シンガポールの食品関連の規制
1. 食品規格
- 乳(milk)は、牛、水牛または山羊の乳房からの分泌物であり、いかなる添加も抽出も行っていない状態のものを指します。また、3.25%以上の乳脂肪分および8.5%以上の乳脂肪分以外の乳固形分を含んでいることが求められる一方、水や乾燥乳、コンデンスミルク、脱脂粉乳、着色料などを含む、その他のいかなる物質も添加してはなりません。
また生乳(raw milk)については、ヒトによる消費を目的とした輸入、販売、宣伝が禁じられています。この場合の生乳(raw milk)とは、殺菌牛乳や高熱殺菌牛乳のような熱処理殺菌を施していない乳、もしくはシンガポール食品庁長官が認める、同様の効果をもたらす殺菌加工を施していない乳を指します。
- 殺菌乳(Pasteurised Milk)は、次に定める温度で熱殺菌を一度だけ加えた乳のことです。
- 62.8℃以上65.6℃以下で30分以上の熱処理殺菌を行い、4.4℃以下に急速に冷却
- 最低15秒の間、72℃以上73.5℃以下の温度が保たれ、4.4℃以下に急速に冷却
また、殺菌乳はこれらの熱処理を終えたのちに、即時に無菌状態で容器充填されなければならず、充填された殺菌乳は食品規制第10項に従って日付を表示する必要があります。
- 高温殺菌乳(ultra heat treated milk)は、135℃以上で2秒間以上の熱殺菌処理を施され、無菌状態で即時容器充填されたものを指します。また、容器充填された高温殺菌乳は食品規制第10項に従って容器ごとに日付が表示されなければなりません。
- 無菌乳(sterilised milk)は、ろ過や遠心分離、均質化などをした後、すべの微生物を消滅させるに十分な時間、100℃以上で熱処理を施した後、密閉容器に充填したものです。缶入り以外のすべての無菌乳は食品規制第10項に従って、日付を表示する必要があります。
- 均質乳(homogenised milk)は、熱処理が施され、乳脂肪球を細分化させることで、乳全体に均一に混ざるような方法で加工されたものをいいます。これは、許可された安定剤以外はいかなる添加物も使用してはいけません。また、缶入りを除くすべての充填容器には、食品規制第10項に従って、日付を表示する必要があります。
- 還元乳(reconstituted/recombined milk)は、乳成分と水、乳、または水と乳の混合物のいずれかからなる製品のことです。許可された安定剤以外にいかなる添加物も含んではいけませんが、一方で乳脂肪分を3.25%以上、さらに乳脂肪分以外に8.5%以上の無脂乳固形分を含有する必要があります。還元乳の場合、”reconstituted milk”または”recombined milk”という表記が少なくとも”milk”という言葉と同じか、それ以上の大きさでなければなりません。ただし、これは”full cream” milkという表記を妨げるものではありません。さらに缶入りを除くすべての還元乳は食品規制第10項に従って、日付を表示する必要があります。
- 無糖練乳(evaporated milk)、または甘みを加えていないコンデンスミルクは、水分を取り除くことで濃厚にした乳、もしくは乳成分を水または乳、もしくはその両方と混合した乳のことをいいます。その場合、乳脂肪を含む乳固形分が28%以上、かつ8%以上の乳脂肪分を含んでいなければなりません。ソディウム、カリウム、カルシウム塩、塩酸、クエン酸、炭酸、オルトリン酸やリン酸、ビタミンなど、認可された添加物以外の添加は認められません。
- 加糖練乳(sweetened condensed milk)は、水分を取り除くことで濃厚にした乳、もしくは乳成分を水または乳、もしくはその両方と混合した乳に、砂糖を加えたもののことを指します。その場合、28%以上の乳脂肪分を含む乳固形分および8%以上の乳脂肪分が含まれていなければならず、一方でヘキサメタリン酸ソディウム(2000ppm以下)、砂糖もしくはビタミン以外の添加物は認められません。
- 乾燥乳、粉乳、全粉乳、全脂粉乳(dried milk, milk powder, dried whole milk, dried full cream milk, full cream milk powder)は乳を乾燥させた製品であり、26%以上の乳脂肪および5%以上の水分を含み、ビタミンや1種類以上の乳化剤以外の添加物を含んではならないとされています。これらの製品が充填された缶やその他の容器には、食品規制(Food Regulations)第101項に記載された次のラベルを、第109項に従って記入・添付する必要があります。
