ロシア下院選、EUやウクライナが国際法違反と非難
(ロシア、ウクライナ、EU、英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、ノルウェー)
調査部欧州課
2026年10月06日
ロシア中央選挙管理委員会は9月25日、第9回下院選挙(投票・実施日:9月18~20日、2026年9月25日記事参照)の最終結果を発表した(添付資料表参照)。与党「統一ロシア」は、比例代表で58.21%、小選挙区で92.89%の得票率で、定数450議席の4分の3以上を占める349議席を獲得。またウクライナにおける「特別軍事作戦」の参加者・退役者46人が当選し、これは候補者として登録された参加者・退役者の約25%に当たり、当選者全体の10%超を占める。
投票率は59.80%となり、2016年以降の3回の下院選挙において過去最高の数値となった。エラ・パンフィロワ委員長は、「前例のない制裁の結果として生じた生活上の混乱、テロの脅威、ドローン攻撃、一連の制限措置にもかかわらず、国民はロシアにとって極めて重要な選挙に関心を寄せて参加し、最高レベルの市民としての責任感と祖国への献身を示した」と強調した。
欧州委員会のカヤ・カッラスEU外務・安全保障政策上級代表は9月21日、同選挙に関してEUを代表する声明を発表
。ロシアの政治環境がますます権威主義的になり、国内で民主主義の浸食が進んでいると批判した。特に、政党「ヤブロコ」の候補者を連邦候補者名簿から除外したことについて、ロシア有権者の選択肢をさらに狭め、残された数少ない野党勢力の1つであり、反戦を掲げる唯一の政党を、選挙プロセスから締め出したとした。さらに、EUはロシアが今回の選挙に欧州安全保障協力機構(OSCE)の監視団を招かなかったことを遺憾とし、ロシアの有権者や機関から、今回の選挙に関する公平かつ独立した評価を受ける機会を奪うものであるとした。同声明では、ロシア占領下のウクライナ領であるクリミアやセバストポリ市などにおいて「選挙」が行われたことについても非難。ロシアが国連憲章をはじめとする国際法に違反し、ウクライナの独立、主権、領土保全を侵害しているとした。
オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、ノルウェー、英国は21日、5カ国共同声明を発表
。国際社会に対し、占領の既成事実化を拒否し、ウクライナ領内での選挙の実施を非難し、選挙の運営に関与した者たちに責任を問うように求めた。
ウクライナ外務省は21日付のプレスリリース(ウクライナ語)
の中で、占領地域での選挙は、ウクライナの国内法および国際法に違反するものであると指摘。国際社会に対し、今回の下院選挙を民主主義の下で実施されたものとして承認しないよう求めた。
22日付ユーロニュースは、国外投票所で実施された2つの独立系出口調査では、リベラル政党の「新しい人々」が43~47.3%で首位となり、統一ロシアは2.8~5.5%にとどまり、ロシア国内の公式結果とは対照的な結果となったと報じた。
(森友梨)
(ロシア、ウクライナ、EU、英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、ノルウェー)
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