南アフリカ共和国の貿易と投資(世界貿易投資動向シリーズ)

要旨・ポイント

  • 2022年の実質GDP成長率は1.9%で前年から大きく減速。
  • エネルギー価格、需要の高まりにより鉱物性燃料の輸出が好調。
  • 対内直接投資は新型コロナ禍前の水準を上回る。
  • 日本からの直接投資は流出超過。

公開日:2023年10月31日

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マクロ経済 
国内外の問題で景気減速

2022年の実質GDP成長率は1.9%で、前年の4.7%(改定値)から減速した。特に、第2四半期(4月~6月)は全10項目の内、7項目がマイナス成長に陥った。ロシアのウクライナ侵攻によるサプライチェーンの混乱や輸入品の価格高騰に加え、2022年4月に発生したクワズール・ナタール州での大洪水が生産と物流に大きな影響を与えた(2022年4月15日記事参照)。同州にはアフリカ最大の貿易港であるダーバン港があり、トヨタ自動車などを含め製造業が集積している。洪水被害からの復興段階であった第3四半期(7月~9月)はプラス成長を取り戻したかにみえたが、第4四半期(10月~12月)は9項目でマイナスに転じた。深刻化する電力不足(2022年12月27日記事参照)と運輸公社トランスネット従業員のストライキによる物流への影響などが原因だ(2022年10月19日記事参照)。

産業別にみると、年間を通して最も成長したのは運輸・倉庫・通信の8.3%で、GDP成長率に0.6ポイント寄与した。新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)禍における行動規制などが解除された結果、ビジネス活動やレジャー、観光などの経済活動が回復し成長を下支えした。需要項目別では、民間最終消費支出は2.5%増加した。主に外食やホテル、食品・アルコール飲料、観光などへの支出が増え、同支出はGDP成長率に1.6ポイント寄与した。国内総固定資本形成は前年の0.6%増から4.8%増に拡大した。輸出は前年の9.1%増から減速し7.4%増だったが、輸入が14.9%増と急増したため、結果として貿易部門の実質GDP成長率への寄与度は1.9ポイントとなった。貿易部門の不振は、鉄鉱石の価格低下と物流の混乱による輸出量の減少が主な要因だ。2022年の名目GDPは約6兆6,400億ランドで前年比4,460億ランド増だったが、依然新型コロナ禍前の水準を下回っている。

表1 南アフリカの需要項目別実質GDP成長率(単位:%)(△はマイナス値)
項目 2021年 2022年 2023年
年間 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1
実質GDP成長率 4.7 1.9 1.5 △ 0.8 1.8 △ 1.1 0.4
階層レベル2の項目民間最終消費支出 5.8 2.5 1.2 0.1 △ 0.1 0.7 0.4
階層レベル2の項目政府最終消費支出 0.5 1.0 0.9 △ 0.9 0.5 △ 0.7 1.2
階層レベル2の項目国内総固定資本形成 0.6 4.8 2.9 0.4 0.4 1.5 1.4
階層レベル2の項目財貨・サービスの輸出 9.1 7.4 3.7 0.2 2.0 △ 3.2 4.1
階層レベル2の項目財貨・サービスの輸入 9.6 14.9 6.2 4.9 0.2 △ 0.8 4.4

〔注〕四半期の伸び率は前年同期比。
〔出所〕南アフリカ共和国統計局

貿易 
貿易黒字が拡大

2022年の貿易(通関ベース、暫定値)は、輸出が前年比2.2倍の4兆269億ランド、輸入が31.8%増の1兆8,202億ランドとなった。貿易収支は7年連続で黒字となり、黒字額は2兆ランドを超えた。新型コロナ禍による経済の停滞からの回復や、ウクライナ侵攻による欧州のサプライチェーン見直しによる鉱物性燃料の輸出量増などが要因である。

輸出を品目別にみると、欧州の需要増と価格高騰により前年比82.4%増となった鉱物性燃料(主として石炭)が輸出をけん引した。石炭価格は、2021年の1.35ドル/1キログラムから3.04ドル/1キログラムに上昇し、輸出量も6,613トンから8.3%増の7,165万トンに増加した。石油の輸出量は、前年比2%減の約14万トンだったが、価格は 22.17ドル/1キログラムから32.29ドル/1キログラムに上がっている。

