日本からの輸出に関する制度

茶の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する茶のHSコード

0902.10:緑茶(発酵していないもので、正味重量が3キログラム以下の直接包装にしたものに限る)
0902.20:その他の緑茶(発酵していないもので、正味重量が3キログラム以上の直接包装したもの)

香港の食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2019年8月

茶に関する特別な食品規格の設定はありません。包装済み食品についてはコーデックス(CODEX)食品規格にあるように、食品の成分とその添加物について適切に表示しなければなりません。

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2019年8月

茶にかぎらず、香港では使用される農薬について、ポジティブリスト制を採用しています。「残留農薬に関する規則」(Cap.132CM Pesticide Residues in Food Regulation)(香港特別行政区基本法)Schedule 1に挙げられている、農薬と食品との組み合わせごとに定められている最大残留基準値あるいは外因性最大残留許容量に照らし、含有量が規定値を超えている場合、該当する食品の輸入・販売などは禁止されています。また、Schedule 2には規制対象外の農薬が挙げられています。

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2019年8月

重金属規制: 2019年11月1日から有効
2019年11月から施行される「食品混入不純物(金属汚染物質含有量)(改正)規則」(Cap.132V Food Adulteration (Metallic Contamination)(Amendment)Regulations)では、規制対象となる「特定金属」の含有上限量とそれに対応する「特定食品」を列挙しており、当該食品が「特定食品」を原料として含む場合には、同法の基準に従う必要があります。
規制対象となる「特定金属」と「特定食品」の組み合わせおよび含有上限量ついては、「食品混入不純物(金属汚染物質含有量)(改正)規則」の付表第2部(Part 2 Maximum Level of Metal in Food)にリスト化されています。
複数の原料から構成される「合成食品」についても、「特定食品」が配合されている場合には規制対象となります。また、改正規則3(4)に規定されたとおり、「合成食品のすべての原料が特定食品に該当する場合」には、「(当該)合成食品に含まれる特定金属の上限は、各原料の特定金属の上限量を、この合成食品に含まれる各原料の割合、重量により乗じた値の合算」となります。
加えて、「特定金属」ではない金属であっても、危険値である、または有害性が疑われるような量の金属を含有する食品はいかなるものでも、ヒトの消費用に輸入・委託・配送・製造・販売することを禁止されています。
なお、2019年11月1日以降、「食品混入不純物(金属汚染物質含有量)(改正)規則」(Cap.132V Food Adulteration (Metallic Contamination)(Amendment)Regulation)が適用されます。改正規則のもとでは、当該食品に関する活動が2019年11月1日以前に実施されており、同時点で発効している規則に違反していない場合に限り、2020年10月31日までの猶予期間が認められています。ただし、果物・野菜・そのジュース、畜産動物や家きんの食用肉・食用内臓、水生動物や家きん卵のいずれかに該当し、(a)保存工程を経ていないもの、あるいは(b)冷凍でなく冷蔵として保存されたものの場合には猶予期間の適用はありません。
ヒ素および重金属などの許容量リスト(2019年11月1日から有効)
特定金属 特定食品 含有上限量(mg/kg)
緑茶・紅茶 5
有害物質
有害物質に関しては「有害物質に関する規則」(Cap.132AF Harmful Substances in Food Regulations)(香港特別行政区基本法)のSchedule 1に挙げられている物質が規定量を超えている場合、また同Schedule 2に挙げられている物質が含まれている場合、該当する食品の輸入・販売などは禁止されています。

4. 食品添加物

調査時点:2019年8月

香港では着色料・甘味料・食品保存料に関する規制があります。
着色料に関しては「着色料に関する規則」(Cap.132H Colouring Matter in Food Regulations)Schedule 1に挙げられている着色料を使用することができます。
甘味料に関しては「甘味料に関する規制」(Cap.132U Sweeteners in Food Regulations)Scheduleに挙げられている甘味料を使用することができます。
食品保存料に関しては「保存料に関する規則」(Cap.132BD Preservatives in Food Regulation)のSchedule 1, No.6に挙げられている食品保存料を、規定量の範囲内で使用することができます。

5. 食品包装規制(食品容器の品質または基準)

調査時点:2019年8月

なし

6. ラベル表示

調査時点:2019年8月

茶(包装済み)のラベル表示は、食品および薬物(成分組成および表示)規則(以下、表示規則と表記)によって規制されています。次の項目を英語または中国語、あるいは英語と中国語の併用で表示することが求められます。

  1. 食品名
  2. 原材料リスト (原材料、アレルギー性物質、添加物を含む)
    • 原材料:重量または容量の多い順に表示する。ただし、単一の原料で構成されているものについては不要
    • アレルギー性物質:グルテンを含む穀物、甲殻類および甲殻類製品、卵および卵製品、魚および魚製品、ピーナッツ・大豆およびそれらの製品、乳および乳製品(乳糖を含む)、木の実とナッツ製品、10ppm以上の亜硫酸塩
    • 添加物:コーデックス委員会(CODEX)による国際番号システム(INS)に基づく(a)機能分類および(b)名称または識別番号または「E」もしくは「e」から始まる識別番号
  3. 賞味期限または消費期限
  4. 保管に対する特別な条件、または使用上の注意に関する説明
  5. 製造者または包装業者の名前と住所
    ただし、次の条件が満たされる場合には、表示義務が免除されます
    1. 次の(i)~(iii)の情報が印字またはラベル表記されている場合
      1. 原産国
      2. 香港における販売業者や商標所有者の名称
      3. 香港における販売業者や商標所有者の登記済み事務所または本社の所在地
    2. 香港における販売業者や商標所有者により、原産国における食品製造業者や包装業者の正式所在地が書面で当局に通知されている場合
    3. 次の(i)および(ii)を満たす場合
      1. 原産国のラベル表記に加え、当該国での製造業者または包装業者を特定するコードが表示されている
      2. コードおよびコードに紐づけられた製造業者や包装業者の詳細が、当該製造業者または包装業者、あるいは香港における販売業者または商標所有者により、書面で当局に通知されている
    4. 食品の製造工場または包装工場その他の場所が、原産国の政府により所有、操業、または経営されており、当該食品が当該政府の製品であることを示す方式で印字またはラベル表記されている場合
  6. 数、重量または容量
  7. 栄養成分(必須項目:エネルギー、タンパク質、炭水化物、総脂質、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、ナトリウム、糖。免除項目は表示規則の付表6を参照)

表示またはラベル貼付規制の免除は表示規則の付表4「付表3の規定を免除される項目」で確認してください。また、バイオテクノロジー原料を含む食品(GM食品など)の表示は現在任意で行われています。

7. その他

調査時点:2019年8月

問題や事故の起きた食品や農水産物について、その流通経路をさかのぼって追跡・確認を可能にするため、食品輸入業や食品卸売業を行うすべての者に対し、食品環境衛生署(FEHD)への登録を義務付けた「食物安全条例」(Cap.612 Food Safety Ordinance)が、2011年に施行されました。事業者には本条例の順守が求められています。ただし、FEHDで香港ホーカー(屋台)のライセンスを取得済み、FEHDに食品輸入業者として登録されているなどの場合、卸売業者の登録は免除されます。