日本からの輸出に関する制度水産物の輸入規制、輸入手続き
バングラデシュの食品関連の規制
1. 食品規格
調査時点:2025年8月
水産物は、取り扱い、保管、加工、衛生に関して、2013年食品安全法(Food Safety Act 2013)、2020年魚および水産物(検査および品質管理)法、1997年魚および水産物(検査および品質管理)規則(2008年・2014年改正。以降同じ。)などで規制されています。
2013年 食品安全法(Food Safety Act 2013)の規制
不衛生な条件で加工された食品の販売や輸入、腐敗した魚やそれを原料とした食品の製造および販売を禁止しています。
2020年魚および水産物(検査および品質管理)法 および1997年魚および水産物(検査および品質管理)規則の規制
- 水産物の生産、加工施設などの施設については、バングラデシュ水産局の許可が必要です。
- 加工工場施設などは、特に、1997年魚および水産物(検査および品質管理)規則における19条、スケジュール9で求められる手順を満たすなど、各法の要請する衛生基準を満たす必要があります。
- 冷凍魚介類に関する温度管理要件
冷凍魚は、加工、保管および輸送の各段階において常に−18°C以下に維持しなければなりません。
2. 残留農薬および動物用医薬品
調査時点:2025年8月
水産物は、税関および水産局(DoF:Department of Fisheries)により検査されます。 輸入政策令(Import Policy Order 2021-2024)、2020年魚および水産物(検査および品質管理)法、および1997年魚および水産物(検査および品質管理)規則に基づいて、輸入魚および水産物中の化学物質について、最大許容限度が定められています。 また、食品一般についても、2017年食品安全(化学汚染、毒素、および有害残留物)規制、2021年食品安全(汚染物質微生物の特定と管理)規則などがあります。具体的な基準値は条文を参照してください。
バングラデシュ食品安全局(BFSA)のウェブサイトでは、輸入品の品目を入れることで、税関および水産局が求める検査項目および規制を確認することができます。
| 物質名 | 上限値 |
|---|---|
| ホルマリン | 0 ppb |
| セシウム-137 | 50 Bq/kg |
| ニトロフラン代謝物(AOZ, AMOZ, AHD, SEM) | 0 ppb |
| テトラサイクリン | 100 ppb |
| クロラムフェニコール | 0 ppb |
| エストラジオール | 0 ppb |
| メチル/テストステロン | 0 ppb |
| ロイコクリスタルバイオレット | 0 ppb |
| 病原性微生物 | 無検出 |
| クリスタルバイオレット | 0 ppb |
| ロイコマラカイトグリーン | 0 ppb |
| マラカイトグリーン | 0 ppb |
| エンドリン | 0.010 ppm |
| ディルドリン | 0.005 ppm |
| ヘプタクロル | 0.005 ppm |
| アルドリン | 0.005 ppm |
| DDT | 1.000 ppm |
| クロルテトラサイクリン | 100 ppb |
| ジエチルスチルベストロール | 0 ppb |
3. 重金属および汚染物質
調査時点:2025年8月
水産物は、重金属および汚染物質などの規制の対象となります。
バングラデシュでは、2020年魚および水産物(検査および品質管理)法、ならびに1997年魚および水産物(検査および品質管理)規則に基づき、輸入された魚や水産物に含まれる重金属汚染物質の最大許容濃度(上限値)が定められています。
また、食品一般について、2017年食品安全(化学汚染、毒素、および有害残留物)規制があります。具体的な基準値は条文を参照してください。
バングラデシュ食品安全局(BFSA)では、輸入品の品目を入れることで、税関および水産局が求める検査項目および規制を確認することができます。
主な対象重金属および基準値は、次のとおりです。
| 淡水魚 | 海水魚 | 甲殻類 | |
|---|---|---|---|
| 鉛 | 0.30 mg/kg | 0.30 mg/kg | 0.50 mg / kg |
| カドミウム | 0.05 mg/kg | 0.25 mg/kg | 0.50 mg / kg |
| 水銀 | 0.50 mg / kg | 1.00 mg / kg | 0.50 mg / kg |
| クロム | 1.00 mg / kg | 1.00 mg / kg | 1.00 mg / kg |
| ヒ素 | 5.00 mg / kg | 5.00 mg / kg | 5.00 mg / kg |
| 銅 | 5.00 mg / kg | 5.00 mg / kg | 5.00 mg / kg |
