日本からの輸出に関する制度青果物の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する青果物のHSコード

08081000:リンゴ
08083000:ナシ
08101000:イチゴ

フィリピンでの食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2025年7月

一部の青果物には食品規格が存在するものの、リンゴおよびナシに対する特定の食品規格はありません。
イチゴに適用される食品規格はPNS/BAFS 125:2014であり、調整および包装後の市場流通段階におけるイチゴの品質要件が定められています。本規格では、清潔であること、害虫が付着していないこと、十分に成熟していること(果実の75%以上が赤色)などの最低要件が定められています。また、イチゴは品質に応じて、特級(Extra Class)、1級(Class I)、2級(Class II)の3つの等級に分類されており、それぞれについて要件が規定されています。詳細は次の表のとおりです。

イチゴの品質要件
項目 内容
最低要件
  • 全形であること
  • 熟していてしっかりしていること
  • 損傷がなく、ヘタと茎がついたまま丁寧に収穫されていること(ヘタと茎は新鮮で緑色であること)
  • 健全であること
  • 清潔であること
  • 洗浄されていないが、新鮮な外観であること
  • 害虫が実質的に付着していないこと
  • 害虫による被害が実質的にないこと
  • 異常な外部水分がないこと(ただし冷蔵庫から出した後の結露を除く)
  • 異臭や異常な味がないこと
  • 十分に成熟していること(果実の75%が赤色)
  • 輸送および取り扱いに耐えられること
  • 目的地に良好な状態で到着できること
特級(Extra class)の要件
  • 品質が優れていること
  • 品種の特性を備えていること
  • 形が良く、欠陥がないこと。ただし、ごくわずかな表面的な欠陥については、全体的な外観、品質、保存性、包装状態に影響を及ぼさない限り、許容される
1級(Class I)の要件
  • 品質が良好であること
  • 品種の特性を備えていること
  • 以下のような軽微な欠陥は、全体的な外観、品質、保存性および包装時の見た目に影響を与えない限り、許容される
    • わずかな形状の欠陥
    • 果実の表面全体の10%を超えない小さな白斑の存在
    • 軽度の表面的な押し跡
2級(Class II)の要件
  • 最低要件を満たしていること
  • 以下の欠陥は、イチゴが品質、保存性および外観に関する本来の特性を保っている限り、許容される
    • 形状の欠陥
    • 果実の表面全体の20%を超えない白斑
    • 拡大するおそれのない軽度の乾いた打撲跡
    • わずかな土の痕跡

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2025年7月

一部の青果物(リンゴ、ナシを含む)については、インポートトレランスで農薬の最大残留基準値(MRL)が定められています。リンゴおよびナシに適用される具体的なMRLについては次の表を参照してください。より詳しい情報が必要な場合は、フィリピン農業省農産物および水産物規格局(DA Bureau of Agriculture and Fisheries Standards)が公表するフィリピン国家規格残留物制限(Philippine National Standard: Maximum Residue Limits)を確認してください。それ以外の農薬について、フィリピン農業省植物産業局は、2013年食品安全法(Republic Act No.10611)に基づきコーデックス委員会(CODEX)が定めたガイドラインを実務上参照しています。

農薬の最大残留基準値(MRL)(リンゴ・ナシ)
有効成分 単位 リンゴ ナシ
キャプタン(Captan) mg/kg 25.00 15.00
カーバリル(Carbaryl) mg/kg 5.00 5.00
クロルピリホス(Chlorpyrifos) mg/kg 1.00 1.00
シフルトリン(Cyfluthrin) mg/kg 0.50
ジフルベンズロン(Diflubenzuron) mg/kg 1.00 1.00
ジメトエート(Dimethoate) mg/kg 1.00
デルタメトリン(Deltamethrin) mg/kg 0.20
フェニトロチオン(Fenitrothion) mg/kg 0.50 0.50
メチダチオン(Methidathion) mg/kg 0.50

また、青果物によっては食品規格が存在し、当該規格において残留農薬などの基準が定められている場合がありますが、リンゴおよびナシについては食品規格の設定はされていません。イチゴについては食品規格(PNS/BAFS 125:2014)において、コーデックス委員会(CODEX)が定めるガイドラインに準拠することが定められています。イチゴに適用される具体的なMRLについては次の表を参照してください。

