開発途上国ビジネス支援

イラン「パッケージング(食品包装技術)」産業育成支援事業(2013年)

目的と背景

イラン政府は、食品産業の輸出促進を目指して包装技術向上を重点的に取り組んでいる。2006年度より、ジェトロは、イラン貿易振興庁(ITPO)と共に食品を中心とした包装産業育成支援事業を実施している。
第1フェーズ(2006~2011年度)では、包装分野の専門家を現地へ数回派遣し、食品輸出関連企業向けに日本の最新食品包装技術等に関して広く情報提供を行った。
第2フェーズ(2012~2014年度)では、食品・包装業界の包装技術者および指導者(trainer)の育成と中核人材の確立を重視した事業を展開している。2012年度は包装見本市「TOKYO PACK」開催に合わせて日本において食品包装研修を実施。食品・包装工場視察など現場学習を行った。
本事業は、将来的な日本とイランのビジネス促進のための環境整備の一助とも位置づけられる。

事業内容

2013年度は、12月に食品包装専門家を派遣し、「対日輸出向け包装技術研修」(集中講義)を実施した。
研修には、食品・包装企業、大学等包装関係者、イラン政府関係機関包装関連スタッフ等が参加(50名超)。専門家の協力のもと食品包装設計関係者が知っておくべき知識を集約したテキストを準備し、講義を実施した。
研修で得た知識をイラン食品業界の包装技術向上に応用・発展させるためには、政府・大学・企業の人材育成と連携が必要であることを、今回の活動期間中、随所で強調し、助言を行った。

研修情景

専門家によるサンプル品評

ITPO常設包装展示場

成果と課題

政府・大学・企業の人材育成と連携の必要性への提言に対して、ITPO、大学関係、企業の各代表者から、包装関連の協会設立検討の前向きな回答が得られた。課題としては、上述の各業界の中核人材による連携・協力の推進と併せて、企業においては、食の「安全・衛生・安心」の強い意識づけ、国レベルでは、政府・公的機関による(食品・包装)産業振興の方向性と戦略構築が挙げられる。

本事業の概要は英語でもご紹介しています。