| 亜鉛 | 50.00 mg / kg | 50.00 mg / kg | 50.00 mg / kg |
4. 食品添加物
調査時点:2025年8月
食品添加物の使用について、バングラデシュでは、2017年食品添加物使用規則により規定されています。同規則はポジティブリスト方式であり、リストで承認された添加物のみ、定められた条件および分量の範囲内で使用することができます。
2017年食品添加物使用規則では、添加物を着色料、防腐剤、香料、酸化防止剤、安定剤、非栄養添加物、増粘剤や酸性度調整剤、その他の物質などの種類によって分類されており、それぞれが許容される添加物とその最大使用量を列挙しています。
水産物は、主に2017年食品添加物使用規則スケジュールIからIIにおいて規定されています。
具体的な基準値については条文を参照してください。
関連リンク
5. 食品包装(食品容器の品質または基準)
調査時点:2025年8月
食品の包装については、2019年食品接触素材規則により、次のように規制されています。
- 2017年包装食品表示規則を順守する(第4条第1項)
- 消費者に誤解を与える情報を記載しない(第4条第2項)
- 非可食部には適切なラベルを記載する(第4条第4項)
- 接触する素材の原料は、衛生的で、技術基準を満たしている(第5条)
関連リンク
6. ラベル表示
調査時点:2025年8月
輸入政策令(Import Policy Order 2021-2024)の規制
「輸入政策令(Import Policy Order 2021-2024)」の第23条では、食品を輸入する際に、食品の包装およびラベルについて次の要件を求めています。
輸入する製品が該当するかどうかについては、バングラデシュ税関の輸入品の要件検索で、輸入品のHSコードを入力して確認することができます。
- 製造日および消費期限または賞味期限は、容器または包装ごとに明確に刻印しなければならない。
- 容器または包装全体に別途ラベルを貼付してはならない。
- 保存料、添加物、着色料が保存食品に使用されている場合は、その含有量および詳細を明記し、別途ラベルを貼付するのではなく、刻印しなければならない。
- 食品および飲料の製造に使用される原材料で、一定期間経過後に使用できなくなるものは、製造日および賞味期限を当該商品の容器または包装に記載または印刷しなければならない。
2017年包装食品表示規則の規制
食品のラベルについて、2017年包装食品表示規則によって規制されています。 一般的に食品のラベルは次の要件を満たす必要があります。
言語要件
- 輸入された包装食品のラベルには、ベンガル語のラベルまたは元のラベルが外国語の場合はベンガル語のサブラベルが必要。
- 必要に応じて、ベンガル語と外国語を併記することが可能。
記載事項
- 食品の名称
- 原材料のリストまたは表示
- 栄養成分(100g、100ml、または1食当たり)
- 食品添加物の申告書
- 使用説明書(該当する場合)
- 製造業者、包装業者、供給者、または販売業者の名称および所在地
- バッチ、コード、またはロット番号
- 正味重量/体積/数および総重量
- 製造年月日
- 梱包日
- 有効期限/最終使用日/消費期限または賞味期限
- 輸入品の製造業者、輸入業者、販売業者などの名称および所在地
読みやすさと配置
- ラベルは、見やすく、読みやすく、目立つようにする。
- フォントサイズは国際標準に沿い、パッケージサイズに比例させる。
- ラベルは、分離を防ぐために適切な手順でしっかりと貼り付ける。
食品添加物が含まれている場合の記載
食品添加物が含まれている場合、次の記載が必要となります。
- 食品添加物の名称
- 使用量
- 製造業者の名称および所在地
- 有効期限
アレルゲンを含む場合の記載
アレルギーまたは食物不耐性を起こし得る次の食品については、その旨を記載する必要があります。
- 貝類、エビ、カニ
遺伝子組換え食品を含む場合の記載
遺伝子組換え技術を用いて生産された製品が含まれる場合は、遺伝子組換え食品との記載が必要となります。
関連リンク
- 根拠法等
-
2017年包装食品表示規則(ベンガル語)
(320KB)
-
輸入政策令 2021-2024(ベンガル語)
(1.0MB)
- その他参考情報
-
バングラデシュ関税の要件検索(英語)

HSコードまたは商品名を入力して検索すると、輸入品の包装要件の情報が確認できます。
7. その他
調査時点:2025年8月
遺伝子組換え原料などに該当する場合には、2007年バイオセーフティガイドライン、2012年バイオセーフティ規則、2013年遺伝子組換え植物由来食品の安全性評価に関するガイドラインなどの各規制があります。遺伝子組換え原料などを含む食品に関しては、輸入や販売などに際して、事前に政府の許可を取る必要があります。そのうえで、遺伝子組換え原料に該当する旨をラベルにも記載しなければなりません。
2025年食品安全(広告および表示)規則
