日本からの輸出に関する制度

水産物の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する水産物のHSコード

0302:魚(生鮮、冷蔵)
0303:魚(冷凍)
0304:魚のフィレその他の魚肉(生鮮、冷蔵、冷凍)
0305:魚(乾燥、塩蔵、塩水漬け)、くん製した魚(くん製する前にまたはくん製する際に加熱による調理をしてあるかないかを問わない)ならびに魚の粉、ミールおよびペレット
0306:甲殻類(生きているもの、生鮮、冷蔵、冷凍、乾燥、塩蔵、塩水漬け)、くん製した甲殻類(殻を除いてあるかないか、またはくん製する前に、もしくはくん製する際に加熱による調理をしてあるかないかを問わない)、蒸気または水煮による調理をした殻付きの甲殻類ならびに甲殻類の粉、ミールおよびペレット)
0307:軟体動物(生きているもの、生鮮、冷蔵、冷凍、乾燥、塩蔵、塩水漬け)、くん製した軟体動物(殻を除いてあるかないか、またはくん製する前に、もしくはくん製する際に加熱による調理をしてあるかないかを問わない)ならびに軟体動物の粉、ミールおよびペレット

香港の輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2023年8月

ALPS処理水放出に伴う輸入規制強化について(2023年8月24日時点)
香港政府は2023年8月24日以降、10都県(福島、宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、長野、新潟)の以下の産品について、輸入停止を発表しました。
  • 水産物(生きている、冷凍、冷蔵、乾燥、またはその他の方法で保存されたすべての水産物)
  • 海塩
  • 海藻(加工品を含む)
ALPS処理水放出前の輸入規制について
東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により日本の5県(福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県)から輸出される食品のうち、水産物については日本の政府機関が発行する放射性物質検査証明書の提出が求められています。
香港政府は、食品に含有される放射性物質の基準値として、原則としてコーデックス規格(CODEX)を参照しています。検査証明書の発行に際しては、当該水産物内の放射性物質量が、香港側の基準値を満たしていなければなりません。なお、日本での基準値がコーデックス規格の基準値よりも厳しい場合には、日本側の基準値を満たさなければ検査証明書は発行されません。特にセシウム(Cs134, Cs137)については、香港側ではコーデックス規格の値(1,000Bq/kg)が採用されていますが、日本側の基準値(100Bq/kg)を上回っている場合には、証明書を発行することはできません。
また、モクズガニについてはダイオキシンの基準値超過などに関連し、衛生証明書の添付が求められています。当衛生証明書は、通常のサイン証明書とは異なり、香港政府に対して事前に登録された商工会議所のものでなければ、香港へモクズガニを輸出することができません。詳細は、関連リンクの「証明書や施設認定の申請(香港・モズクガニ)」を参照してください。
フグおよびフグを含む食品について、食品安全センターは輸入・販売をしないよう要請しています。一般市民はフグおよびフグを含む食品のいかなる部分も摂取すべきではないと呼びかけています。詳細は、関連リンクの「よくある質問:フグおよびフグを含む食品」を参照してください。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2022年7月

放射性物質検査証明書
東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、日本から輸出される5県(福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県)産の水産物には、香港の放射性物質の基準に適合していることを証明する放射性物質検査証明を添付する必要があります。水産物に関する放射性物質検査証明は、水産庁への申請が必要となり、審査が実施された後に発行されます。詳しくは、関連リンクの水産庁のウェブサイト「香港に輸出される水産物に関する証明書の発行について」および「放射能検査について」を確認してください。
衛生証明書
香港食物環境衛生署(FEHD)は、水産物および水産加工品を香港に輸出する際に、原産国の保健当局によって発行された衛生証明書を用意することを強く奨励しています。香港に貨物が輸入される段階で検査対象となることがあり、衛生証明書が提出されない場合はサンプリング検査の対象となります。ただし、日本では香港向け水産物に対する衛生証明書の発行はしていないため、商工会議所のサイン証明で代替するケースがあります。
衛生証明書(モズクガニ)
モクズガニについてはダイオキシンの基準値超過などに関連し、衛生証明書の添付が求められています。当衛生証明書は、通常のサイン証明書とは異なり、香港政府に対して事前に登録された商工会議所のものでなければ、香港へモクズガニを輸出することができません。詳細は、関連リンクの「証明書や施設認定の申請(香港・モズクガニ)」を参照してください。
適法漁獲等証明書(一部品目のみ)
アワビ・ナマコおよびその加工品は、2022年12月1日施行の水産流通適正化法により、適法に採捕されたことなどを示す国が発行する適法漁獲等証明書の添付が必要です。ウナギの稚魚は、2025年12月1日施行から同証明書が必要です。詳細については、関連リンクの「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律」を参照してください。