- 半脱脂粉乳(dried half cream milk)は粉末か固形かにかかわらず、乳から部分的に乳脂肪を取り除いた製品で、14%以上の乳脂肪分を含む一方、5%以上の水分やビタミン以外の添加物を含んでいてはなりません。この製品が充填された缶やその他の容器にはすべて、食品規制(Food Regulations)第102項で定められた次のラベルを、第109項に従って記入・添付することが求められます。
- 無脂肪乳、脱脂乳(skimmed/separated/defatted milk)は、濃縮、粉末、乾燥などの状態に関わらず、乳やクリームから乳脂肪分を取り除いた製品を指します。無脂肪乳粉末は水分を5%以上含んではならず、無脂肪乳粉末の調製品は、ビタミンの含有の有無にかかわらず、ラベルに表示された方法で調製された際に、9%以上の無脂肪乳固形分を含んでいなければなりません。無脂肪乳が充填された缶やその他の容器にはすべて、食品規制(Food Regulations)第103項で定められた次のラベルを、第109項に従って記入・添付することが求められます。
液体状の無脂肪乳は次のラベルが使用されます。
- 調製乳(filled milk)は、濃縮、粉末、乾燥などの状態にかかわらず、乳脂肪分以外の油脂を、乳、クリーム、無脂肪乳のいずれかに調合、混合した、乳や乳製品の類似品のことをいいます。油脂の原料を除き、模倣している乳や粉乳の規格に準ずる必要があります。
すべての調製粉乳を充填した缶やその他の容器には、食品規制(Food Regulations)第104項で定められた次のラベルを第109項に従って記入・添付することが求められます。
液体状の調製乳には次のラベルが使用されます。
- フレーバーミルク(flavoured milk)は乳や粉乳、無脂肪乳のいずれかに、香料を添加した乳飲料を指します。塩や甘味料、着色料、安定剤が含有される可能性があり、2%以上の乳脂肪が含まれていなければなりません。缶入りの無菌フレーバーミルクを除いたすべてのフレーバーミルクのパッケージには、食品規制(Food Regulations)第10項に従って、日付を記載する必要があります。
- 乳酸菌乳飲料・発酵乳飲料(lactobacillus milk drink/cultured milk drink)は、乳脂肪が一部取り除かれた殺菌乳に、バクテリアを生成する乳酸菌を含んだ水が加えられた発酵製品のことをいいます。このような製品は3%以上の無脂乳固形分が含まれていなければなりません。なお、”Lactobacillus milk”または”cultured milk”と表示された発酵乳の場合、乳固形分や乳脂肪分の含有量については、通常の牛乳(milk)の基準に準ずる必要があります。すべての乳酸菌飲料・発酵乳飲料のパッケージには、食品規制(Food Regulations)第10条に従って、日付が記載されなければなりません。
- 麦芽乳パウダーは、ミルクと大麦麦芽のマッシュから分離させた液体と乳を混合することでできた製品のことをいいます。塩や重曹、炭酸水素カリウム、認可されている香料などの添加の有無にかかわらず、乳脂肪分の含有率は7.5%以上、水分は3.5%以下である必要があります。
- ホエイはチーズ製造の過程で凝乳を乳、クリーム、または脱脂乳から除去した後に残る物質のことをいいます。物質の状態(乾燥、凝縮、粉末など)は問われません。
- クリームは、乳から乳脂肪の大部分が濃縮されたものを指し、乳脂肪の含有率は35%以上である一方、いかなる添加物も含まれてはいけません。滅菌された缶詰を除く、すべてのパッケージには食品規制(Food Regulations)第10項に従って、日付の表示が求められます。
- 均質乳クリーム(Homogenise cream)は、熱処理が施され、乳脂肪球を細分化することで乳全体に均一に混ざるような方法で加工されたクリームのことを指します。認可された乳化剤や安定剤以外の添加物は含みません。減菌された缶詰を除く、すべてのパッケージには食品規制(Food Regulations)第10項に従って、日付の表示が求められます。
- 還元乳クリーム(reconstituted/recombined cream)は、乳成分と水、乳、または水と乳の混合物のいずれかからなる製品のことです。認可された乳化剤および安定剤以外は含んではならず、乳脂肪の含有量は通常のクリームに準じます(35%以上)。減菌された缶詰を除く、すべてのパッケージには食品規制(Food Regulations)第10項に従って、日付の表示が求められます。