農薬の最大残留基準値(MRL)(イチゴ)
有効成分 単位 イチゴ
アバメクチン(Abamectin) mg/kg 0.15
アセタミプリド(Acetamiprid) mg/kg 0.5
アフィドピロペン(Afidopyropen) mg/kg 0.15
アゾキシストロビン(Azoxystrobin) mg/kg 10
ビフェナゼート(Bifenazate) mg/kg 2
ボスカリド(Boscalid) mg/kg 3
ブプロフェジン(Buprofezin) mg/kg 3
キャプタン(Captan) mg/kg 15
クロロタロニル(Chlorothalonil) mg/kg 5
クロルピリホス-メチル(Chlorpyrifos-methyl) mg/kg 0.06
クロフェンテジン(Clofentezine) mg/kg 2
シアントラニリプロール(Cyantraniliprole) mg/kg 1.5
シクロクシジム(Cycloxydim) mg/kg 3
シフルメトフェン(Cyflumetofen) mg/kg 0.6
シペルメトリン類(α/ζ含む)(Cypermethrins (incl. alpha-/zeta-)) mg/kg 0.07
デルタメトリン(Deltamethrin) mg/kg 0.2
ジフェノコナゾール(Difenoconazole) mg/kg 2
ジメトモルフ(Dimethomorph) mg/kg 0.5
ジノキャップ(Dinocap) mg/kg 0.5
ジクワット(Diquat) mg/kg 0.05
ジチオカーバメート(CS₂として)(Dithiocarbamates (as CS2)) mg/kg 5
エトプロホス(Ethoprophos) mg/kg 0.02
フェナミドン(Fenamidone) mg/kg 0.04
フェンブタチンオキサイド(Fenbutatin oxide) mg/kg 10
フェンヘキサミド(Fenhexamid) mg/kg 10
フェンプロパトリン(Fenpropathrin) mg/kg 2
フェンピラザミン(Fenpyrazamine) mg/kg 3
フェンピロキシメート(Fenpyroximate) mg/kg 0.3
フロリルピコキサミド(Florylpicoxamid) mg/kg 1.5
フルアザインドリジン(Fluazaindolizine) mg/kg 0.01
フルアジフォップ-p-ブチル(Fluazifop-p-butyl) mg/kg 3
フルジオキソニル(Fludioxonil) mg/kg 3
フルオピラム(Fluopyram) mg/kg 0.4
フルピラジフロン(Flupyradifurone) mg/kg 1.5
フルトリアフォル(Flutriafol) mg/kg 1.5
フォルペット(Folpet) mg/kg 5
ホセチルアルミニウム(Fosetyl Al) mg/kg 70
グルホシネートアンモニウム(Glufosinate-Ammonium) mg/kg 0.3
ヘキシチアゾックス(Hexythiazox) mg/kg 6
イミダクロプリド(Imidacloprid) mg/kg 0.5
マラチオン(Malathion) mg/kg 1
マンデストロビン(Mandestrobin) mg/kg 3
メプチルジノキャップ(Meptyldinocap) mg/kg 0.3
メチオカルブ(Methiocarb) mg/kg 1
メトキシフェノジド(Methoxyfenozide) mg/kg 2
メトラフェノン(Metrafenone) mg/kg 0.6
ミクロブタニル(Myclobutanil) mg/kg 0.8
ノバルロン(Novaluron) mg/kg 0.5
ペンコナゾール(Penconazole) mg/kg 0.5
ペンディメタリン(Pendimethalin) mg/kg 0.05
ペンチオピラド(Penthiopyrad) mg/kg 3
ペルメトリン(Permethrin) mg/kg 1
ピラクロストロビン(Pyraclostrobin) mg/kg 1.5
キノキシフェン(Quinoxyfen) mg/kg 1
スピネトラム(Spinetoram) mg/kg 0.15
スピロジクロフェン(Spirodiclofen) mg/kg 2
スピロテトラマット(Spirotetramat) mg/kg 0.3
スルホキサフロル(Sulfoxaflor) mg/kg 0.5
トリアジメホン(Triadimefon) mg/kg 0.7
トリアジメノール(Triadimenol) mg/kg 0.7
トリフロキシストロビン(Trifloxystrobin) mg/kg 1

なお、フィリピンには、1992年制定の消費者保護法(共和国法第7394号)があり、「人体にとって危険な物質」が発覚した場合には、保健省(DOH)などが中心となって危険物や同物質を含む食品の販売を即時禁止とし、製造業者や輸入者を取り締まることになっています。