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2022年7月

日本側での検疫証明書の取得は不要です。

香港の食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2022年7月

水産物に関する特別な食品規格はありません。

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2022年7月

香港では使用される農薬について、ポジティブリスト制を採用しています。「食品中の残留農薬の規則」(Cap.132CM Pesticide Residues in Food Regulation)Schedule 1で農薬と食品との組み合わせごとに定められている最大残留基準値/外因性最大残留許容量に照らし、含有量が規定値を超えている場合、該当する食品の輸入・販売などは禁止されています。また、Schedule 2には規制対象外の農薬が挙げられています。

また、水産物内に残留する動物用医薬品については、「食品有害物質規則」(Cap.132AF Harmful Substances in Food Regulations)のSchedule 1に挙げられている物質が規定量を超えている場合、また同Schedule 2に挙げられている物質が含まれている場合、該当する食品の輸入・販売などは禁止されています。

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2022年7月

重金属規制

2019年11月より施行された「2018年食品混入不純物(金属汚染物質含有量)(改正)規則」(Cap.132V Food Adulteration (Metallic Contamination)(Amendment)Regulation 2018)では、規制対象となる「特定金属」の含有上限量とそれに対応する「特定食品」を列挙しており、当該食品が「特定食品」を原料として含む場合には、同法の基準に従う必要があります。

規制対象である「特定金属」と「特定食品」の組み合わせおよび含有上限量については、「2018年食品混入不純物(金属汚染物質含有量)(改正)規則」の付表第2部(Part 2 Maximum Level of Metal in Food)にリスト化されています。
複数の原料から構成される「複合食品」についても、「特定食品」が配合されている場合には規制対象となります。また、改正規則3(4)に規定されたとおり、「複合食品のすべての原料が特定食品に該当する場合」には、「(当該)複合食品に含まれる特定金属の上限量は、各原料の特定金属の上限量に、この複合食品に含まれる各原料の割合、重量比を乗じた値の合算」となります。

加えて、「特定金属」ではない金属であっても、危険値である、または有害性が疑われるような量の金属を含有する食品は、いかなるものでもヒトの消費用に輸入・委託・配送・製造・販売することが禁止されています。

有害物質

有害物質に関しては「食品有害物質規則」(Cap.132AF Harmful Substances in Food Regulations)(香港特別行政区基本法)のSchedule 1に挙げられている物質が規定量を超えている場合、また同Schedule 2に挙げられている物質が含まれている場合、該当する食品の輸入・販売などは禁止されています。

2021年7月14日には、「2021年食品有害物質(改正)規則(Harmful Substances in Food (Amendment) Regulation 2021)が可決されました。この規則により、一部成分の許容基準値が改正または新設となり、2023年6月1日から施行されます。水産物に関連する有害物質のうち、改正または新設となったものについては、次の表を参照のうえ、関連リンクの内容を確認してください。