一方で、南アフリカ共和国(以下、南ア)の主要輸出品目である資源(貴石・貴金属など、鉱石・スラグおよび灰)の輸出は前年比で大きく減少した。電力不足による生産活動の制限、物流網の停滞が原因で、全体的に資源(主要鉱物)の輸出量は前年比減となったものが多かった。そこに単価の高い貴金属鉱や白金族の価格低下が重なり、輸出額は前年比減となった。10月に起こったトランスネットのストライキも輸出量に大きな影を落とした。南ア鉱物評議会は、ストライキによって港の稼働率が一時1日平均の12~30%程度に落ち込み、1日当たり8億1,500万ランド(約66億8,300万円、1ランド=約8.2円)の輸出収入を損失したと発表している(2022年10月19日記事参照)。

輸入を品目別にみると、鉱物性燃料(主として石油)の輸入額が79.8%増加し、総額に占める割合は2021年の17%から22.6%に拡大した。南ア国内の石油精製能力の低下による石油輸入量の増加が要因とみられる。2022年の石油の輸入量は、過去5年間で最大となる12万6,939トンを記録し、前年比2.7倍となった。また、南ア準備銀行によると、ピーク時の電力供給を維持するため、ガスタービン発電施設用のディーゼル燃料の需要が高まり、ディーゼル燃料の輸入も増えた。

国別では、輸出入ともに前年に続き中国が最大の貿易相手国となった。輸出ではオランダ向けが60億ドルを記録し、前年比44.4%増と大きく増加した。これは、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、オランダが燃料資源のサプライチェーンを見直した結果、南アから石炭の調達を増やしたためとみられる。南アから見て日本は輸出の相手国としては4位、輸入の相手国としては8位だった。

表2-1 南アフリカ共和国の主要品目別輸出(FOB) [通関ベース](単位:100万ランド、%)(△はマイナス値)
品目 2021年 2022年
金額 金額 構成比 伸び率
貴石・貴金属など 513,289 438,221 10.9 △14.6
鉱物性燃料 155,354 283,363 7.0 82.4
鉱石・スラグおよび灰 267,075 260,281 6.5 △2.5
輸送機器および関連部品 157,381 180,861 4.5 △14.9
原子炉、ボイラー、機械部品など 97,843 108,434 2.7 10.8
鉄鋼 92,467 107,125 2.7 15.9
果実・柑橘類など 64,648 72,557 1.8 12.2
合計(その他含む) 1,812,829 4,026,884 100.0 122.1

〔注〕2022年は暫定値
〔出所〕南アフリカ歳入庁

表2-2 南アフリカ共和国の主要品目別輸入(FOB) [通関ベース](単位:100万ランド、%)(△はマイナス値)
品目 2021年 2022年
金額 金額 構成比 伸び率
鉱物性燃料 228,828 411,354 22.6 79.8
原子炉、ボイラー、機械部品など 166,873 204,371 11.2 22.5
一般機械および部品 127,321 170,446 9.4 33.9
輸送機器および関連部品 93,079 136,120 7.5 46.2
プラスチックおよび同製品 43,106 52,564 2.9 21.9
医療用品 45,239 41,369 2.3 △8.6
合計(その他含む) 1,380,988 1,820,189 100.0 31.8

〔注〕2022年は暫定値
〔出所〕南アフリカ歳入庁

表3-1 南アフリカの国・地域別輸出(FOB) [通関ベース](単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
国・地域 2021年 2022年
金額 金額 構成比 伸び率
中国 13,591 11,608 9.4 △14.6
米国 13,087 10,864 8.8 △17.0
ドイツ 10,534 10,052 8.2 △4.6
日本 8,258 8,533 6.9 3.3
英国 8,275 6,302 5.1 △23.8
オランダ 4,159 6,006 4.9 44.4
モザンビーク 4,326 5,843 4.7 35.1
合計(その他含む) 122,853 123,257 100.0 0.3

〔注〕2022年は暫定値
〔出所〕World Trade Atras

表3-2 南アフリカの国・地域別輸入(FOB) [通関ベース](単位:100万ドル、%)
国・地域 2021年 2022年
金額 金額 構成比 伸び率
中国 19,177 22,383 20.1 16.7
ドイツ 7,558 8,203 7.4 8.5
英国 6,545 8,158 7.3 24.6
インド 5,341 7,946 7.2 48.8
サウジアラビア 4,094 4,536 4.1 10.8
アラブ首長国連邦 1,879 4,079 3.7 117.1
タイ 2,976 3,084 2.8 3.6
合計(その他含む) 93,442 111,117 100.0 18.9