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2025年7月

青果物について重金属および汚染物質に関する規制はありませんが、フィリピン農業省植物産業局は、2013年食品安全法(Republic Act No.10611)に基づきコーデックス委員会(CODEX)が定めるガイドライン(「重金属の標準規格」)を実務上参照しています。リンゴやナシについては、食品規格(Philippine National Standards)が存在しないため、これらの青果物に含まれる重金属(銅やスズなど)および汚染物質の規格値は個別に定められていません。一方で、食品規格が存在する青果物については、食品規格によって重金属や汚染物質の規格値が個別に明記されている場合があります。
イチゴについては食品規格(PNS/BAFS 125:2014)において、コーデックス委員会(CODEX)が定めるガイドラインに準拠することとされており、次の基準値が定められています。なお、鉛の基準値については食品規格と最新のコーデックス国際基準とで数値に差異がありますが、実務上は最新のコーデックス国際基準が参照されるものと考えられます。

重金属の基準値(イチゴ)
重金属 フィリピン食品規格
(PNS/BAFS 125:2014)に記載の
最大値(mg/kg)
(参考)最新のコーデックス国際標準における最大値(mg/kg)
ヒ素(As) 0.1 0.1
カドミウム(Cd) 0.05 0.05
鉛(Pb) 0.2 0.1

なお、フィリピン食品医薬品管理局(FDA)は、加工食品などに対する重金属および汚染物質の規制についてはフィリピン食品医薬品管理局通達第2006-16号に基づきコーデックス委員会の定める国際基準に準拠しています。

関連リンク

関係省庁
フィリピン農業省植物産業局(DA-BPI)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
汚染物質(FDA通達2006-016号 SectionII 5の規定により重金属等も含む)については、FDA通達2006-016号 Section III A.1およびA.5により JECFA ( Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Additives(CODEX))での規定に基づくことが記載。また、SectionVIIによりJECFAの最新版の内容が適用される。
フィリピン食品医薬品管理局(Food and Drug Administration)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
共和国法第10611号(Republic Act No.10611)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
SEC. 9. Setting of Food Safety Standardsに基づく
フィリピン食品医薬品管理局通達第2006-16号(Bureau Circular No. 2006-016)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(7.2MB)
イチゴのフィリピン国家規格 PNS/BAFS 125:2014 ICS 67.080.10(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(6.5MB)
コーデックス委員会「重金属の標準規格」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
ジェトロ「2016年度 日本からの農林水産物・食品 輸出に関する各国・地域の制度調査 (フィリピン)」PDFファイル(656 KB)
農林水産省植物検疫所「フィリピン向けにいちごを生産する施設等において必要な食品衛生 管理措置について 」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(421 KB)
厚生労働省 「食品及び飼料中の汚染物質及び毒素に関するコーデックス一般規格」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(446 KB)
添加物についてはSectionIII A.1およびA.5により JECFAでの規定に基づくことが記載。またSectionVIIによりJECFAの最新版の内容が適用。
農林水産省「農林水産省が優先的にリスク管理を行う対象に位置付けている危害要因についての情報(有害化学物質)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
フィリピン貿易産業省(Department of Trade and Industry)による国家規格を参照できるe-Library(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

4. 食品添加物

調査時点:2025年7月

フィリピンでは、青果物に対して食品添加物の使用を明確に禁止または制限する特別な規定は存在しません。食品添加物の管理は一般的な枠組みであるFDAの許可添加物リスト(フィリピン食品医薬品管理局通達第No.2006-016)に基づいており、青果物を対象とした個別の禁止・制限規定は設けられていません。

5. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2025年7月

2025年7月現在、青果物の食品包装に関する規制はありません。一方、フィリピン国家規格PNS/BAFS 198:2017(The Philippine National Standard PNS/BAFS 198:2017)では、青果物の包装および輸送に関するガイドラインが定められています。
また、一部の青果物については、食品規格において食品包装に関する基準が定められている場合があります。リンゴおよびナシについて当該規格は存在しませんが、イチゴについては食品規格(PNS/BAFS 125:2014)において、次の基準が規定されています。

