行されたものでなければなりません。

  1. ゴムの木(学名:Hevea spp.)
  2. ココア(学名:Theobroma cacao)
  3. ココナッツ(学名:Cocos nucifera)
  4. オイルパーム(学名:Elaeis guineensis)
  5. キャッサバ(学名:Manihot esculenta)
  6. かんきつ系植物(学名:Citrus spp.)
  7. コーヒー(学名:Coffea spp.)
  8. コットン(学名:Gossypium spp.)
  9. トウモロコシ(学名:Zea mays)
  10. バナナ(学名:Musa spp)
  11. パイナップル(学名:Ananas comosus)
  12. 稲(学名:Oryza sativa)
  13. サトウキビ(学名:Saccharum officinarum)
  14. 茶(学名:Camellia sinensis)
  15. ラン(学名:Orchidaceae)
  16. 培養土の有無にかかわらず、枝、球根、虫、葉、根茎、種子または塊茎などほかのすべての生きた植物または培養材
  17. 遺伝子組み換え植物
  18. 生鮮または乾燥した植物標本
  19. きのこの種菌
  20. 熱帯アメリカ産のすべての新鮮な花、果物、野菜
  21. すべての環形動物、節足動物、軟体動物、線虫および微生物
  22. すべての遺伝子改変生物
  23. すべての生物的防除剤
  24. 土壌、植物起源の有機肥料

日本からバラ、ユリ、カーネーション、キクなどの切り花をシンガポールに輸出する際は、日本の植物検疫証明書を取得する必要はありませんが、サクラ、ツツジ、マツ、ランなどの苗、果菜類などの種、鉢植え植物、観葉植物を輸出する際には、病害虫が付着していない旨が記載された日本の植物検疫機関発行の植物検疫証明書を取得する必要があります。

シンガポールの食品関連の規制

1. 製品規格

調査時点:2022年10月

なし

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2022年10月

食品となる青果物・穀類を除いて、輸入される植物で残留農薬および動物用医薬品に関する法的規制はありません。

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2022年10月

輸入される花きの重金属および汚染物質に関する法的規制はありません。

4. 食品添加物

調査時点:2022年10月

輸入される花きの添加物に関する法的規制はありません。

5. 食品包装規制(食品容器の品質または基準)

調査時点:2022年10月

輸入される花きの容器・包装についての法的規制はありません。

6. ラベル表示

調査時点:2022年10月

なし

7. その他

調査時点:2022年10月

なし

シンガポールでの輸入手続き

1. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2022年10月

【輸入ライセンス】

シンガポールへの花きの輸入にあたり、輸入者は会計企業規制庁(ACRA)あるいは関連する個別企業登録番号(UEN)発行機関に登録し、UENを取得する必要があります。その後、登録者は税関のアカウントを有効化する必要があります。

【輸入許可】

あらゆる植物の輸入者は、シンガポール税関が所管する輸出入規制法のもと、貨物がシンガポールに輸入される前に、船積みごとに事前申告を行い、NParksが発行する輸入許可を取得しなければなりません。輸入許可は、「TradeNet」を通じて、取得することができます。輸入申告には適切なHSコードと製品コードを申し込みフォームに記入することが必要になりますが、TradeNetに製品コードの検索サイトがあります。申し込みフォームに加えて、船荷証券(B/L)またはエアウエイビル(AWB)、インボイス、パッキングリスト(P/L)、必要に応じて植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)などの関係書類も必要となります。

シンガポール税関と輸入管理品目の輸入許可発給機関であるNParksにより輸入が許可されると、貨物通関許可(CCP)が発行されます。輸入者はCCPを印刷して、通関のチェックポイントに提示することで貨物を引き取ることができます。
輸入した貨物について、NParksが追加検査を求めることがあります。その場合、当該貨物に対する追加検査を実施しない限り、貨物は封印され、貨物を開梱して販売に供することができません。輸入者は、政府認定試験所のeサービスを通じて、検査のオンライン予約を行い、NParksによるサンプリングおよび検査を手配する必要があります。検査で不合格となれば、輸入業者は輸入した貨物を輸出元へ返送するか廃棄処分しなければなりません。
花きを輸入する場合、輸入許可手数料は1件あたり11 Sドルが徴収されます。同時にCIF価額やその他の手数料を輸入時点の為替レートでSドルに換算、その金額をベースに算出した財・サービス税(GST)をシンガポール税関に支払います。輸入許可手数料および諸税の支払いは、輸入者(代理人)があらかじめシンガポール税関に対し開設している専用口座から自動的に引き落とされます。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2022年10月

花きの輸入通関にあたり、船荷証券(B/L)またはエアウエイビル(AWB)、インボイス、パッキングリスト(P/L)に加え、必要に応じて、植物検疫証明書が必要になります。

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2022年10月

花きはシンガポールに到着後、NParksにより事前承認された保管施設で規制対象となっている病害虫が付着していないか検疫検査を求められることがあります。貨物通関許可(CCP)に要検査条件が付いている場合は、輸入者は政府認定試験所のeサービスを通じて検疫検査をオンライン予約しなければなりません。


切り花、植物、植物生産品の貨物通関後の検疫検査費用は、24茎(切り花)、10鉢(植物)、5 kg(植物生産品)以下の非商業品の場合が12 Sドル、その量を超える商業品の場合が50 Sドルとなります。

4. 販売許可手続き

調査時点:2022年10月

なし

5. その他

調査時点:2022年10月

なし

シンガポールの輸入関税等

1. 関税

調査時点:2022年10月

花きは関税の課税対象品目ではありません。

2. その他の税

調査時点:2022年10月

花きは物品税の課税対象品目ではありません。

3. その他

調査時点:2022年10月

あらゆる商品の輸入者は、輸入申告の際にCIF価額(FOB価額+保険料+運賃)に関税、物品税、手数料を足した合計に7%の税率を掛けた財・サービス税(GST、日本の消費税に相当)をシンガポール税関に納付しなければなりません。なお、GSTは2023年1月から8%、2024年1月から9%と、段階的に引き上げの予定です。

輸入者は、シンガポール内国歳入局(IRAS)にGSTを登録しておくと、3カ月ごとに売上税額(売上時に販売先から回収するGST)と仕入税額(輸入時に税関に支払ったGST)とを相殺(仕入税額控除)し、その差額をIRASに納付することになります。

その他

調査時点:2022年10月

なし