〔注〕2022年は暫定値
〔出所〕World Trade Atras

対内・対外直接投資 
投資フローは新型コロナ禍以前を上回る。再エネに注目

南ア準備銀行によると2022年の対内直接投資(国際収支ベース、ネット、フロー)は前年比75%減の1,499億ランドだった。前年にオランダの投資会社による高額投資があった反動で前年比では大幅なマイナスだが、投資フロー総額は新型コロナ禍前の数字を上回った。国連貿易開発会議(UNCTAD)によると、2022年の南アへの直接投資は過去10年間の平均額の2倍である91億ドルを記録した。

さまざまな産業へ投資が行われたが、中でも再生可能エネルギー産業に注目が集まった。政府は2021年4月に再生可能エネルギー独立発電事業調達計画 (Renewable Energy Independent Power Producers Procurement Programme: REIPPPP)第6次入札を発表し、10月にはさまざまな外資プロジェクトが優先交渉権を獲得した。例えば、アラブ首長国連邦に拠点を置く再生可能エネルギー開発会社のアメア・パワー(AMEA Power)は85メガワット(MW)の太陽光発電所を建設予定である。イタリア最大の電力会社の子会社エネル・グリーン・パワー(Enel Green Power)は2カ所の太陽光発電施設の建設を予定している。

その他、情報通信分野への投資にも関心が高まっている。米国拠点のデジタル・リアリティ はアフリカ最大のデータセンターサービスプロバイダーであるテラコ・データ・エンバイロメンツ(Teraco Data Environments)の株式を55%取得した。米国カルフォルニアが本社のエクイニクス(Equinix)も、南アへの初参入としてヨハネスブルグにデータセンターを建設すると発表した。投資額は1億6,000万ドルに上る。10月にはNTTもヨハネスブルクに大規模なデータセンターを開設した(2022年11月8日記事参照)。

対外直接投資は2021年の3億ランドから401億ランドへと大幅に増加した。大型案件として、南ア大手投資会社コングロマリット・プロサスがオランダのオンライン食品配送サービス会社ジャストイート(Just Eat)から関連会社2社の株式過半数を取得、大手通信キャリアのボーダコム はボーダフォン・エジプトの株式55%を取得した案件などが挙げられる。その他、衣料品小売大手のペプコール(Pepkor)がブラジルのグルポ・アベニーダ(Grupo Avenida)の株式87%を取得し、ラテンアメリカに初進出した。

投資環境・外資政策 
民間の新規投資に期待、一方で電力不足が懸念

2022年11月、南ア政府は「公正なエネルギー移行投資計画(JET-IP)」を発表した。これは、南アの脱炭素に向けた2023~2027年の投資計画をまとめたもので、「公正なエネルギー移行パートナーシップ(JETP)」の締結国・地域の英国、米国、EUなど5カ国・地域から支援が予定される85億ドルの使途の指針でもある。優先分野として、電気自動車やグリーン水素などが挙げられ、海外からの投資が期待される。

シリル・ラマポーザ大統領は2018年から2023年の間、「南アフリカ投資会議」を隔年で開催し、国内外から5年間で1兆2,000億ランド(約8兆7,600億円、1ランド=約7.3円)の投資を呼び込む目標を掲げてきた。これまで開催した5回の会議で発表された投資総額は1兆5,100億ランドとなり、当初の目標を26%上回った(2023年4月28日記事参照)。一方で、投資家は電力不足による投資環境の悪化を懸念している。政府は長期化する電力不足を理由に、2023年2月「国家的災害事態」を宣言し(2023年2月15日記事参照)、新たに電力大臣を設置するなど解決に取り組んでいる。スタンダード&プアーズ(S&P)は2022年5月に財政改善が期待できるとして格付け見通しを「ポジティブ」に引き上げたが、この状況を受け、2023年3月には再び「安定的」に引き下げた。他の格付け会社であるムーディーズやフィッチ・レーティングスも、同様の見通しだ。

さらに、マネーロンダリングの対策などを行う国際組織の金融活動作業部会(FATF)は、2023年2月に南アを「グレーリスト(強化モニタリング対象国・地域)」に加えると発表した。それに対して、南ア政府は、企業が5%以上の株式を保有する株主の身元確認を義務付けるなど規制強化を実施中だ。