  1. 統一性
    • 各パッケージの内容は統一されており、産地・品種・品質が同じイチゴのみを含んでいなければならない。
    • 特級(Extra Class)のイチゴは、熟度・色・サイズにおいて特に均一で整っていることが求められる。
    • パッケージから見える部分は、中身全体をよく表している必要がある。
  2. 包装
    • イチゴは適切に保護できるような方法で包装されなければならない。
    • パッケージ内部に使われる資材は、新品で清潔かつ、イチゴに外的・内的な損傷を与えない品質である必要がある。
    • 印刷された紙やラベルなど、商標表示のある素材の使用は認められているが、使用されるインクや接着剤は無害なものでなければならない。
    • パッケージには、異物が混入していないことが求められる。
    • また、イチゴの包装および輸送は、コーデックス委員会「生鮮果実および野菜の包装と輸送に関する推奨実施規範」(CAC/RCP 44-1995)に準拠して行う必要がある。
  3. 容器の仕様
    • 使用される容器は、品質・衛生・通気性・耐久性の基準を満たし、イチゴの適切な取り扱い、輸送、および保存ができるものでなければならない。
    • また、異物や不快なにおいがないことが条件となる。

6. ラベル表示

調査時点:2025年7月

2025年7月現在、青果物のラベル表示に関する規制はありません。なお、2013年食品安全法(Republic Act No.10611)の施行細則では、消費者の安全性を確保するためのラベル表示義務などが規定されています。当該食品安全法では、安全性などの基準についてはコーデックスを参照する旨が規定されています。
また、一部の青果物については、食品規格においてラベル表示に関する基準が定められている場合があります。リンゴおよびナシについて当該規格は存在しませんが、イチゴについては食品規格(PNS/BAFS 125:2014)において、次の基準が規定されています。

  1. 消費者向けパッケージ
    コーデックス委員会「包装済み食品の表示に関するコーデックス一般規格(CODEX STAN 1-1985)」の要件
    • 農産物名および品種名
    • 等級およびサイズ/サイズコード
    • 正味重量(任意)
    • 生産者、販売業者、輸出業者、包装業者および/または発送者の氏名および住所(識別コードは任意)
    • 原産地(農場、および必要に応じて州名または地域名)
    • 収穫日
    • 公的な検査マークおよび/または製品認証マーク(任意)
    • 「フィリピン産」の表示
  2. 小売用ではない容器(業務用など)
    すべてのパッケージには、前述の表示事項を同じ側にまとめて、読みやすく消えない方法で、外側からも確認できるように表示する必要がある。または、添付書類にこれらの情報を記載することも可能である。

7. その他

調査時点:2025年7月

食品安全・衛生規制

フィリピンで販売される果物・野菜類の微生物基準は、フィリピン国家規格PNS/BAFS 372:2023(一次・ポストハーベスト食品の微生物基準)により定められています。リンゴ、ナシ、イチゴについても本基準が適用されます。次の表は加工前の商品(Fresh Fruits)の基準を示したものです。

青果物の微生物基準
試験項目 試料数
(n)
許容陽性数 (c) 許容限度
(m)
最大許容限度
(M)
大腸菌O157:H7
(E. coli O157:H7)
30 0 25g中不検出
サルモネラ菌
(Salmonella spp.)
10 0 25g中不検出

フィリピンでの輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2025年7月

日本から青果物をフィリピンへ輸入する際に、輸入者側で必要となる手続きは大きく2種類あります。(1)フィリピン農業省植物産業局(DA-BPI)の国家植物検疫サービス課(National Plant Quarantine Services Division)における輸入者登録および衛生・植物検疫の輸入許可(Sanitary and Phytosanitary Import Clearance, SPIC)の取得、(2)関税局(BOC)による「輸入者認可」です。実務上、BPIへの申請には関税局(BOC)の登録証明書が必要となるため、まずBOCの双方がそろったうえで、検疫許可書(BPI SPS Import Clearance (SPSIC))の申請を行うことにより通関が可能となります。なお、出荷時には原産国が発行するPhytosanitary Certificateを、SPSICの条件(出荷期限など)に従って添付する必要があります。

輸入者はBPIにおいて農業省通達2016-04号(Department Circular No. 04, s.2016)に基づき輸入者登録証明書(LTO:License to Operate)を取得した後、BPIのTrade System(オンライン申請システム、DTS)への登録案内を受けます。DTSにおいて、各ロット/品目ごとにSPSIC(Sanitary and Phytosanitary Import Clearance)を申請・取得します。

