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タイを拠点にASEAN市場のニーズに切り込む

京町産業車輌株式会社

小型搬送機器を製造する運搬機器メーカーが、東南アジア市場に販路を広げるため、タイを中心に製造拠点を設立し、東南アジア市場全体の新規開拓を目指す。

石川県金沢市＜輸出、海外進出＞対象国・地域：タイ、東南アジア

操作性に優れた小型運搬機器の製造

運搬機器メーカーの京町産業車輌は、ハンドリフトやドラムカーなど工場内の物流・搬送のニーズに対応した製品を次々と開発して製品化し、ニッチな市場でシェアを広げてきた。

同社では、他メーカーが扱わない簡便かつ操作性に優れた小型搬送機器を製造しており、多種多様な製品を有する。オーダーメイドも可能で、自動車・機械関係工場以外にも「薬、汚染物の廃棄のための搬送処理」など、様々な業種・用途で使われている。

同社では、かねてより自社製品のPR のため、輸送機器関連の国内展示会に継続的に出展しており、海外企業からの引き合いも来るようになっていた。また、2011年にタイの展示会「PROPACK」を視察した際に東南アジア市場におけるニーズの高さを実感し、これを機に同社は本格的に海外展開（直接輸出・現地生産拠点設立）を検討するようになった。

同社が活用したジェトロの主なサービス・支援

2011年10 月～2013年10月	輸出有望案件支援サービス
2012年1月	輸出支援相談サービス
2012年2月～ 2012年5月	海外ビジネス・サポートセンター（BSC バンコク）
2012年4月～	ジェトロ金沢に貿易投資相談
2012年11月	「METALEX」出展（タイ）
2013年3月	ジェトロシンポジウム「地場産業の海外市場売込みについて」参加

タイの工業団地に製造拠点を設立

東南アジアへの販路開拓を目標に掲げた同社は、2011年10月にジェトロの輸出有望案件発掘支援企業に採択され、専門家から市場調査や貿易実務のノウハウについて情報提供を受けた。また、海外コーディネーターE-mail 相談サービスを活用し、タイ、フィリピン、インド、ベトナムにおける競合他社や売込み先候補などについて情報収集した。

現地拠点設立に向けては、2012年2月にジェトロの海外ビジネス・サポートセンター（BSC バンコク）に入居して市場調査や顧客の発掘、工場用地、資金調達などの情報を収集した。同社は当初、独資での進出を検討していたが、独資の難しさからタイ企業とパートナーを組み、ナワナコン工業団地内にスペースを借り受け、2012年10月に現地法人（工場及び事務所）を設立した。その後、同社は自動車関連産業市場でのシェア獲得を目指して人員と製造ラインの増強を図り、2013年7月にランシットプロスパー工業団地内に移転した。

2013 年度「METALEX」での商談風景

東南アジア市場全体をターゲットに

一方、輸出に関する取組みについては、2012年11月にジェトロの専門家同行のもと、「METALEX 2012」に出展し、4社と契約した（うち2件が日本で製造する高付加価値製品での契約）。同社では、東南アジアでの営業活動が日本製品の販売にもつながるよう、現地生産品と国内生産品の売り先を棲み分けており、現地拠点設立による新たな相乗効果を期待している。

タイに拠点が出来たことで現地の営業活動が強化され、価格競争力を持つ現地生産品を提案できるようになった。現在同社は、海外ブリーフィングサービスを利用してベトナムに関する情報を収集中であり、東南アジア市場全体におけるシェア獲得に向け、新たなステップを踏み出している。

ジェトロ担当者からの一言コメント

輸出、海外投資を含め同社は海外ビジネスに大変積極的だったので、ジェトロの海外コーディネーター輸出相談、ビジネス・サポートセンターなど各種サービスを使いながら情報提供をするよう心がけた。

ご利用いただいたジェトロのサービス

展示会・商談会への参加
海外販路開拓のきっかけとなる展示会・商談会への出展をサポートします。
貿易投資相談
本部（東京）、大阪本部、国内各地の貿易情報センターなどでは、お客様から電話、Fax、E-mailで寄せられるご相談にお答えします。
輸出有望案件支援サービス
輸出戦略の策定から契約締結まで専門家がお手伝いします。優秀な製品を持っていながらこれまで輸出経験がない、あるいは輸出ビジネスを躊躇している中小企業が対象です。