改正または新設となった食品有害物質の許容量リスト(2023年6月1日より有効)
特定有害物質 特定食品 含有上限量
アフラトキシンB1 乳タンパク質から製造された調整乳を除く、乳児用調製粉乳およびフォローアップミルク 0.1μg/kg
生後36カ月以下の乳幼児による摂取を前提とした、上記以外のすべての食品 0.1μg/kg
アフラトキシン総量
(アフラトキシンB1、B2、G1、G2の合計)
調理前のアーモンド、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、ピーナッツおよびピスタチオ 15μg/kg
調理前のピーナッツ、アーモンド、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツおよびピスタチオから製造された食品 15μg/kg
香辛料 15μg/kg
その他の食品 10μg/kg
メラミン 生後12カ月以下の乳幼児による摂取を前提とした乳児用調整液体乳および液体フォローアップミルク 0.15mg/kg
上記以外の乳 1mg/kg
生後36カ月以下の乳幼児による摂取を前提としたその他の食品 1mg/kg
妊婦および授乳中の女性による摂取を前提としたすべての食品 1mg/kg
その他のすべての食品 2.5mg/kg

さらに、水素添加油脂の使用については、部分的禁止や原材料表示などの新たな規則が設けられ、改正後の規則は2023年12月1日から施行されます。関連リンクなどを参照のうえ、確認してください。

関連リンク

関係省庁
香港食品安全センター(CFS)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
香港特別行政区基本法「2018年食品混入不純物(金属汚染物質含有量)(改正)規則」〔Cap.132V Food Adulteration (Metallic Contamination)(Amendment) Regulations2018〕(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(355KB)(ジェトロ仮訳)
香港特別行政区基本法「食品有害物質規則」(Cap.132AF Harmful Substances in Food Regulations)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
香港特別行政区基本法「2021年食品有害物質(改正)規則」(Harmful Substances in Food (Amendment) Regulation 2021)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(224KB)(ジェトロ仮訳)
その他参考情報
香港食品安全センター「食品微生物含有量ガイドライン」(Microbiological Guidelines for Food)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.6MB)
香港食品安全センター「食品に関する法律/ガイドライン」(Food Legislation / Guidelines)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
香港食品安全センター「2018年食品混入不純物(金属汚染物質含有量)(改正)規則ガイドライン(Food Adulteration (Metallic Contamination) (Amendment) Regulation 2018)(英語)PDFファイル(1.1MB)(ジェトロ仮訳)
香港特別行政区基本法「2021年食品有害物質(改正)規則ガイドライン」(Harmful Substances in Food (Amendment) Regulation 2021)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(613KB)(ジェトロ仮訳)
ジェトロ「ビジネス短信「香港の食品安全規則、立法会で改正」」

4. 食品添加物

調査時点:2022年7月

香港では着色料・甘味料・食品保存料に関する規則があります。

水産物については、「食品着色料規則」(Cap.132H Colouring Matter in Food Regulations)によって生鮮、チルドおよび冷凍の水産物への着色料の使用は認められていません。水産加工品で使用可能な着色料に関しては、Schedule 1 Permitted Colouring Matterを、包装容器の表示方法はSchedule 2 Labelling of Colouring Matter and Colouring and Flavouring Compoundsを参照してください。また、天然色素については、同規則に掲載されていませんが一部は使用が認められています。関連リンクのその他参考情報の「許可された着色料:天然色素」を参照してください。

甘味料に関しては「食品甘味料規則」(Cap.132U Sweeteners in Food Regulations)Scheduleに挙げられている甘味料を使用することができます。

食品保存料に関しては「食物中の保存料規則」(Cap.132BD Preservatives in Food Regulation)のSchedule 1, No.6に挙げられている食品保存料を、規定量の範囲内で使用することができます。

5. 食品包装規制(食品容器の品質または基準)

調査時点:2022年7月

なし

6. ラベル表示

調査時点:2022年7月

水産物(包装済み)のラベル表示は、「食品および薬品(成分組成および表示)規則」〔Cap.132W Food and Drugs(Composition and Labelling)Regulations〕により規制されています。次の項目を英語または中国語、あるいは英語と中国語の併用で表示することが求められます。