Ⅰ. 輸入者登録(License to Operate as Importer(LTO))

必要な書類

  1. 申請意思表示書(Letter of Intent)(Bureau of Plant Industry(BPI)長官宛、National Plant Quarantine Services Division(NPQSD)経由)
  2. 申請書(Notarized Application Form for Registration)(輸入申請会社代表者の証明写真(2×2インチ)を添付)
  3. 輸入者の会社所在地の市長からの許可証(Mayor’s Permit)または事業許可証
  4. 事業設立を証する書類
    • 会社の場合:証券取引委員会(SEC)への登録証明書および定款(存続証明書を添付)
    • 協同組合の場合:協同組合開発庁(CDA)への登録証明書および定款(存続証明書または適合証明書を添付)
    • 個人事業主の場合:貿易産業省(DTI)への登録証明書
    • フィリピン経済区庁(PEZA)における事業所:PEZAへの登録証明書
  5. 倉庫または農業省認可の冷凍冷蔵倉庫の存在と使用権を証する書類
    • 倉庫のリース・所有に係る契約書
    • 輸入者名義の所有権を証する書類、または所有者との有効な賃貸契約書の認証謄本
    • 倉庫の正確な位置の略図およびGPS
    • 倉庫の写真(3~5枚)
    • 農業省認可の冷凍冷蔵倉庫の場合、農業省の認可証明書
  6. 関税局(BOC)への最新かつ現在の登録証明書(輸入者および/または正規のブローカーとしての登録)
  7. 通関実施責任者への委任状(Special Power of Attorney for Representatives)(写真(2×2インチ)を添付、最大3人まで)
  8. 過去3年間の年次所得税申告書と監査済み財務諸表の認証謄本

LTO取得の手順

  1. 輸入者が農業省植物産業局(DA-BPI)に対して申請意思表示書(Letter of Intent(LOI))および申請書類を提出
  2. 提出書類が植物検疫サービス(NPQSD)によって審査され、通過した場合、輸入者登録証明書(LTO)の発行料を納付
  3. 審査通過後、輸入者は輸入品の安全性などに関するヒアリング/オリエンテーションに対応
  4. これらの審査において問題がなければ承認

Ⅱ. 検疫許可書(BPI SPS Import Clearance(SPSIC))

必要な書類

  1. 輸入者登録証明書(Certificate of Registration(COR))
  2. 見積送り状 (Proforma Invoice)

SPSIC取得の手順

  1. 農業省貿易システム(DA Trade System(DTS))を利用して申請書を記入、提出する(InterCommerce Network Servicesが当該システムを運営しており、同社のウェブサイトから申請可能)
  2. 農業省による手続き承認後、輸入者はDTS にユーザー名とパスワードを設定
  3. 申請料の支払い
  4. SPSIC 申請に必要な書類を提出、その後、問題がなければ承認・SPSIC取得
  5. 生鮮品はSPSIC発給日から20日以内に原産国を出荷のこと

日本からのイチゴの輸入については農業省通達2024-11号(Department Circular No. 11-2024)に記載されていますが、取得すべき許可や必要な申請書類は農業省通達2016-04号と同じです

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2025年7月

Ⅰ. フィリピン関税局(BOC)アカウントマネジメントオフィス(AMO)への登録

関税局通達第07-2022(Custom Memorandum Order No.07-2022)に基づきフィリピン関税局(BOC)アカウントマネジメントオフィス(AMO)に対して輸入者としての登録を行う必要があります。当該登録に必要となる書類(初回の場合の要件)は次のとおりです。

