日本からの輸出に関する制度

青果物の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する青果物のHSコード

0703:たまねぎ
0705:レタス
0706:ラディッシュ、だいこん
0709:きのこ、とうがらし
0802:アーモンド
0806:ぶどう
0808:りんご、なし
0809:もも、ネクタリン

インドネシアの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2021年4月

青果物の輸入については、植物由来生鮮食品の輸入に関する農業大臣規則No.55/Permentan/KR.040/11 /2016により、化学物質などの残留が基準値以下であることが求められます。この条件をクリアするためには、次の(1)または(2)のいずれかの条件を満たしている必要があります。

  1. インドネシア政府に登録された日本国内検査機関によるロットごとの検査結果の提出
  2. 輸出国での安全性確保システムが、品目ごとにインドネシア政府から認定されること(生産国認定)

日本は、農業大臣決定2019年第1592号において、日本国内の10の検査機関が(1)の分析結果を発行する認定を受けています。

微生物また同令においては、日本から輸出できる青果物として、ぶどう、りんご、たまねぎ、とうがらし、乾燥とうがらし、きのこ、アーモンド、チンゲンサイ、はくさい、ラディッシュ、だいこん、ネクタリン、もも、なし、レタスが認められています。
このうち、りんごについては2016年に生産国認定を取得しています。2018年5月には3年間の認定延長が認められ、この間はロットごとの検査結果の提出は不要となりました。

りんご以外の青果物については、輸出の際に認定検査機関によるロットごとの分析証明と、輸出業者による事前通知が必要となります。また、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、日本から輸出される生鮮果実および生鮮野菜には、指定検査機関作成の」形、茨城、栃木、新潟、山梨、長野)を除く40都道府県については、検査報告書の提出が免除となりました。植物検疫証明書の添付により輸出が認められている品目を40都道府県から輸出する際には、「植物検疫証明書」に産地の都道府県名の記載が求められます。そのため、各植物防疫所に提出する「植物等輸出検査申請書」(様式第 14号)の「産地欄」に、産地の都道府県名の記入が必要です。7県(宮城、山形、茨城、栃木、新潟、山梨、長野)については指定検査機関作成の放射性物質検査報告書が求められます。報告書がない場合は、インドネシアにおいて全ロット検査が行われます。
輸入港については港規制が存在し、生産国認定を受けた品種のりんごはジャカルタ至近のタンジュン・プリオク港を利用できますが、それ以外の青果物は、農業大臣規則No.42 /Permentan/OT.140/6/2012により、利用できる港が、タンジュンペラック港(スラバヤ)、 ベラワン港(メダン)、スカルノハッタ空港(ジャカルタ)、スカルノハッタ港(マカッサル)に限定されています。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2019年9月

  1. 商業省
    商業大臣規則2019年第44号により、HSコード0701、0703、0706、0709、0803~0808、および0810まで計28品目の青果物については輸入承認の取得が義務付けられています。手続きは通常、主に輸入者が行いますが、申請に必要な書類については、輸出者側での準備が必要なものもあります。

    輸入承認の申請
    申請は、国内での販売を目的とする一般輸入業者認定番号(API-U)、または国内製造のための製造輸入業者認定番号(API-P)として有効な事業基本番号(NIB)を取得した輸入者に限られます。申請は、商業省のオンラインINATRADEを通じて行い、次の書類を添付します。

    • API-UまたはAPI-Pとして有効なNIB
    • 製品の特性に従った冷蔵倉庫の占有証明
    • 同輸送手段の占有証明
    • 冷蔵倉庫と輸送手段が適切であることの誓約書
    • 農業省からの園芸作物輸入推薦状(RIPH)

    船積み前検査
    出航前には、商業大臣が指定した検査会社による船積み前検査も義務づけられています。検査は次の内容に関して行われます。
    ※衛生証明書、植物検疫証明書、原産地証明書については、輸出者側での準備が必要になります。

    • 輸入承認の記載内容
    • 梱包材に記載された食品ロゴとリサイクルコード
    • 衛生証明書(Health Certificate)【輸出者側で準備】
    • 植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)【輸出者側で準備】
    • 原産地証明書(CoO)【輸出者側で準備】
    • 食品用梱包材の検査証明、あるいは法規定に即して梱包が行われていることを記した輸入業者による表明書
    • 食品ロゴとリサイクルコードの記載証書、あるいは法規定に即して梱包が行われていることを記した輸入業者による表明書
  2. 農業省
    輸入承認を取得するには園芸作物輸入推薦状(RIPH)が必要です。発行は随時可能で、11月から翌年以降の輸入について申請ができます。

