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国連総会、バングラデシュのLDC卒業準備期間の3年間延長を承認
(バングラデシュ)
ダッカ発
2026年11月02日
国連総会は10月29日、バングラデシュの後発開発途上国(LDC)卒業準備期間を3年間延長する決議を採択した。これにより、同国のLDC卒業時期は従来予定されていた2026年11月24日から2029年11月へと延期される。
バングラデシュ政府は、国際貿易環境の不確実性や地政学的緊張、エネルギー供給・サプライチェーンを巡るリスク、国内の構造的課題などを理由に延長を要請していた(2026年7月28日記事参照)。政府は7月29日、財務相が議長を務める国家LDC卒業監視・調整委員会の初会合で、2026~2029年のLDC卒業に向けた国家ロードマップを承認した。今回の国連総会決議は、同ロードマップに基づく国内改革の推進と、その進捗状況を国連開発政策委員会に毎年報告するよう政府に求めている。
今回の延長により、EU、日本、英国、カナダなどの主要市場でLDC向け関税優遇を利用できる期間が延び、縫製品を中心とする輸出産業にとって、LDC卒業後の関税負担増に備える時間が確保された。また、医薬品産業も、LDCに認められている医薬品特許保護義務の免除措置を引き続き活用できる。同措置により、一定の条件の下でジェネリック医薬品の製造が可能となっている。
国家ロードマップは、マクロ経済・金融の安定、貿易・市場アクセス・輸出競争力強化、生産能力向上・産業構造転換・インフラ開発、人材育成・イノベーション、ガバナンス・パートナーシップ・国際協力の5分野を柱とする。銀行部門の健全化や税収基盤の強化、輸出の多角化、産業の高度化、投資環境の改善、港湾・通関を含む物流の効率化、行政手続きの簡素化などを重点課題として掲げている。
政府は、LDC卒業後の市場アクセス確保に向け、EUの一般特恵関税制度プラス(GSPプラス)の適用維持や、韓国、アラブ首長国連邦(UAE)、オマーン、香港、ニュージーランドなどとの自由貿易協定(FTA)の締結を目指している。また、タイなど周辺国を含む19カ国が参加する、地域的な包括的経済連携(RCEP)への加入も検討している。
今回の延長は、LDC卒業に伴う制度変更への対応期間を確保したものだが、延期そのものが投資環境の改善を保証するわけではない。日系企業にとっては、関税優遇の継続に加え、金融・税制、通関、物流などの改革が実際に進むかを見極めることが重要となる。今後3年間の改革の実行力が、LDC卒業後のバングラデシュの輸出競争力と投資先としての魅力を左右する。
(片岡一生)
(バングラデシュ)
ビジネス短信 56e71d676cf60657





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