中国、「新質生産力の発展に関する意見」を発表、伝統産業の高度化も重視

(中国)

北京発

2026年10月26日

中国共産党中央委員会と国務院は10月9日、「新質生産力(注)の発展に関する意見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。

中国共産党中央委員会は2024年7月、「改革のさらなる全面深化と中国式現代化の推進に関する決定」で、地域の実情に応じた新質生産力の発展に向けた体制・メカニズムを整備する方針を示した(2024年7月25日記事参照)。同意見は、同決定や第15次5カ年(2026~2030年)規画などで示した方針の着実な実施を図るためのものと位置付けられる。

同意見では、新発展理念を完全、正確かつ全面的に実施するため、「創新主導(イノベーション主導)」「改革為要(改革を重点とする)」「因地制宜(地域の実情に応じた発展)」「先立後破(先行して新しいかたちを作り、その後に古いものを打破する)」の4つの原則を堅持するとした。また、科学技術イノベーションを牽引力として、全要素生産性(TFP)の大幅な向上を中核的な指標とした。

具体的な取り組みとしては、(1)科学技術イノベーションの強力な推進、(2)科学技術イノベーションと産業イノベーションの融合、(3)発展モデルの革新、(4)体制・メカニズムの革新、(5)人材政策メカニズムの革新など5分野、計19項目を示した。

(1)では、独創的かつ画期的な科学技術イノベーションを強化し、重要中核技術のブレークスルーを加速する。また、国家戦略的科学技術力の整備を統括し、科学技術イノベーションにおける主体としての企業の地位を強化する。さらに、科学技術成果の実用化を加速するとした。

(2)では、伝統産業の構造改革・高度化を推進し、新興産業の育成・拡大を進める。また、未来産業の先見的な展開を実施するとともに、実体経済とデジタル経済の融合を促進する。さらに、「人工知能+(AIプラス)」行動(2025年9月3日記事参照)を全面的に実施する。

このほか、エネルギー革命の積極的な推進、市場監督管理制度の整備などが挙げられた。加えて、外資系ベンチャーキャピタルや国際標準化機構などによる中国での事業展開を奨励するとした。

国家発展改革委員会は意見発表の背景について、新質生産力の発展に向けた取り組みが進められる中、新質生産力の発展を未来産業や新興産業の育成に限定して捉え、伝統産業の高度化を軽視する動きや、発展を重視する一方で改革を軽視する傾向がみられたと説明した。また、各地域が計画する未来産業や新興産業の分野が似通っており、「因地制宜(地域の実情に応じた発展)対応」の要請を反映していないケースもあったと指摘した。意見はこうした問題に対応するための具体策を示したとしている。

(注)イノベーション主導で、従来型の成長モデル・アプローチから脱却し、ハイテク、高効率、高品質を特徴とする先進的な生産力を指す。

(蔣春霞)

(中国)

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