ラベル表示に関しては、2025年12月14日に2025年食品安全(広告および表示)規則が交付され、同規則は6カ月後の2026年6月14日から施行されます。
以降の手続きおよび表示は、当該規則に基づいて実施する必要があります。
バングラデシュでの輸入手続き
1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き))
調査時点:2025年8月
輸入業者登録
日本から水産物を輸入するにあたって、輸入業者は、会社所在地における営業許可(Trade License)を取得し、バングラデシュの認可された商工会議所または業界団体への会員登録をしたうえで、輸出入管理長官事務所(CCIE)が発行する輸入登録証明書(Import Registration Certificate:IRC)を取得する必要があります。
輸入業者の登録は、バングラデシュの輸出入管理長官事務所のオンライン申請システムであるCCI&E-OLM(Chief Controller of Imports and Exports - Online Licensing Module)で行うことができます。
農産物輸入業者ライセンス(Licence for Agro-products Importer)
農産物の輸入に際しては、農産物輸入業者ライセンスの取得が別途必要とされます。
本ライセンスにおける水産物とは、2018年農業マーケティング法において次の品目を含むものと定義されています。
- あらゆる種類の魚(生、乾燥、塩蔵、冷凍など)
- エビ
- カニ
- 亀
- ワニやそのほかの水生植物および水棲動物
輸入品の内容の確認
日本から食品を輸入するにあたって、輸入の手順はバングラデシュ貿易ポータルサイトの「商業輸入プロセス」にて概要を確認できます。また、商務省が運営する「農産品貿易ゲートウェイ」の「水産物の通関手続き」にて概要を確認することができます。 まず、対象の輸入品が、輸入政策の輸入禁止品目や、輸入規制品目に該当しないかを確認します。 次に、バングラデシュ貿易ポータルサイトの輸入品検索で対象品を検索し、輸出入管理長官事務所(CCIE)による輸入許可所得の要否、植物検疫または動物検疫の要否、科学技術省による検査の要否を確認します。 水産物は、バングラデシュ水産局の異議なし証明書(NOC)および輸入許可証(IP)が必要となります。
水産局(DoF)の異議なし証明書(NOC)および輸入許可証(IP)の取得
水産物を輸入するには、バングラデシュ水産局(DoF:Department of Fisheries)に対し、輸入登録証明書と異議なし証明書(NOC:No Objection Certificate)の取得を申請しなければなりません。
NOCとは、バングラデシュの港に魚または関連製品が入港する前に水産物検査・品質管理部(FIQC:Fish Investigation and Quality Control)が発行する書類であり、これがない場合は入港することができません。
輸入登録証明書(IRC:Import Registration Certificate)は、輸入業者が輸入前にFIQCから取得すべき書類であり、通関に必要な書類です。
これらはFIQCのオンライン認証システムにて申請することができます。
関連リンク
2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)
調査時点:2025年8月
輸入に際しては、必要に応じて次の書類を準備します。
税関が提供するデジタルプラットフォームである「バングラデシュ関税のImport Export Hub(輸入品の要件検索)」では、輸入対象品のHSコードを入力し、必要書類などを検索することができます。また、商務省の運営する「農林水産物・食品貿易ゲートウェイ」の「水産物の通関輸入手続き」にて概要を確認することができます。
一般的な書類(必要に応じて)
- 輸入登録証明書(IRC)
- 国税のVAT登録証明書(BIN)
- 信用状 (L/C)
- 信用状 (L/C)を使用しない場合
- 販売注文書/購買注文書
- 輸入許可証(IP:Import Permit)/通関許可証 (CP)/その他の支払関連書類
- 必要に応じて、関係規制当局が発行/承認したIP/CP/その他の書類
- プロフォーマインボイス (PI: Proforma Invoice)
- 保険引受証書
- 商業送り状 (CI:Commercial Invoice)
- 梱包明細書 (Packing List 出国前に必要)
- 梱包明細 (Detail Packing List 入国後に必要)
- 運送状 (船荷証券/航空貨物運送状/トラック領収書/鉄道領収書/河川貨物積荷目録/小包予約領収書)
- 原産地証明書 (COO:Certificate of Origin)
- 価格申告書