対日関係 
輸出入ともに堅調、自動車産業で大規模投資

日本との貿易は、輸出入総額に大きな増減はなかった。日本への輸出を品目別でみると、構成比71.3%を占める非鉄金属は前年比8.5%減と落ち込む一方で、石炭の輸出額は9.6倍と急増した。日本政府が2022年4月、ロシアからの石炭輸入を削減する方針を発表しており、代替として南アからの輸入量を増やしたことが要因だ。日本からの輸入においては自動車の部品が19.3%減少した。これは4月にクワズール・ナタール州で発生した大洪水によりトヨタ自動車の組み立て工場の稼働が停止したことが主な要因と考えられる。

日本の財務省統計によると、2022年の南アへの対外直接投資額(国際収支ベース、ネット、フロー) は865億円となり、前年から3割減だった。日系企業の主な投資案件の一つに、矢崎総業の第2工場新設がある。同社は南ア企業のメットエアー・インベストメントとの合弁会社へストハーネスを経営しており、第2工場はフォードやいすゞ自動車向けのハーネス製品を製造予定だ(2022年9月30日記事参照)。追加投資額は8億ランド(約64億2,400万円、1ランド=約8.03円)だった。その他、2022年3月にベンチャーキャピタル(VC)でコンサルティング業務などを手掛けるAAICが、5月に医薬品製造販売のエーザイがそれぞれ支店、販売代理店を開設した。また、2023年3月時点では、NECが南アのICTソリューション会社エクソン(XON)の株式を持ち株率80%まで買い増している。2022年から南アへの進出に関する問い合わせが徐々に増えており、駐在員事務所や販売代理店での形態だけでなく、南ア企業への出資を検討する企業も少なくない。

表4-1 南アフリカ共和国の対日主要品目別輸出(FOB)
[通関ベース](単位:1,000ドル、%)(△はマイナス値)
品目 2021年 2022年
金額 金額 構成比 伸び率
非鉄金属 7,873,304 7,200,541 71.3 △8.5
自動車 246,561 532,145 5.3 115.8
鉄鉱石 654,977 487,977 4.8 △25.5
石炭 35,951 344,325 3.4 857.8
非鉄金属鉱 176,257 317,213 3.1 80.0
穀物類 217,493 284,099 2.8 30.6
木製品等(除家具) 211,633 225,399 2.2 6.5
合計(その他含む) 10,108,615 10,098,417 100.0 △0.1

〔注〕2022年は暫定値
〔出所〕財務省貿易統計

表4-2 南アフリカ共和国の対日主要品目別輸入(FOB)
[通関ベース](単位:1,000ドル、%)(△はマイナス値)
品目 2021年 2022年
金額 金額 構成比 伸び率
自動車 942,149 965,663 40.7 2.5
自動車の部品 284,966 229,867 9.7 △19.3
鉄鋼 78,844 138,863 5.8 76.1
建設用・鉱山用機械 100,539 133,946 5.6 33.2
ゴム製品 67,657 82,967 3.5 22.6
荷役機械 50,573 79,158 3.3 56.5
原動機 59,829 57,706 2.4 △3.5
合計(その他含む) 2,362,972 2,374,557 100.0 0.5

