ドイツのメルツ首相が来日、半導体、AI、ロボット、量子、核融合で両国強みの相互補完を提唱

(ドイツ、日本、EU)

企画部企画課

2026年11月02日

ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は10月28日、訪日に合わせて東京で開催された「日独ビジネスサミット(主催:在日ドイツ商工会議所、注)」に登壇した。日独両国が強みを持つ協力分野として、半導体、人工知能(AI)、ロボット・オートメーション、量子、核融合技術などを挙げ、相互補完的な協力の強化を呼びかけた。また、資源採掘、精錬を他国に依存する重要鉱物のような原材料における調達先の多角化、加工・リサイクルの強化で日独間の協力により、経済的な依存を減らすことを訴えた。

写真 日独ビジネスサミットで講演するメルツ首相(ジェトロ撮影)

日独ビジネスサミットで講演するメルツ首相(ジェトロ撮影)

同首相は、ルールに基づく貿易の重要性を強調。「ルールに基づく貿易のためのグローバル政治連合」の設立を呼びかけた。WTOの上級委員会が機能停止している状況下で、不当な関税や経済的威圧に対し、各国が足並みをそろえて対応できることを目的とする。

また、同首相は日・EU経済連携協定(日EU・EPA)を日・EU経済関係の基盤としつつ、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)諸国とEUとの連携の重要性について強調した。EUとCPTPPは、2025年11月にEU-CPTPP貿易・投資対話を創設し、サプライチェーンの多様化や強靭(きょうじん)化での協力を模索しており、同首相はこれを歓迎した。なお、今回のメルツ首相の外遊では、日本に先立ってCPTPP加盟国のシンガポールを訪問している。

他方で、同サミットに登壇した経団連の筒井義信会長および赤澤亮正経済産業相からは、EUが審議中の産業加速法案(IAA、2026年3月13日記事参照)に対する懸念が表明された。エネルギー集約産業、ネットゼロ技術について、IAAが定義する公共調達や財政支援にかかる「域内産」要件においては、EUと自由貿易協定(FTA)を締結する日本の産品は、「域内産」と同等とみなされる。しかし、電気自動車(EV)に関しては、いくつかのEU原産品を優遇する条件が盛り込まれているためだ。

日本は、ドイツの著名な展示会であるハノーバーメッセの2028年のパートナーカントリーとなることが発表され、2026年10月28日の首脳会談で両首相間でも確認された(外務省ウェブサイト「日独首脳会談外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」参照)。ジェトロは、メルツ首相に同行したドイツ・メッセのヨッヘン・ケックラー最高経営責任者(CEO)と「ハノーバーメッセ2028」への日本のパートナー国参加に関する意向趣意書に署名した。今後、同メッセでの日本のパートナー国としての成功に向け取り組んでいく。

(注)在日ドイツ商工会議所は、首相訪日に合わせ、「在日ドイツ企業調査2026外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を公開した。

(板谷幸歩)

(ドイツ、日本、EU)

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