    RIPHの申請書類

    • 会社の設立証書
    • 会社代表者の住民証(KTP)
    • 輸入業者認定番号(API-UまたはAPI-P)
    • 輸入実績報告書
    • 提出書類が適正であることの印紙付き証明書
    • API-Pの場合は、目的以外の用途には使用しないことの表明書

    このほかに技術的条件として、次の証明書類を備えていなければなりません。

    • 植物由来生鮮食品安全規定(PSAT)を満たしていること。そのために安全性検査のための事前申告書(Prior Notice)を発行し、認証を受けた検査機関による検査証明書(Certificate of Analysis)を用意する。
    • 出荷国から初めて輸入する場合は、農業検疫庁からの植物有害有機物リスク分析を受けること
    • 農業生産工程管理認証(Good Agriculture Practices=GAP)、または国際的に認められた同レベルの認証(要インドネシア語訳)ただし、農業大臣規則2020年第2号(2020年1月17日施行)により、インドネシア政府から安全性確保システムの認定を受けている場合は不要になりました。つまり、りんごについては不要、それ以外は必要です。
    • 収穫後の適正取扱(Good Handle Practices=GHP)を行う貯蔵庫に対する出荷国機関が発行する登録証(要インドネシア語訳)
    • GAPの登録または認定を受けた農園/事業用地の生産容量に関する出荷国輸出業者からの証明(要インドネシア語訳)
    • 規定された特性を満たす輸入可能な作物であること

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2019年9月

日本から青果物を輸出する場合、インドネシアの植物検疫の条件に適合しているかの確認のため、植物防疫所による輸出検査が行われます。この輸出検査に合格したものについて、「植物検疫証明書(Phytosanitary Certificateまたは合格証明書ともいう)」が発給されます。詳細は植物防疫所の「輸出検査について」を参照してください。
生鮮の青果物のインドネシアへの輸入時の検疫の条件や船卸港、対象品目は農業大臣規則No.42/Permentan/OT.140/2012で規定されています。出荷国が検疫病害虫の感染地域か非感染地域であるかに応じて、衛生検査や輸入禁止、廃棄などの手続きが定められます。防疫の対象となる病害虫の種類は、農業大臣規則No.31/Permentan/KR.010/7/2018の添付資料に一覧で掲載されています。また、植物検疫では、食品安全性などの検査証明書の確認も合わせて行われます。植物検疫に必要な書類の種類については、農業大臣規則2019年第33号に一覧があります。

インドネシアの食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2019年9月

国家標準化庁(BSN)のウェブサイトでインドネシア国家規格(SNI)を確認できますが、調査時点では強制適用の対象になっている青果物はありません。

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2019年9月

使用される農薬について、農業大臣規則No.55/Permentan/KR.040/11/2016は、植物由来の生鮮品の化学的汚染物質と生物学的汚染物質の残留基準値を定めています。基準値は、農林水産省の「日本からインドネシア向けに植物由来の生鮮食品を輸出する際の残留農薬等に係る食品安全確保措置について」の「品目毎の検査項目及び基準値」で確認できます。

インドネシア向け植物由来の生鮮食品の輸出に関して、残留農薬等の検査を行うことができるインドネシア政府に登録された日本国内の検査機関についても、農林水産省の「日本からインドネシア向けに植物由来の生鮮食品を輸出する際の残留農薬等に係る食品安全確保措置について」で確認できます。

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2019年9月

農業大臣規則No.55/Permentan/KR.040/11/2016により、品目ごとの重金属および細菌の基準値を定めています。基準値は、農林水産省の「日本からインドネシア向けに植物由来の生鮮食品を輸出する際の残留農薬等に係る食品安全確保措置について」の「品目毎の検査項目及び基準値」で確認できます。

4. 食品添加物

調査時点:2019年9月

保健大臣規則2012年第33号では、りんごに使用が禁止される食品添加物として次の19の物質を挙げています。

  • ホウ酸
  • サリチル酸とその塩
  • ジエチルピロカーボネート
  • ズルチン
  • ホルムアルデヒド
  • 臭素酸カリウム
  • 塩素酸カリウム
  • クロラムフェニコール
  • 臭化物食用油
  • ニトロフラゾン
  • ズルカマラ
  • コカイン
  • ニトロベンゼン
  • アントラニル酸シンナミル
  • ジヒドロサフロール
  • トンカ豆
  • ショウブの根茎からとれる精油(Calamus oil
  • ヨモギギクの精油(Tansy oil
  • サッサフラスの精油(Sasafras oil

