カナダ・ケベック州議会選挙、独立派ケベック党が第1党に、少数与党政権へ

(カナダ)

調査部米州課

2026年10月08日

カナダ東部ケベック州で10月5日、州議会の総選挙が実施され、カナダからの独立を掲げる同州ケベック党(PQ)が59議席を獲得し、第1党となった。過半数に必要な64議席には届かず、少数与党政権を発足させる見通しだ。PQの政権獲得は、2012年以来14年ぶりで(2012年10月12日記事参照)、ポール・サンピエール・プラモンドン党首が次期州首相に就任する見込みだ。

一方、2018年から州政権を担ってきたケベック未来連合(CAQ)は、57万票あまりを獲得したものの、1議席も確保できず、選挙前の79議席を全て失った。4月に州首相に就任したクリスティーヌ・フレシェット氏は、選挙敗北の責任を取り、CAQ党首を辞任すると発表した。

選挙戦では、生活費の上昇や住宅不足、医療・教育など公共サービスの改善、インフラ整備、エネルギー政策、フランス語とケベック文化の保護が主要な争点となった。また、米国との関税問題など経済の先行きに対する懸念に加え、PQが掲げるケベック州独立の是非も注目された。CAQによる8年間の州政運営から変化を求める声が強まり、PQがその受け皿となったとの見方もある(注)。

PQは、フランス語とケベック文化の保護を重視し、ケベック州をカナダから独立した主権国家とすることを目標に掲げる独立派政党だ。サンピエール・プラモンドン氏は、政権の第1期中に独立の是非を問う住民投票を実施する方針だが、米国のドナルド・トランプ大統領の在任中には実施しない考えを示している。なお、PQは少数与党となるため、住民投票の実施には州議会で野党などの協力が必要となるものの、自由党は協力について「あり得ない」としている(「CBCニュース」10月5日)。一方、CBCニュース(10月6日)は、CAQ政権に対する「変化への渇望」が、住民投票への懸念を上回ったと分析しており、必ずしもPQへの支持がケベック州の独立を支持しているわけではないとしている。

少数与党となったPQの得票率は3割を下回った。ケベック州では、2007年に自由党、2012年にPQが少数与党政権を発足させたが、いずれも2年未満で政権解散・総選挙に至っている。今回も、独立を巡る住民投票の実施可能性に加え、少数与党政権の安定性や連邦政府との関係、企業投資や人材確保に影響するフランス語政策などについて、法案や予算の成立に野党の協力が得られるかが焦点となる。

(注)カナダの調査会社レジェによる世論調査(9月30日~10月1日実施、18歳以上のケベック州有権者1,000人対象)によれば、77%が政権交代を求めた。

(木村勇翔)

(カナダ)

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