外資系企業に関する政治局決議10号の行動計画を公布
(ベトナム)
ハノイ発
2026年10月01日
ベトナム政府は9月22日、外国投資資本経済の発展に関する政治局決議10号(10-NQ/TW、以下決議10号)を実施するための行動計画を定めた政府決議280号(280/NQ-CP)を公布した。決議10号は、質の高い外資系企業の誘致や国内企業との連携強化など、2030年および2045年までの国家開発目標の達成に向けた外国投資政策の方針を示している(2026年6月19日記事参照)。今回の政府行動計画では、決議10号の実施に向け、各省庁・地方政府の具体的な実施事項や時期を定めた。
外国投資家の市場アクセスについては、市場アクセス制限業種リストを見直し、投資誘致を優先する一部の業種・分野について、外国投資家の出資比率の上限を緩和する方向で検討するよう、財政省に求めている。また、関係省庁・地方政府に対し、外国投資家の市場アクセス拡大に向けて関連規定を改正するとともに、投資・事業活動に関する規制の重複や不整合、不要な要件を見直すよう求めている。
投資優遇・支援については、財政省が、先進技術や研究開発(R&D)、人材育成、国内サプライヤーの育成、グリーン・デジタル転換などへの貢献を踏まえた制度を検討する。また、戦略的な外国投資案件について、技術移転やR&D、国内付加価値の創出などの取り組みと連動した特別な優遇・支援措置や、柔軟な投資手続きの導入も検討する。
国内企業との連携強化に向けて、財政省は、外資系企業に対し、調達ニーズや現地調達計画などの公表を促す方策を検討する。商工省は、国内企業による外資系企業のサプライチェーンへの参入や、外資系企業からの技術移転を支援するとともに、2026~2027年に参入が見込まれる業種・分野を整理する。
行政手続きの効率化に向け、財政省は、土地、税、企業、税関、労働、環境などのデータを省庁・地方政府間で連携する「国家投資ワンストップポータル」を整備・運用する。2026年から運用を開始し、その後、段階的に機能を拡充する計画だ。また、各省庁・地方政府に対して、デジタル技術の活用し、行政手続きの処理時間や法令順守コストなどを最大限削減するよう求めている。
一方、外国投資案件については、投資方針の承認から事業終了までの全期間を通じて管理・監督を行う。許可後の事業評価や投資時に表明した履行状況に対する監視に加え、移転価格、脱税、原産地規則の回避などへの監督も強化する。また、公安省に対して、外国投資家による出資、株式取得、M&A、投資協力に伴う安全保障、データセキュリティー、重要インフラ上のリスクを評価・管理するための規定の整備を求めている。
なお、政府決議280/NQ-CPでは、外国投資家の出資比率を緩和する具体的な業種や緩和の程度は示されていない。市場アクセス制限業種リストの見直しや新たな投資優遇など、制度の詳細については、今後整備される関連法令や施行文書を確認する必要がある。
(古賀健司)
(ベトナム)
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