また、使用が認められる食品添加物は保健大臣規則2012年第33号に、使用規制量についてはBPOM令2019年第11号に記載されています。インドネシアの食品分類(生鮮の果物は4.1.1.2、生鮮の野菜は4.2.1.2)に基づき、基準値が定められています。

5. 食品包装規制(食品容器の品質または基準)

調査時点:2019年9月

園芸作物製品の輸入の際の包装について商業大臣規則No.30/M-DAG/PER/5/2017は、食品に直接触れる部分の包装(食品接触材)は、食品のために許可された原料を使用したものでなくてはならないとしています。食品包装として使用が禁止されている原料リスト、使用が許可されているリストがあります。使用が許可されている原料の中には、食品への移行量の規制があるものと、ないものがそれぞれリストアップされています。このほか、食品接触材として使用が認められる原料としては、プラスチック(モノ/マルチレイヤー)、ゴム/エラストマー、紙とカートン、レジン/ポリマーレイヤー、陶器、ガラス、金属があるとし、食品への移行量の規制つきでリストが定められています。また、ふた/ガスケット/封印についても、食品接触材の対象となります。リストにない要素や原料は、その安全性が検査された後、BPOM長官より承認を得た後に使用が可能となります。
なお、インドネシア国内で販売される食品の包装には、食品に適した安全な容器を使用していることを示すロゴの表示が義務けられています。またプラスチック容器については、リサイクルのコードと使用しているプラスチックの種類を表記することが定められています。また、木製品を包装に使う場合は農業大臣規則No.12/Permentan/OT.140/2/2009にて、よく乾燥させること、および植物防疫所の輸出用木材こん包材表示を義務付けています。

6. ラベル表示

調査時点:2019年9月

青果物のラベル表示は、旧規定の商業大臣規則No.47/M-DAG/PER/8/2013では、輸入される園芸作物のラベルについて、インドネシアに入国する時点で、製品、梱包ごとにインドネシア語のラベルを表記することが義務づけられていましたが、同改正規則のNo.71/M-DAG/PER/8/2015およびNo.30/M-DAG/PER/5/2017では、ラベルに対する条項は設けられていません。

7. その他

調査時点:2019年9月

食品安全・衛生規制
2004年政令第28号にて、食品の安全・衛生、食品添加物、遺伝子組み換え食品、食品の放射線照射、食品の包装、食品の品質保証とラボラトリー試験、汚染食品に分けて規定されています。

インドネシアでの輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2019年9月

HSコード0701、0703、0706、0709、0803~0808、および0810まで計28品目の輸入にあたっては、輸入者に商業省から輸入承認を取得することが義務付けられています。これを取得するには、輸入者が輸入業者認定番号(API)として有効な事業基本番号(NIB)、製品の特性に従った、登録された冷蔵倉庫および輸送手段の占有証明、冷蔵倉庫と輸送手段が適切である旨の誓約書、農業省からの園芸作物輸入推薦状(RIPH)を添付して、商業省国際貿易総局あてに、商業省のオンライン・システムINATRADEを通じて申請します。審査の結果、問題がなければ、申請を不備なく受け取ってから2営業日以内に輸入承認がオンライン発行されます。有効期間はRIPHで定められた期間に順じます。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2019年9月