〔注〕2022年は暫定値
〔出所〕財務省貿易統計

表5 南アフリカの主な対内直接投資案件(2022年)
業種 企業名 投資国・地域 時期 投資額 概要
ICT デジタル・リアルティ 米国 1月4日 35億ドル クラウドおよびデータセンターなどの世界最大のプロバイダーである米デジタル・リアルティが南ア大手サービスプロバイダーであるテラコ・データ・エンバイロメンツの株式の55%を取得。
鉱業 ベルヴェデーレ・リソーシズ カナダ 6月14日 54万ドル バッファローコールの株式の82.58%を取得。これにより、南アフリカで操業中の2つの鉱山における、過半数の権益を保有した。
物流 テイラー・マリタイム・インベストメンツ ガーンジー 10月28日 非公開 ガーンジー(英国王室属領)を拠点とするテイラー・マリタイム・インベストメンツが南ア証券取引所に上場しているグリンドロッド・シッピング・ホールディングス(現拠点シンガポール)の株式を取得した。2021年より株式取得を開始しており、グリンドロッド・シッピング・ホールディングスの過半数の株式取得が完了。
小売 ウォルマート 米国 2023/11/23 64億ランド 米小売大手ウォルマートは、南アの小売業者マスマートの株式47%を買取、これにより100%の取得となった。
ICT エクイニクス 米国 12月13日 1億6,000万ドル アフリカ拠点の増強のため、エクイニクス(Equinix, Inc)は、ヨハネスブルグでのデータセンター建設予定。
再エネ アメア・パワー アラブ首長国連邦 12月15日 1億2,000万ドル 南ア政府の再生可能エネルギー独立発電事業調達計画(REIPPPP)第6次入札を通過し、優先交渉権を取得。85メガワット(MW)の太陽光発電所を北西部のドーンフックに建設予定。
再エネ エネル・グリーン・パワー イタリア 12月15日 30億ランド 南ア政府の再生可能エネルギー独立発電事業調達計画(REIPPPP)第6次入札を通過し、優先交渉権を取得。ノースウェスト州で2つの太陽光発電施設を建設予定。それぞれ150メガワット(MW)の発電を見込む。
医療 プレスメド・ビドコ オーストラリア 12月23日 4,520万(豪ドル) プレスメド・ビドコ(PresMed BidCo) は、南アのアドバンスドヘルスの株式を100%取得した。プレスメド・ビドコは、投資ファンドや医療関係者が株主の投資会社。

〔出所〕 南アフリカ準備銀行、雑誌「Deal maker」、各社発表および報道などから作成

表6 南アフリカの主な対外直接投資案件(2022年)
業種 企業名 投資国・地域 時期 投資額 概要
小売 ペプコール ブラジル 2月3日 2億2,500万ドル 衣料品小売大手のペプコール(Pepkor)がブラジルのグルポ・アベニーダ(Grupo Avenida)の株式87%を取得した。グルポ・アベニーダは40年以上歴史のあるアパレル企業で、低価格帯の製品に強みを持つ。
金融 キャピタル・アプリケイション オランダ 5月2日 4,868万ランド フィンテック企業キャピタル・アプリケイション(Capital Appreciation)は、デジタル・ソリューション・グループであるリスポンシブ・テクノロジー(Responsive Technology)を100%子会社化した。この取引にの一環として、同社はオランダ拠点のテクノロジー企業リーガル・デジタルの発行済み株式の20%も引き受けた。
包装 モンディ・ピーエルシー イタリア 8月16日 4,000万ユーロ モンディ・ピーエルシー(Mondi Plc)は、ブルゴ・グループのイタリアにある工場を4,000万ユーロで買収した。モンディは、今後同工場で年間約42万トンの高品質再生段ボール原紙の生産を行う予定。
デジタル ナスパーズ オランダ 8月19日 15億ユーロ コングロマリット・プロサス(ナスパーズが株式過半数を所有)が、関連会社であるモービル(MIH Movile Holdings )を通じて、オンライン食品配送サービス会社ジャストイート(Just Eat)からアイフード(iFood Holdings )およびIF-JEホールディングスの残りの株式を33%取得した。
通信 ボーダコム エジプト 12月 5億7,700万ユーロ ボーダコムは、ボーダフォン・エジプトの株式55%を取得

〔出所〕 南アフリカ準備銀行、雑誌「Deal maker」、各社発表および報道などから作成

基礎的経済指標

人口
6,060万人(2022年)
面積
122万813平方キロメートル
1人当たりGDP
6,694米ドル(2022年)
(△はマイナス値)
項目 単位 2020年 2021年 2022年
実質GDP成長率 (%) △ 6.0 4.7 1.9
消費者物価上昇率 (%) 3.3 4.5 6.9
失業率 (%) 32.5 35.3 32.7
貿易収支 (100万ランド) 287,998 447,080 224,249
経常収支 (100万ランド) 108,241 226,678 △ 30,001
外貨準備高(グロス) (100万米ドル) 55,013 57,589 60,570
対外債務残高(グロス) (100万米ドル) 170,407 160,513 165,114
為替レート (1米ドルにつき、ランド、期中平均) 16.46 14.78 16.36

注:
貿易収支:国際収支ベース(財のみ)
出所:
人口、実質GDP成長率、消費者物価上昇率、失業率 :南アフリカ共和国統計局
面積;南アフリカ共和国政府
1人当たりGDP、貿易収支、経常収支、外貨準備高(グロス)、対外債務残高(グロス)、為替レート:南アフリカ共和国準備銀行