- 濃厚クリーム(thickened cream)は、砂糖の添加の有無にかかわらず、加熱処理されたクリームで、認可された乳化剤および安定剤、ショ糖またはレンネットや食用ゼラチンを含むものを指します。減菌された缶詰を除く、すべてのパッケージには食品規制(Food Regulations)第10項に従って、日付の表示が求められます。
- 減脂肪クリーム(reduced cream)は、乳脂肪分が18%以上35%未満の製品で、その他の準拠すべき基準は、すべて通常のクリームと同様になります。減菌された缶詰を除く、すべてのパッケージには食品規制(Food Regulations)第10項に従って、日付の表示が求められます。
- サワークリーム(Sour Cream)は、殺菌後にバクテリアを生成する乳酸によって、意図的に酸味付けされたクリームです。減菌された缶詰を除く、すべてのパッケージには食品規制(Food Regulations)第10項に従って、日付の表示が求められます
- バター(Butter)は、乳またはクリーム、あるいはその両方のみから製造された固形製品のことです。酸敗が発生していない状態で、乳脂肪は80%以上、水分は16%以下であることが求められます。塩や人体に無害な植物色素を含むことはありますが、食品規制(Food Regulations)で明示的に許可されている以外のいかなる添加物も含まれません。
- チーズ(Cheese)は、乳、脱脂乳、クリームのカゼイン、またはこれらの混合物と、レンネットやペプシン、酸と混ぜ、凝固させて得られる固体または半固体の製品を指します。熟成発酵物、無害な酸を生成する細菌、特別なカビの培養、調味料、リゾチームまたは認可された香料、固化防止剤、着色料または化学保存料が含まれる場合もありますが、乳脂肪以外の脂肪は含んではいけません。また、表面から5 mm未満の深さで採取したサンプル中にナタマイシンが1mg/sq d以下となる範囲で、ナタマイシンを外皮として使用することができます。ただしソルビン酸と同時の使用は認められていません。
- チェダーチーズ(Cheddar cheese)は、39%以上水を含んではならず、水を含まない部分に含まれる乳脂肪が48%以上でなければなりません。
- 名前や分類なく販売されるチーズ(Unnamed cheese)は、39%以上水を含んではならず、水を含まない部分に含まれる乳脂肪が48%以上でなければなりません。
- クリームチーズ(Cream cheese)は、クリームまたはクリームが添加された乳から作られたチーズでなければならず、水分は55%以下、水分を含まない部分の乳脂肪分が65%以上でなければなりません。
- プロセスチーズまたは乳化チーズ(Processed or emulsified cheese)は、粉砕され、乳化され、殺菌されたチーズでなければなりません。また水分が45%以下で、水分を含まない部分の乳脂肪分は45%以上、無水乳化塩は3%以下である必要があります。
- チーズスプレッドまたはチーズペースト(Cheese spread or cheese paste)は、殺菌されており、水分含有量が60%以下であることを除くと、プロセスチーズまたは乳化チーズと同様の基準を満たさなければなりません。
- ヨーグルト(Yoghurt)は、ブルガリア乳酸杆菌とストレプトコッカス・サーモフィルス、アシドフィルス菌、およびヨーグルト細菌から1種類以上、殺菌前に脂肪の一部を除去、もしくは乾燥牛乳または乾燥脱脂乳固形分を添加した殺菌牛乳に接種して製造した発酵製品のことです。これらの細菌類が製品に含まれる細菌類の大多数を占めていなければならず、砂糖や認可された着色料や香料が含まれることがあります。通常のヨーグルトには、乳脂肪以外に8.5%以上の乳固形分、3.25%以上の乳脂肪分が含まれることが求められますが、低脂肪ヨーグルトは乳脂肪が2%以下、無脂肪ヨーグルトまたは脱脂乳ヨーグルトは0.5%以下でなければなりません。またすべてのパッケージには、食品規制(Food Regulations)の第10項に従って、日付を表示する必要があります。
- フルーツヨーグルトは、果物、果物の繊維、スライスした果物または果汁と混合されたヨーグルトで、砂糖や認可された保存料や着色料を含む場合もあります。フルーツヨーグルトには、脂肪以外の乳固形分が8.5%以上、乳脂肪が1%以上、および果物または果汁が5%以上含まれていなければなりません。またすべてのパッケージには食品規制(Food Regulations)の第10項に従って、日付を表示する必要があります。
