日本からの輸出に関する制度

コメの輸入規制、輸入手続き

マレーシアの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2017年1月

コメに関しては輸入が全面的に禁止されているわけではないものの、現時点では自由に輸出ができる状態ではありません。
具体的には、全ての国からマレーシア国内へのコメの輸入について、2013年3月に発効した「2012 年関税(輸入禁止)令 (Customs (Prohibition of Imports) Order 2012)」において「特定の方式でのみ輸入可能な品目」として指定されており、輸入許可が必要となっています。一方、その輸入許可はマレーシア政府からパディベラス・ナショナル社(Padiberas Nasional Berhad: BERNAS)に独占的に与えられているため、日本からの輸入に際しては、輸入企業が同社と交渉の上、許可を得る必要があります。

なお、東日本大震災以降、日本からの食品輸入については原産地証明などの規制が実施されていましたが、2013年3月1日をもって廃止されました。

2. 動植物検疫の有無

調査時点:2017年1月

マレーシアにおける植物検疫は「1976年植物検疫法(Plant Quarantine Act 1976)」ならびに「1981年植物検疫規則(Plant Quarantine Regulations 1981)」に基づき、マレーシア農業・農業関連産業省農業局作物保護および植物検疫課が管轄しています。 精米、玄米ともに、植物検疫証明書なしで輸入が可能となっています。

3. 残留農薬規制

調査時点:2017年1月

マレーシアでは残留農薬(最大許容残留値、使用禁止農薬)について、「1985年食品規則」(Regulation 41ならびにSIXTEENTH SCHEDULE)において品目ごとに定められています。本規則で、コメ(精米されたもの、あるいは研磨されたもの)に関する残留農薬の最大残留基準は、下記のとおりです。

コメに関する残留農薬の最大残留基準
農薬(英名) 農薬(和名) 最大許容残留値(mg/kg)
2,4-D 2,4-ジクロロフェノキシ酢酸 0.05
Acephate アセフェート 0.1
Anilofos アニロホス 0.1
Bensulfuron-methyl ベンスルフロンメチル 0.02
Bentazone ベンタゾン 0.1
Bispyribac sodium ビスピリバックナトリウム塩 0.05
BPMC フェノブカルブ 0.2
Buprofezin ブプロフェジン 0.2
Carbaryl カルバリル 1
Carbendazim カルベンダジム 0.5
Carbofuran
(sum of carbofuran and
3-hydroxy-carbofuran expressed as carbofuran)
カルボフラン
(カルボフランならびにカルボフランに換算下3-ヒドロキシカルボフランの合計)
0.2
Carbosulfan カルボスルファン 0.2
Cartap
(expressed as free base)
カルタップ
(フリーベース換算)
0.1
nyChlorimuron ethyl クロリムロンエチル 0.02
Chlorpyrifos クロルピリホス 0.1
Cinosulfuron シノスルフロン 0.1
Cyclosulfamuron シクロスルファムロン 0.1
Cyhalothrin シハロトリン 1
Deltamethrin
(sum of isomers)
デルタメトリン
(異性体の合計)
1
Diazinon ダイアジノン 0.1
Difenoconazole 0.1
Dimethoate
(sum of dimethoate and omethoate)
ジメトエート
(ジメトエートとオメトエートの合計)
0.1
Dithiocarbamates (expressed as CS2)
Mancozeb
Maneb
Propineb
Thiram
Zineb
Ziram
ジチオカルバメート
(二硫化炭素含量)
マンコゼブ
マンネブ
プロピネブ
チウラム
ジネブ
ジラム
0.5
EPTC EPTC 0.1
Ethoxysulfuron エトキシスルフロン 0.01
Etofenprox エトフェンプロックス 0.5
Fenitrothion フェニトロチオン 1
Fenoxaprop-p-ethyl フェノキサプロップPエチル 0.05
Fenthion フェンチオン 0.05
Fipronil フィプロニル 0.01
Flutolanil フルトラニル 1
Furathiocarb フラチオカルブ 0.1
Glufosinate ammonium
(sum of glufosinate and 3-hydroxy methyl phosphinyl propionic acid, expressed as glufosinate (free acid))
グルホシネートアンモニウム
(グルホシネートならびにグルホシネート遊離酸に換算した3-(メチルホスホニル)プロピオン酸の合計)
0.1
Hexaconazole ヘキサコナゾール 0.05
Hydrogen phosphide
(all phosphide expressed as hydrogen phosphide)
リン化水素
(全てのリン化物をリン化水素に換算したもの)
0.1
Imidachloprid イミダクロプリド 0.1
Iprodione イプロジオン 10
Isazofos イサゾホス 0.05
Isoprocarb イソプロカルブ 0.2
Isoprothiolane イソプロチオラン 2
Malathion マラチオン 0.5
MPCA MPCA 0.1
Mepronil メプロニル 1
Mercaptodimethur (methiocarb) メルカプトジメツル
(メチオカルブ)
0.05
Metaldehyde メタアルデヒド 1
Metsulfuron methyl メトスルフロンメチル 0.02
Molimate モリネート 0.1
MTMC (metolcarb) Myclobutanil MTMC(メトルカルブ)
ミクロブタニル
0.5
Oxadiargyl オキサジアルギル 0.05
Oxadiazon オキサジアゾン 0.05
Paraquat パラコート 0.5
Pencycuron ペンシクロン 0.5
Phenthoate フェントエート 0.05
Pirimiphos-methyl ピリミホスメチル 1
Pretilachlor プレチラクロール 0.05
Propanil プロパニル 0.1
Propiconazole プロピコナゾール 0.05
Propoxur プロポキスル 0.1
Pymetrozine ピメトロジン 0.05
Pyrazosulfuron-ethyl ピラゾスルフロンエチル 0.1
Quinalphos キナルホス 0.1
Quinclorac キンクロラック 0.5
Quizalofop-ethyl キザロホップエチル 0.1
Silafluofen シラフルオフェン 0.2
Tebufenozide テブフェノジド 0.1
Thiamethoxam チアメトキサム 0.1
Thiobencarb チオベンカルブ 0.1
Trichlorfon トリクロルホン 0.1