  1. 公証済み申請書(Application Form)の原本
    • 申請書は、client.customs.gov.phから入手可能
    • 個人事業主の場合は輸入申請会社代表者 、会社の場合は役員、組合の場合は会長、パートナーシップの場合は権限のある社員による署名が必要
  2. 申請費用の納付証明書(BOC発行の領収書の原本)
  3. 輸入における正式な署名者を証明する書類の写し
    • 会社の場合、秘書役証明書(Corporate Secretary Certificate)
    • 個人事業主の場合、宣誓書
    • パートナーシップの場合、パートナーシップの決議書
  4. 申請者、社長、責任者などの政府発行の有効な写真付き身分証明書2点の写し
  5. 申請者の無犯罪証明書(NBIクリアランス)(3カ月以内に発行された原本)
  6. 次のいずれかの写し
    • 個人事業主の場合、貿易産業省への登録
    • 会社の場合、証券取引委員会への登録および最新の年次・企業情報書(General Information Sheet)
    • パートナーシップの場合、パートナーシップの定款および最新の年次・企業情報書
    • 組合の場合、協同組合開発庁(CDA)への登録および最新の組合年次業績報告書
  7. 申請者、社長および責任者の個人プロフィール
  8. 会社のプロフィール(会社の事務所および倉庫エリアの写真を添付。写真は所在地情報や撮影日の情報を含むジオタグ付き写真であること)
  9. 最新の賃貸契約書、所有者からの同意書など、事務所および倉庫の合法的な占有の証明書(契約書の場合は写し、宣誓書または証明書の場合は原本)
  10. 輸出入者情報を登録するデータベース(CPRS)への登録を証明する書類
    通関手続きを行う輸入者は、関税局(BOC)の輸出入者情報を登録するデータベース「Client Profile Registration System: CPRS」への登録が義務付けられており、BOC公認の次のプロバイダーを通じて登録できます。
    • E-konek
    • Intercommerce
    • CDEC
  11. 内国歳入庁(BIR)への登録証明書
  12. 内国歳入庁(BIR)に提出した直近3年間の所得税申告書類の写し(該当する場合)
  13. 管轄市長発行の営業許可証(Mayor’s Permit)
  14. 商品を輸入する資金力があることを証明する書類(Top1000納税者とスーパーグリーンレーン(SGL)の対象業者については免除)
  15. 集荷業者による承認書類

Ⅱ. 通関に必要な書類

日本から青果物を輸入する際のフィリピン関税局(BOC)から要求される通関への提出書類は次のとおりです。

  1. 輸入申告書(The Single Administrative Document)
  2. 船荷証券(Bill of Lading)または航空貨物運送状(Air Waybill)
  3. 商業インボイス(Commercial Invoice)または見積送り状(Proforma Invoice)
  4. 原産地証明書(提出を求められた場合)
  5. 輸入品のリスト
  6. 輸入品の価格書類(Supplemental Declaration of Valuation)(公証が必要)
  7. 必要に応じて次の書類の提出も求められます。
    • 輸入許可書(Import PermitまたはClearance)
    • フィリピン内国歳入庁(BIR)による輸入品リリース許可証(Authority to Release Imported Goods)
    • 自由貿易協定(FTA)を証明する書類(関税局へのヒアリングでは、輸入者がオンラインなどで確認したFTAの締結・規定の写しなどで差し支えないとのこと)
    • 優遇措置などを適用する場合に当該特例を証明する書類
    • 免税を証明する書類など

なお、輸入申告書(The Single Administrative Document)は、関税局通達第29-2015(Custom Memorandum Order No.29-2015)に基づき、関税局(Bureau of Customs)が認める次のサービスプロバイダーを通じてオンラインで取得することができます。

  • E-konek
  • InterCommerce Network Services
  • Cargo Data Exchange Center(CDEC)

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2025年7月

輸入品がフィリピンに到着する24時間前までに、フィリピン農業省植物産業局(DA-BPI)の農業省貿易システム(DTS)を利用して電子検査申請(Electronic Request for Inspection(e-RFI))を行う必要があります。また、フィリピン農業省通達第2016-04号(Department Circular No.04 Series of 2016)に基づき通関時には次の書類の提出が求められます。

  1. 電子検査申請(Electronic Request for Inspection(e-RFI))の写し
  2. 輸出国発行の植物検疫証明書または同類の書類
  3. 検疫許可書(SPSIC)
  4. 船荷証券(Bill of Lading)または航空貨物運送状(Air Waybill)
  5. フィリピン関税局(BOC)による輸入許可証(BOC Import Entry Internal Revenue Declaration)
  6. パッキングリストまたは商業インボイス(Commercial Invoice)など

輸入製品はフィリピン関税局(Bureau of Customs)のリスク評価と貨物分類システムに基づきに基づき、通関手続きが進められます。製品はさまざまなリスク要因に応じて自動的に異なる検査レーンに振り分けられます。各レーンにおける審査内容は次のとおりです。なお、輸入時点の検査・検疫の費用は不要です。