- 特許/商標/意匠/地理的表示証明書 (知的財産権に関するもの)
- 国際植物検疫措置基準第15号(ISPM-15)証明書 (木材での梱包の場合)
- 危険物証明書(危険物の場合)
水産物の輸入のための書類(必要に応じて)
「施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)」に列挙される書類のほかに、次の書類が必要となります。
- 水産局(DoF:Department of Fisheries)からの輸入許可証(IP:Import Permit)
- DoFへの事前申告書(Prior Declaration)
- 水産検疫官への申告書(Declaration to Fisheries Quarantine Officer)
- 遺伝子組換え生物(GMO)または生物多様性条約に基づく生物(LMO)の場合、環境・森林・気候変動省からの許可(Permission from Ministry of Environment, Forest and Climate Change, if GMO/LMO)
- 輸入される魚類およびその他の水棲動物がスケジュール1および2に記載されている場合、農産物輸入業者ライセンス(Licence for Agro-products Importer)
- 輸入検査後のDoFからの輸入許可書(No Objection Certificate for Import)
- 輸入検査後のDoFからの物理・実験室検査報告書(Physical and Laboratory Test Report)
- 輸入検査後の放射能検査証明書(Radioactivity Test Certificate)
- 輸入検査後のホルマリン不使用検査報告書(Formalin Free Test Report)
- 国際的な認定がある研究所またはバングラデシュ認定の研究所による加工魚および魚製品については、有害な抗生物質・微生物・重金属・ホルモンなどの検査報告書(Test Report for Harmful Antibiotic, Microorganisms, Heavy Metals, Hormones, etc. applicable to Cured Fish and Fish Products)
3. 輸入時の検査・検疫
調査時点:2025年8月
事前申告および指定港の利用
日本から輸入する水産物について、輸入者は、貨物が到着する少なくとも15日前までに、品目や輸送に関する詳細を記載した書面で、水産検疫官(FQO:Fish Quarantine Officer)へ事前通知を行う必要があります。 通知内容には、数量、種別、原産国、輸送手段などを記載します。 事前通知が行われていない場合、通関手続きの遅延や拒否の原因となることがあります。 水産物の輸入には、指定された入国港を通じて行う必要があります。
到着時の検査
貨物が港に到着すると、FQOにより検査が実施されます。FQOの検査対象には水産物だけではなく、包装品も含まれます。主な検査内容は次のとおりです。
- 文書確認(衛生証明書、パッキングリストなど)
- 物理的な目視検査
- 汚染、腐敗、異常な臭気などの有無の確認
必要に応じてサンプルが採取され、病原体、寄生虫、抗生物質、農薬、重金属などの残留物の有無を調べる実験室検査が行われます。
検査後の通関措置
検査および試験の結果、基準を満たしていると判断された場合、FQOは水産局(DoF:Department of Fisheries)および税関当局に対し、通関勧告を行います。この勧告は書面または電子システム経由で行われ、税関による通関後に貨物の引き取りが可能となります。
一方で、貨物に健康上の危害を及ぼす、または及ぼす可能性が認められた場合、または汚染・疾病の兆候がある場合には、貨物は保留され、最寄りの政府検疫施設に移送されます。
貨物に感染症の保有や生態系への悪影響が認められた場合には、DoFが輸出国への返送、または埋却・焼却による廃棄の措置をとることができます。
4. 販売許可手続き
調査時点:2025年8月
小売業などの営業許可
バングラデシュ国内で食品販売、食品提供を営む場合は、小売業の営業許可が必要となります。 また、レストランなどで食品を提供する場合は、食品提供の営業許可のほかに、保健所への登録、消防署への申請なども必要となります。
販売における法規制
バングラデシュ国内の食品販売は、2013年食品安全法、2017年包装食品表示規則、2018年食品安全(衛生環境保全)規則、2020年食品安全(食品取引業者の義務)規則をはじめ、食品の保管方法、ラベル、包装などに関する法令や規制を順守する必要があります。
5. その他
調査時点:2025年8月
なし
その他
調査時点:2025年8月
なし






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