青果物を輸入する際の手順は次のとおり。

  1. 農業省農産物加工流通総局から園芸作物輸入推薦状(RIPH)を取得する(申請は前年の11月以降、随時可能)。オンラインによる申請が不備なく受理されてから5営業日以内に発行。
  2. 商業省のポータルサイトINATRADEから輸入承認の申請を行い、同サイトを通じて電子承認証を取得する(同2営業日)。
  3. 出荷国の輸出業者またはその代理人は、積載船舶が出航するまでに、安全性検査のための事前申告書(Prior Notice)を発行し、認証を受けた検査機関による検査証明書(Certificate of Analysis)を用意する。
  4. 事前申告書をインドネシア農業検疫庁の公式ポータルサイトを通じてオンラインで登録し、バーコードを取得する。
  5. 船卸港で所有者が検疫官に事前申告書を添付して報告し、入港した青果物の引き渡しを行う。輸出国から通知された事前申告書とバーコードの照合が行われる。
  6. 船卸港の植物検疫所へ輸出国が発行した植物検査証明書を提出し、到着した貨物を引き渡す。
  7. 植物検疫所では、安全性検査書類の確認と、検疫手続きとして書類の審査と病害虫の有無(生産国認定の安全性検査で証明される)、果物の状態について検査が行われる。
  8. 検疫所から安全確認書(Surat Pelepasan)が出たら、貨物を検疫所から搬出することができる。
  9. 輸入関税および租税を納付
    輸入品のHSコードを特定して関税率表でその関税率を確認し、必要な租税と一緒に金額を計算した後、関税総局の通関サービス利用者オンラインでeビリングを取得して、銀行などで納付し関税・租税納付書(SSPCP)を取得する。
  10. 輸入申告
    輸入申告書(PIB)に次の添付書類を添付し、船卸港の税関に提出し申告書登録番号を受ける。
    • 輸入関税・租税納付書(SSPCP)
    • インボイス
    • パッキングリスト
    • 船荷証券
    • 輸入承認
    • 輸出国当局からの検査証明書(衛生証明書、輸入承認番号を記載)
    • 検査会社によるレポート
  11. 書類審査
    船卸港の税関が申告内容や添付書類、輸入関税の計算等を審査。
  12. 搬出許可(SPP)を取得

これらの検査を経て船卸港の税関からの搬出許可が出た後、貨物を引き取ることができます。

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2019年9月

青果物の輸入時に次のような手順で検疫検査が行われます。

  1. 青果物の輸入時に次のような手順で検疫検査が行われます。
  2. 輸入予定の青果物が到着後、検疫官による書類検査が行われる。
  3. 書類検査で問題なしとされた場合、衛生検査に進む。
  4. 衛生検査の結果、問題ないとされた場合、安全確認書が発行される。

青果物は輸入時の通関検査がありませんが、税関エリアを通過後に輸入要件を満たしているかどうかの検査を行うポストボーダー検査の対象です。この場合の輸入要件は、日本における船積み前検査の報告書であるサーベイレポートと、インドネシア商業省が発行する輸入承認を指します。ポストボーダー検査のため輸入業者は、サーベイレポートと輸入承認、および輸入申告書(PIB)を少なくとも5年間保管しなければなりません。
輸入業者は当該輸入品を使用、販売、譲渡する前に、輸入要件を満たしていることを表明した宣言書(Self Declaration)を作成し、PIBの番号を記載のうえ、商業省の許認可ポータルサイトINATRADE外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを通して提出します。

4. 販売許可手続き

調査時点:2019年9月

青果物の販売は、商業大臣規則2019年第44号によると、園芸作物を輸入した一般輸入業者認定番号(API-U)保有会社がディストリビューターにのみ輸入品を販売できます。消費者への直接販売や小売業者への販売は禁止されています。
製造輸入業者認定番号(API-P)保有会社は、自社製品の原料または補助材としてのみ使用が認められ、第三者への販売は原則的に禁じられています。同規則により、インドネシアでの小売りはすべてディストリビューターを経由することになります。小売り販売するためには、小売事業者の認可を取得していれば、園芸作物を販売するための特別の許可は必要ありません。

5. その他

調査時点:2019年9月

なし

インドネシアの輸入関税等

1. 関税

調査時点:2019年9月

CIFから計算して、輸入申告前に納付します。一般税率はほぼすべて5%です。2008年7月に発効した日本・インドネシア経済連携協定(JIEPA)を利用した場合の関税率は既に0%に引き下げられています。この適用を受けるには、特定原産地証明書および運送要件証明書(通し船荷証券の写しなど)が必要になります。

2. その他の税

調査時点:2019年9月

青果物の輸入にCIFの10%の付加価値税(VAT)がかかるほか、国内取引時も取引価額に10%のVATが加算されます。いずれも、商品購入時に事業者が負担した仕入れのVAT額は、販売時に取引先から徴収する売り上げのVAT額と、月次単位で相殺されます。輸入時にはまた、前払い所得税(PPh-22)が輸入申告前に徴収されます。税率は、輸入業者認定番号(API)を有していればCIFの2.5%です。これは法人税の年次申告時に法人税と相殺されます。

3. その他

調査時点:2019年9月

なし