第2四半期の実質GDP成長率は0.2%

(オーストリア)

ウィーン事務所

2013年08月30日

オーストリア経済研究所(WIFO)は8月14日、2013年第2四半期の実質GDP成長率が前期比0.2%だったと発表した。個人消費や設備投資が引き続き低迷し、EU平均を下回る経済成長となったが、2013年上半期については起業数が多く雇用は堅調で、6月の失業率はEU最低水準の4.6%だった。

<EU平均0.3%を下回る成長率>
WIFOによると、第2四半期の実質GDP成長率(速報値)は前期比0.2%で、2013年第1四半期の0.1%を上回った(表参照)。2012年の第4四半期にマイナス成長となった後、2期連続でわずかながらプラス成長を達成した。しかし、同日にEU統計局が発表したEU27ヵ国平均は0.3%であり、これまでEU平均を上回る成長を続けてきたオーストリア経済の停滞が鮮明となった。

オーストリアの主要経済指標(前期比)

<個人消費や設備投資が低調>
個人消費は2012年の第2四半期から前期を上回ることがない状態が続いているが、これが同じく前期比でマイナス成長を続ける商業に影響を与えているとWIFOは指摘している。景況感の停滞により、国内企業の投資計画も消極的だ。設備投資は1.0%減と落ち込んでいる。業種別にみると、農林水産業が前期比4.9%減、情報通信業が0.7%減と落ち込みが大きかった。また、建設投資が住宅需要の伸び悩みで0.1%増にとどまったことから、建設業は0.1%減となった。他方、金融業は引き続きプラス成長を維持し1.1%増だった。製造業が0.7%増とプラス成長を保っているのは、輸出が0.3%の伸びを示したためとWIFOは説明している。輸入は国内消費と投資需要の低迷から、引き続き減少傾向にある。

なお、オーストリア国立銀行(中央銀行)は毎年6月と12月に向こう3年間の経済成長予測を発表しているが、6月に発表した2013年のGDP成長率予測は0.3%で半年前の予測より0.2ポイント下方修正した。主要輸出市場であるEU各国への輸出の落ち込みを国内需要で賄うことができないことによる。経済の回復は2014年以降となり、2014年には1.5%の成長が予測されている。

<失業率はEU最低水準と雇用安定>
2013年上半期は経済が停滞したが、失業率はEU統計局によると4.6%(6月)とEU域内で最も低く、雇用は安定している。これに大きく貢献しているのが起業の増加だ。全オーストリア企業が加盟を義務付けられている連邦産業院(WKO、日本の商工会議所に相当)によると、加盟企業数は過去最高の46万3,000社となった。2013年1〜6月の起業件数は前年同期比2.3%増の1万4,798件で、労働日1日当たり114社が新規に設立されている計算となる。

起業の業態・業種の内訳は、40%が建設、食品、装飾など広い分野での技師としての開業、25%が販売業、コンサルティング・情報サービス提供が22%だった。起業者の中心は30代で、起業の理由として自分の時間を自由に使いたいことを挙げた人が64%で最も多かった。また、起業者の43.1%が女性で、これまでで一番割合が高かった。WKOのライトル総裁は、産業界を代表する立場として、自営業者や個人事業主を法的に保護する仕組みをさらに充実させていくと発言している。

(鷲澤純)

(オーストリア)

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