- アイスクリームは砂糖の有無にかかわらず、牛乳またはクリームまたは乳製品の冷凍調製物を指します。乳脂肪の一部または全体が、ほかの食用脂肪または油で置き換えられる場合もありますが、5%以上の脂肪と7.5%以上の無脂肪乳固形物を含まなければなりません。
- 乳製品アイスクリーム(Dairy ice-cream)またはフルクリームアイスまたは乳製品クリームアイスは、砂糖の有無にかかわらず、乳やクリームもしくは乳製品の冷凍加工食品のことをいいます。10%以上の乳脂肪と7.5%以上の無脂肪乳固形分を含まなければなりません。
- ミルクアイス(Milk-ice)は、2.5%以上の乳脂肪と7%以上の無脂肪乳固形分を含む冷凍食品を指します。
2. 残留農薬および動物用医薬品
シンガポールでは国内販売に供される食品全般の残留農薬をはじめ、残留抗生物質、残留エストロゲン、マイコトキシン、3-MCPD、メラミン、細菌混入などの偶発混入成分に関する基準を食品規制で規定しています。
食品規制第9付表では、食品に残留する農薬の種類が列挙され、農薬ごとに対象となる食品と使用が認められている農薬の最大残留基準(MRL値)が明記されています(ポジティブリスト方式)。この残留農薬基準を満たさない食品の輸入、販売、広告などは禁じられています。本規定で明示されていない農薬については、原則として、コーデックス委員会(国際食品規格委員会:CODEX)の勧告に準じ、同委員会が設定した基準値を超えてはならないと規定されています。
また、2種類以上の農薬が残留している食品については、それぞれの農薬について、実際の残留量を当該農薬の最大残留基準値で割った数値の合計が1を超えてはならないとされています。
残留抗生物質については、食品規制第32項(Antibiotic residues)に記載されており、検知可能な抗生物質やその変質した物質が含まれた乳製品、肉・肉製品やいかなる食品も、輸入および販売、広告、製造などを行うことが禁止されています。エストロゲンもほぼ同様の扱いになります(食品規制第33項)。ただし、卵液やチーズの保存料として使用されるナイシンについては、含まれていても問題ありません。
3. 重金属および汚染物質
牛乳・乳製品は、重金属規制の対象となります。食品に含まれる重金属の残留基準は、食品規制において定められています。牛乳・乳製品における重金属の最大残留基準値は、次のとおりです。
- ヒ素:1ppm(缶入り乳製品:0.1ppm、アイスクリーム:0.5 ppm)
- 鉛:2ppm(缶入り乳製品:0.3 ppm、アイスクリーム:0.5 ppm)
- 水銀:0.5 ppm
- スズ:250 ppm
- カドミウム:0.2 ppm
- アンチモン:1 ppm
4. 食品添加物
シンガポールでは食品に使用することが認められる食品添加物は14の機能に分類されており、食品規制(Food Regulations)で規定されている規準に従って使用される場合、食品への使用が認められます。シンガポール食品庁(SFA)は、その使用が認められている物質をポジティブリスト形式で規定していますが、風味増強剤など一部については、使用が認められていない物質をネガティブリストとして挙げています。食品規制で明示されていない食品添加物については、原則として、コーデックス委員会(CODEX)による国際食品規格に関する勧告に準じるものとされています。認可食品添加物および最大使用基準値は食品規制第3付表~第8付表および第13付表に掲載されています。
食品規制で牛乳には食品添加物の使用が禁止されています。また、乳幼児向け乳製品には合成保存料、グルタミン酸ソーダ、硝酸塩、亜硝酸塩の添加が禁止されています。
5. 食品包装(食品容器の品質または基準)
食品に触れる容器包装は食品規制(Food Regulations)に一般規格基準が定められており、その規格基準に適合していなければなりません。個別食品に対する包装容器の規定は特に定められていません。
食品規制では、食品容器包装において、塩化ビニルモノマーの残留限度1 ppm以下を規格とし、塩化ビニルモノマーを0.01ppm以上食品中に溶出させるとみられる容器包装、あるいは発がん性、変異原性、催奇性またはほかの毒性または有害性のある物質であることが知られている化合物を食品中に溶出する可能性のある容器包装の使用を禁じています。塩化ビニルモノマーの残留限度1 ppmは、2012年9月の食品規制改訂で新たに加えられ、かつ溶出限度は0.05ppmから0.01ppmに引き下げられているため、注意が必要です。
また、食品規制では、食品の貯蔵、準備、調理の段階で、鉛、アンチモン、ヒ素、カドミウム、その他の毒性物質を食品に付与する可能性のある器具、容器、食器の使用を禁じています。
6. ラベル表示