  1. 食品名
  2. 原材料リスト (原材料、アレルギー性物質、添加物を含む)
    • 原材料:重量または容量の多い順に表示する。ただし、単一の原料で構成されているものについては不要
    • アレルギー性物質:グルテンを含む穀物、甲殻類および甲殻類製品、卵および卵製品、魚および魚製品、ピーナッツ・大豆およびそれらの製品、乳および乳製品(乳糖を含む)、木の実とナッツ製品、10ppm以上の亜硫酸塩
    • 添加物:コーデックス委員会による国際番号システム(INS)に基づく(a)機能分類および(b)名称または識別番号または「E」もしくは「e」から始まる識別番号
  3. 賞味期限または消費期限
    • 賞味期限(“best before”)および消費期限(“use by”)は、アラビア数字、または英語または中国語で表示する必要がある
      例: Best before: 1 Oct 2016(英語)、此日期前最佳: 2016年10月1日(中国語)
  4. 保管に対する特別な条件、または使用上の注意に関する説明
  5. 製造者または包装業者の名前と住所
    ただし、次の条件が満たされる場合には、表示義務が免除されます
    1. 次の(i)~(iii)の情報が印字またはラベル化されている場合
      1. 原産国
      2. 香港における販売業者や商標所有者の名称
      3. 香港における販売業者や商標所有者の登記済み事務所または本社の所在地
    2. 香港における販売業者や商標所有者により、原産国における食品製造業者や包装業者の正式所在地が書面で当局に通知されている場合
    3. 次の(i)および(ii)を満たす場合
      1. 原産国のラベル表記に加え、当該国での製造業者または包装業者を特定するコードが表示されている
      2. コードおよびコードに紐づけられた製造業者や包装業者の詳細が、当該製造業者または包装業者、あるいは香港における販売業者または商標所有者により、書面で当局に通知されている
    4. 食品の製造工場または包装工場その他の場所が、原産国の政府により所有、操業、または経営されており、当該食品が当該政府の製品であることを示す方式で印字またはラベル表記されている場合
  6. 数、重量または容量
    1. 包装済み食品は、内容物の数量、または食品の正味重量や正味体積を明確に表記またはラベル付けする必要がある
    2. 正味重量および正味体積は、実行可能な限り、「度量衡条例」 (Cap. 68) または「メートル法条例」(Cap. 214)の第1付則に規定される国際単位基準に従って表示するものとする(ただし、許容誤差については規定なし)
  7. 栄養成分(必須項目:エネルギー、タンパク質、炭水化物、総脂質、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、ナトリウム、糖。免除項目は表示規則の付表6を参照)
    ※ なお、生鮮であり包装された水産物で、ほかの成分が添加されていないものについては、栄養表示は不要(付表6-10)。

表示またはラベル貼付の規定の免除は、同規則のSchedule4「Items exempt from Schedule 3」(付表3の規定を免除される項目)で確認してください。また、バイオテクノロジー原料を含む食品(GM食品など)の表示は現在任意で行われています。

また、ビジネス上支障が生じるなどの事情がある場合には、ラベル表示に製造業者もしくは包装業者の代わりに、現地の卸業者(ディストリビューター)の情報を記載することも可能です。詳しい手続きについては、関連リンクの「加工食品表示ラベルに卸業者の記載が可能に」などを参照のうえ、確認してください。

7. その他

調査時点:2022年7月

食品や農水産物で問題や事故が起きた際に、その流通経路をさかのぼって追跡・確認できるようにするため、「食物安全条例」(Cap.612 Food Safety Ordinance)では食品輸入業や食品卸売業を行うすべての事業者に対し、香港食物環境衛生署(FEHD)への登録が義務付けられています。ただし、FEHDで香港ホーカー(屋台)のライセンスを取得済み、FEHDに食品輸入業者として登録されているなどの場合、卸売業者の登録は免除されます。