上記で特に指定されていないものに関しては、コーデックスが定める基準値に従うものとし、コーデックスでも特に定めのない農薬については、全て0.01mg/kgの最大許容残留値が適用されます。

4. 重金属および汚染物質(最大残留基準値/禁止)

調査時点:2017年1月

マレーシアで消費される全ての食品に関する重金属および汚染物質(最大許容残留値)については、「1985年食品規則」(Regulation 38ならびにFOURTEENTH SCHEDULE)において品目ごとに定められています。
コメに関する重金属(有機ヒ素、鉛、メチル水銀、カドミウム、アンチモン)の最大残留基準は、以下のとおりです。

コメに関する重金属の最大残留基準値 (mg/kg)
食品 有機 ヒ素 メチル 水銀 カドミウム アンチモン
コメならびに米粉 1 2 0.05 0.4 1

また、マレーシアで消費される全ての食品に含有が禁止されている物質については、「1985年食品規則」(Regulation 40ならびにFIFTEENTH A SCHEDULE)において品目ごとに定められています。

5. 食品添加物規制

調査時点:2017年1月

マレーシアで消費される全ての食品の添加物は、「1985年食品規則」(PART V)に定められています。食品添加物は「食品が有している品質、質感、堅さ、外見、匂い、味、アルカリ度または酸性度に影響を与えるために、もしくは食品の製造、加工、調製、処理、充填、包装、運搬または保存においてその他の技術的な機能を付与するために、意図的に食品に少量導入される、および、その結果直接的または間接的に当該物質またはその副産物が食品の一成分となるか、なることが合理的に期待される、あらゆる安全な物質をいい、全ての保存料、着色料、香料、風味増強剤、酸化防止剤、食品調整剤などを含むが、栄養強化剤、偶発的成分あるいは塩は含まれない」と定義されており、これらに関する使用については、以下のように定められています(Regulation 19)。

  • 食品添加物として許可されていない物質は食品添加物として使用してはならない。
  • 食品規則で具体的に定められた基準に準拠しない認可食品添加物もまた食品に使用してはならない。
  • 食品添加物の食品への添加は、食品規則で認可が明文化されていない限り禁止する。
  • 食品に使用される食品添加物は、その最大許容値を超えないこと。

添加物としてのポジティブリストや使用許容値は、食品添加物の種類および対象となる食品ごとに細かく数値が定められています(次の表参照)。

食品添加物の種類別食品規則および附表
添加物の種類 食品規則 附表
保存料 Regulation 20 SIXTH SCHEDULE
抗菌剤 Regulation 20A SIXTH (A) SCHEDULE
着色料 Regulation 21 SEVENTH SCHEDULE
香料 Regulation 22 EIGHTH SCHEDULE
風味増強剤 Regulation 23 NINTH SCHEDULE
酸化防止剤 Regulation 24 TENTH SCHEDULE
食品調整剤 Regulation 25 ELEVENTH SCHEDULE
栄養強化剤 Regulation 26 TWELFTH SCHEDULE
ビフィズス菌 Regulation 26A TWELFTH A SCHEDULE

なお、食品調整剤はさらに以下のサブカテゴリ―に分類され基準が整理されています。

  • 乳化剤および消泡剤
  • 安定剤、増粘剤、加工でん粉ならびにゲル化剤
  • pH調整剤
  • 酵素
  • 溶剤
  • 固化防止剤

6. 食品包装規制(食品容器の品質または基準)

