第2四半期の実質GDP成長率、前期比0.4%に好転−主要国で景気が緩やかな回復−
ブリュッセル事務所
2013年09月09日
EU統計局(ユーロスタット)は9月4日、EU27ヵ国の2013年第2四半期の実質GDP成長率(前期比、季節調整済み)を0.4%と発表した。クロアチアが7月にEUに加盟したことから、EU28ヵ国の成長率も発表され、同じく0.4%だった。また、ユーロ圏17ヵ国では0.3%だった。国別では、ユーロ圏2大国であるドイツとフランスがそれぞれ0.7%と0.5%のGDP成長率を示したほか、英国も0.7%となり、主要国で景気が緩やかに回復しつつある。
<ユーロ圏は前期比で7四半期ぶりのプラス成長>
ユーロスタットの発表によると、EU27ヵ国の2013年第2四半期のGDP成長率(前期比)は0.4%となった(表1参照)。2012年第4四半期のマイナス0.4%、2013年第1四半期のマイナス0.1%という2四半期連続のマイナス成長からプラスに転じた。また、前年同期比でみると、0.0%となり、5四半期ぶりにマイナス成長から脱した。
ユーロ圏17ヵ国の成長率(前期比)は0.3%と、こちらも6四半期連続のマイナス成長からようやく脱し、回復の兆しがみられる。ただ、前年同期比でみると、マイナス0.5%となり、本格的な回復につながるかどうかはもう少し様子を見る必要がありそうだ。
第2四半期のEU27ヵ国のGDP成長率(前期比)である0.4%の内訳をみると、純輸出(寄与度0.3ポイント)、個人消費、政府消費支出、総固定資本形成(ともに0.1ポイント)のほぼ全ての項目がプラス成長に寄与した。唯一、在庫調整(マイナス0.2ポイント)だけが抑制要因となった。
産業分野別にみると、製造業を含む工業、貿易・運輸・宿泊・食品サービス、専門支援サービス、不動産、行政・その他のサービスがプラス成長に貢献した一方、金融・保険が唯一の足かせとなった。
<ポルトガルが1.1%成長と顕著な伸び>
国別にみると、ポルトガルが1.1%のGDP成長率(前期比)となり、顕著な回復ぶりをみせた(表2参照)。これに、EU議長国のリトアニア、英国、ドイツ、フィンランド(ともに0.7%)、チェコ(0.6%)、フランス、デンマーク、ラトビア、ルーマニア(ともに0.5%)、ポーランド(0.4%)、スロバキア(0.3%)、オーストリア(0.2%)が続いている。
英国は産業別にみても、2010年第3四半期以来11四半期ぶりに全部門でプラス成長を記録した(2013年7月26日記事参照)。
ドイツは堅調な個人消費に加え、政府消費支出が成長を後押しするとともに、企業の投資活動も活発化しており、内需が引き続き経済を支えている(2013年8月29日記事参照)。
フランスは景気を牽引する個人消費の回復と在庫調整の一巡、企業設備投資の縮小ペースの緩和などにより、3四半期ぶりにプラス成長を取り戻した(2013年8月21日記事参照)。
なお、オーストリアの成長は控えめなものだったが、起業の数が多く、雇用が堅調で、6月の失業率はEU最低水準の4%台を維持している(2013年8月30日記事参照)。
他方、キプロス(マイナス1.4%)の景気悪化が止まらないほか、スロベニア(マイナス0.3%)、イタリア、オランダ(2013年9月3日記事参照)(ともにマイナス0.2%)、スペイン、ブルガリア、スウェーデン(ともにマイナス0.1%)がマイナス成長となった。
EUでは債務危機脱出に向け、過度な緊縮財政から成長戦略の比重を高める方向への転換を急いでいるが、実際には輸出が引き続き景気回復のための頼みの綱である状況に変わりはない。第2四半期の景気回復は、輸出の回復が大きく貢献している。個人消費や投資にも回復の兆しがみられるが、今後いかに回復軌道に乗せていくかが課題になっている。
(田中晋)
(EU・ユーロ圏)
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