通関時の審査内容
レーン 審査内容
グリーン 書類審査および実地検査は実施されません。
イエロー 書類審査が実施されます。
オレンジ 書類審査および非開扉によるX線検査が実施されます。なお、X線画像に不審な点が認められた場合には、物理的検査も実施されます。
レッド 書類審査、非開扉によるX線検査、および物理的検査が実施されます。

また、これと並行し、農業省通達第2016-04号に基づき、DA-BPIにより、輸入者からの事前提出書類の内容と輸入品に齟齬がないかの確認、事前提出書類の内容に基づく伝染病などのリスク調査、代表サンプルの試験などが実施されます。何か問題がある場合には、DA-BPIから関税局に連絡が行き、輸入差し止めや没収などの理由になります。なお、これらの調査、試験などにおいて費用が発生する場合には、輸入者によって負担することが求められます。

関連リンク

関係省庁
フィリピン関税局(Bureau of Custom)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
フィリピン農業省植物産業局(DA-BPI)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
関税局通達第No.21-2020号(Custom Memorandum Order No.21-2020)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(4.7MB)
フィリピン農業省通達第2016-04号(DA Department Circular No.04 Series of 2016)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(8.5 MB)
Section 23に必要書類の規定があるが、フィリピン農務省植物産業局によると、同法律に記載されている一部書類(輸出国発行のリスク分析証明書、適正製造基準、ブローカーを証明する書類等)は青果物については不要。本文に記載している(1)~(6)が必要書類。
その他参考情報
フィリピン関税局における選別レーン制度(BUREAU OF CUSTOMS SELECTIVITY LANES)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

4. 販売許可手続き

調査時点:2025年7月

青果物の販売にあたっては輸入者登録証明書(License to Operate as Importer(LTO ))および検疫許可書(BPI SPS Import Clearance (SPSIC))以外の販売許可手続きは不要です。具体的な手続きについては「輸入手続き」を参照してください。

5. その他

調査時点:2025年7月

なし

フィリピン内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2025年7月

青果物(リンゴ、ナシ、イチゴ)の関税率は次の表のとおりです。関税は日本・フィリピン経済連携協定(JPEPA)または日本・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)の適用税率を受ければ「無税」となります。なお、JPEPAまたはAJCEPの適用を受けるためには、日本商工会議所が発行する特定原産地証明書の取得が必要になります。

青果物の関税率
品目 JPEPA・AJCEP
適用税率
RCEP
適用税率
MFN税率
0808.10.00:リンゴ 0% 0% 7%
0808.30.00:ナシ 0% 0% 7%
0810.10.00:イチゴ 0% 0% 15%

2. その他の税

調査時点:2025年7月

日本から輸入される青果物には関税のほかに、付加価値税(VAT: Value Added Tax)、輸入品処理費用(Import Processing Fee)、収入印紙代(Documentary Stamp Fee)、コンテナ利用料(Container Security Fee)が課されます。なお、物品税(Excise Tax)はかかりません。

付加価値税(VAT)
品目 税率
青果物(リンゴ、ナシ、イチゴ) 一律12%
輸入品処理費用(Import Processing Fee)
品目 税率
青果物(リンゴ、ナシ、イチゴ) 輸入額が10,000-25,000:
250ペソ
輸入額が25,001-50,000:
500ペソ
輸入額が50,001-250,000:
750ペソ
輸入額が250,001-500,000ペソ:
1,000ペソ
輸入額が500,001-750,000ペソ:
1,500ペソ
輸入額が750,001ペソ以上:
2,000ペソ

注意)FOB/FCA価格は10,000ペソを下回らないこと

税関文書印紙費(Documentary Stamp Fee)
品目 税額
青果物(リンゴ、ナシ、イチゴ) 輸入申告1件につき一律100ペソ
印紙税( Documentary Stamp Tax)
品目 税額
青果物(リンゴ、ナシ、イチゴ) 輸入申告1件につき一律30ペソ
法務研究基金拠出金(Legal Research Fee)
品目 税額
青果物(リンゴ、ナシ、イチゴ) 輸入申告1件につき一律10ペソ
コンテナ利用料(Container Security Fee)
品目 税額
青果物(リンゴ、ナシ、イチゴ) 5米ドル相当額のペソ/20フィートのコンテナ
10米ドル相当額のペソ/40フィートのコンテナ

3. その他

調査時点:2025年7月

なし