調査時点:2017年1月

食品容器に関しては、「1985年食品規則」(PART VI)に以下のとおり定められています。

  1. 食品包装に使用される梱包材料は、中身の食品に対して有毒、有害なものであってはならず、汚染物質を含まず、食品の劣化を早めるようなものであってはならない。
  2. 容器にセラミック(カテゴリーA: 磁器、ボーンチャイナ、ファインチャイナ、溶化磁器その他吸水率が0.4%以下のもの、カテゴリーB: 陶器、せっ器(ストーンウェア))を使用する場合は、マレーシア規格(MS:Malaysian Standard)の「MS ISO 6486-1 食品と接触するセラミック容器、ガラスセラミック容器およびガラス食器」に従わなければならない。また、セラミック容器に含まれる鉛とカドミウムの最大許容量には以下の制限がある。
    セラミック容器に含まれる鉛とカドミウムの最大許容量
    種類 単位 カドミウム
    平らな容器 mg/dm2 0.8 0.07
    深みのある容器(小) mg/l 2.0 0.20
    深みのある容器(大) mg/l 1.0 0.20
    また、セラミック容器は以下の要件を満たさなければなりません(テスト方法はマレーシア規格MS ISO 6486-1を参照)。
    セラミック容器の要件
    パラメータ カテゴリーA カテゴリーB
    陶器 せっ器
    吸水率(%) 0.4%以下 0.3%以上0.7%以下 0.3%以下
    熱衝撃(℃) 160 160 160
    耐チッピング性(J) プレート直径>22mm 0.25 該当なし
    プレート直径≦22mm 0.18 該当なし
    カップ/マグ/ボウル(注ぎ口無し) 0.10 該当なし
    カップ/マグ/ボウル(注ぎ口あり) 012 該当なし
    クレージング 全てのテスト片でクレージングがないこと
  3. 1キログラムあたり1ミリグラム以上の塩化ビニルモノマーを含んだポリ塩化ビニルを利用した容器は禁止されている。
  4. 1キログラムあたり5ミリグラム以上の塩化ビニルモノマーを含んだポリ塩化ビニルに梱包された食品の輸入、販売してはならない。
  5. 非食品用に製造された容器を食品用に使用してはならない。
  6. ナチュラルミネラルウォーターの容器として使用した20リットル以下のポリカーボネート容器を同じ目的で使用することは認められているが、それ以外の下記のような容器リサイクルは認められていない。
    1. 何らかの用途として使用された袋を砂糖や小麦粉、その他の粉類の容器として使用すること。
    2. 何らかの用途として使用されたボトルや金属容器(食用脂や食用油用のサイロやタンカーを除く)を食用脂や食用油の容器として使用すること。
    3. 豚由来の製品の容器として意図されたもの、あるいは豚由来の製品の容器として使用された容器を非豚由来の製品の容器として使用すること。
    4. 何らかの用途として使用されたプラスチック容器を、食品の容器として使用すること。
    5. アルコール類やシャンディ(飲み物)の容器として使用された容器を、それらを除く食品の容器として使用すること
  7. 以下のような類似用途のための容器リサイクルも認められていない。
    1. 別の用途として使用されたガラス瓶を牛乳、清涼飲料水あるいはシャンディの容器として使用すること。
    2. 別の用途で使用された箱や木箱を野菜、魚、果物の容器として使用すること。
    3. 別の用途で使用された麻袋を精米の容器として使用すること。
  8. アルコール飲料、シャンディ、野菜、果物のための、以下のような容器のリサイクルは認められる。
    1. アルコール飲料の容器として使用されたガラス瓶を、シャンディの容器として使用すること(あるいはその逆)。
    2. 野菜の容器として使用された箱や木箱を、果物の容器として使用すること(あるいはその逆)。
  9. ある食品の容器として使用されている容器に、それとは別の食品のラベルやマークが表示されていた場合、その容器は以前にそのラベルやマークの食品用途として使用されたものである、と推定する。
  10. 破損した容器の使用は認められていない。
  11. 食品の容器の中に玩具やコイン、その他のものを入れてはならない。ただし、食品の無菌状態など食品の望ましい質を担保するためのものや、食品のラベル、酸素を吸収するための還元鉄粉などの同梱は認められている。
  12. 酸素吸収を目的とした還元鉄粉は、食品に混入し、食品を汚染し、食品の内部に侵入しないよう、小袋に入れ、封をしなければならない。小袋の素材は、下記のうち少なくとも1つ以上を含まなければならない。
    1. 塩化カルシウム
    2. 水酸化カルシウム
    3. 活性炭
    4. 石膏
    5. 酸化鉄
    6. 水酸化マグネシウム
    7. ステアリン酸マグネシウム
    8. パーライト
    9. 滑石
    10. 沸石

7. その他

調査時点:2017年1月

なし

マレーシアの輸入関税等

1. 関税

調査時点:2017年1月

日本からマレーシアへの輸出に際して、関税は以下の3種類に区分されますが、コメはEPA税率の適用対象外となっています。

  • マレーシアが国外からの輸入品に課している一般的な関税(PDK: Perintah Duti Kastam)による区分
  • 日本・マレーシア経済連携協定(JMEPA: Japan-Malaysia Economic Partnership Agreement)による区分
  • 日本・ASEAN包括的経済連携(AJCEP: Comprehensive Economic Partnership between Japan and ASEAN)による区分

コメの関税率は、以下のとおりです。
HS1006:15~40%

2. 付加価値税(VAT)・物品税

調査時点:2017年1月

マレーシアでは、2015年4月から物品・サービス税(GST)が導入されています。コメの税率は6%となっています。

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