香港での輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2022年7月

香港では、水産物を輸入・販売するために、食品輸入業者および卸売業者に対して香港食物環境衛生署(FEHD)および香港食品安全センター(CFS)への登録が義務付けられています。登録する際に、事業登録証明書(Business Registration)、身分証明書とその他の書類〔会社設立証明書(Certificate of Incorporation)など〕のコピー、および食品輸入業者・卸売業者登録申請書(Application for Registration as Food Importer / Food Distributor)を提出する必要があります。

また、香港食物環境衛生署(FEHD)は、水産物および水産加工品を香港に輸入する際は、原産国の保健当局によって発行された衛生証明書を用意することを強く奨励しています。香港に貨物が輸入される段階で検査対象となることがあり、衛生証明書が提出されない場合はサンプリング検査の対象となります。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2022年7月

輸入(船積、航空貨物)商品にはすべての輸入陳述書(Import Statement)を添付しなければなりません。輸入商品に課税商品を含まない場合は、その旨を明記した陳述書を添付しなければなりません。輸入陳述書の添付は、「課税商品条例第109条」(Cap.109 Dutiable Commodities Ordinance)により義務付けられています。通関に伴う提出書類は次のとおりです。

  • 積荷目録(マニフェスト)
  • エアウェイビル(航空貨物運送状)、オーシャンB/L(船荷証券)、またはほかの同様の書類
  • インボイスおよびパッキングリスト
  • 引渡し指図書(リリースレター)または貨物保管通知
  • 福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県産の水産物については、放射性物質検査証明書
  • 衛生証明書など

香港への日本産食品の輸出に当たっての注意喚起

  • 香港において、2023年9月14日以降、日本から輸入された食品の通関手続が大幅に遅延する事例が一部で発生しています。香港政府によると、これは放射性物質規制とは無関係で、輸入貨物の集中に加え、通関手続において追加情報を求められるケースがあったことが原因であり、通関スタッフの増加によりスピードアップを図る方針が示されています。
  • 本件に際して香港政府は、通関手続に時間を要するのは複数の要因があるものの、貨物の集中のほか、添付書類の記載内容の明確さや完全さ等による場合があることから、特に個別のロットの中に異なる種類や異なる産地の食品が混載されている貨物の場合において、明確、完全かつ正確な書類を添付するよう、注意を呼び掛けています。
  • このことを踏まえ、各輸出業者におかれては、香港側の輸入業者と十分に連絡をとり、適切に対応するようにしてください。

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2022年7月

水産物については、食品に適していることを示す食品衛生証明書の添付が強く推奨されており、衛生証明書の添付がない場合には、サンプリング検査の対象となることがあります。サンプリング検査に関しては、関連リンクの「食品監視プログラム(Food Surveillance Programme)」を参照してください。

また、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、日本から輸出される5県(福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県)の食品のうち、水産品については香港側で輸入時に全ロット検査が行われており、国際食品規格委員会(Codex Alimentarius Commission)の定めた基準を超えるものについては即座に差し押さえられ、処分されます。
ただし、前述の5県以外の産地、ならびに前述の5県に対する特別な規制を設けていない品目に関し、日本産食品の航空便と船便の到着時に義務付けていた貨物ごとの放射性物質検査については2021年1月1日より一部廃止され、サーベイランス検査(一定頻度の抜き取り検査)に移行しました。

また、香港側での動物検疫はありません。ただし、香港に輸入されるあらゆる製品に共通して、輸入時のランダム検査の対象となる可能性があります。

4. 販売許可手続き

調査時点:2022年7月

「食品業規則」により、レストランや店舗の営業には、食品事業ライセンスの取得が必要です。生鮮(生きている魚も含む)、冷蔵および冷凍の魚を販売する場合、生鮮食料品店の販売ライセンスを取得する必要があります。その他、刺身、寿司、生食用のかきを販売する場合、総合食品売店のライセンスまたは制限付食品の販売許可証を取得する必要があり、生鮮、冷蔵および冷凍の貝類を販売する場合、生鮮・冷蔵貝類水産物の販売許可証を取得する必要があります。

5. その他

調査時点:2022年7月

なし