シンガポールでの販売時の表示義務は食品規制(Food Regulations)に規定されています。食品規制では、食品全般の一般表示義務項目として、包装済み食品のラベルに次の項目を英語で表示することが求められます。1~4については印字の高さが1.5mm以下であってはなりません。
- 商品名または一般分類名
- 成分(2種類以上の成分からなる食品の場合、重量の大きい順に表示)
- 合成着色料名(合成着色料タートラジンなどを含有する食品の場合のみ)
- 内容量(正味容量または重量)
- 原産国および輸入者(代理人)名と住所
- アレルゲン表示(表示義務特定原材料8分類:グルテンを含む穀類、甲殻類、卵・卵製品、魚類・魚類製品、ピーナッツ・大豆類・それらの製品、乳・乳製品(ラクトース含む)、ナッツ類・ナッツ類製品、亜硫酸塩濃度10mg/kg以上の食品)(牛乳・乳製品は表示義務があります)
- 人工甘味料アスパルテームを含有する食品の場合の記載(“PHENYLKETONURICS: CONTAINS PHENYLALANINE.”)
一般表示義務項目に加えて、期限表示、ある種の甘味料を含む場合の注意事項、無糖食品や低カロリー食品などの特別目的食品の表示、栄養表示など、追加表示義務に該当する食品があります。
期限表示義務のある食品に関しては、食品規制の第2付表に記載されています。期限表示は次のいずれかの方法によるとされています。日付印は明白に表示しなければならず、文字サイズは3mm以上とされています。なお、食品規制では、消費期限と賞味期限は同義と定義されています。
- 「消費期限日(USED BY 日・月・年)」
- 「販売期限日(SELL BY日・月・年)」
- 「有効期限日(EXPIRY DATE 日・月・年)」
- 「賞味期限日(BEST BEFORE 日・月・年)」
すべての牛乳・乳製品は賞味期限の表示が義務付けられています。賞味期限が保存条件に依拠する場合には、その保存条件をラベル上に記載しなければなりません(例:「BEST BEFORE: 31 Dec 17, Store in a cool, dry place」)。
栄養表示/カロリー表示は食品規制第8A項~第9B項および第11項に規定されています。シンガポールでは、エネルギー価(kcalまたはkJ)、タンパク質(g)、炭水化物(g)、脂質(g)、その他の栄養素の含有量(g、ナトリウム、カリウム、コレステロールなどの分量はmcgまたはmg)を、食品規制第12付表で規定された「栄養情報パネル」(nutrition information panel、栄養情報パネルはビタミン、ミネラルの表示には使用できません)、あるいはAVA食品管理部が承認した類似書式を用いて、ラベル表示していない限り、「エネルギー源」、「タンパク質源」、「低カロリー」、「シュガーフリー」などと、当該食品に関する栄養面での強調表示を行うことができません。一方、ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、D、葉酸、ナイアシン、カルシウム、ヨウ素、鉄分、リンなどビタミンおよびミネラルの栄養表示を行う場合には、それぞれの食品に含まれるべきビタミン、ミネラルの含有成分量が1日あたり摂取目安量の6分の1以上含まれていなければならず、ビタミンおよびミネラルの強調表示を行う場合には、含有成分量が1日あたり摂取目安量の50%以上を満たさなければなりません。
牛乳・乳製品の品目別食品規格および個別ラベル表示要件については、「食品規制」の第Ⅳ部 第93項~第125項(Milk and Milk Products)、第126項~第128項(Ice-cream and Related Products)を参照してください。
7. その他
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食品安全パートナーシップ制度
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農食品・獣医庁(AVA)は 2003年7月に食品業界の安全性を高める目的で「食品安全パートナーシップ制度(Food Safety Partnership Scheme)」を導入しました。この制度は、食品の生産者、輸入者、スーパーマーケット、食品小売業者を対象に独自の食品安全基準の導入と消費者への啓発を行う企業をAVAのパートナーとして認定する制度です。この認定を受けたシンガポール国内の大手スーパーマーケットなどは、食品の仕入れ先選定にあたり、HACCP 認証取得企業を優先しています。シンガポール食品庁(SFA)の設立後は、同庁が同制度を引き継いでいます。