ジェトロ、熊本・山形にドイツの研究機関や企業を招聘、半導体分野で日ドイツ間のエコシステム連携強化へ

(ドイツ、日本)

イノベーション部エコシステム課

2026年10月28日

ジェトロは9月14~18日、熊本大学、山形大学、くまもと半導体グリーンイノベーション協議会(以下KSGI、注1)と協力し、半導体後工程分野における日本とドイツとの広域連携強化を目的として、ドイツのフラウンホーファー研究機構よりフラウンホーファーIZM(以下IZM)とフラウンホーファーEMFT(以下EMFT)の2機関およびドイツの半導体関連企業3社を招聘(しょうへい)した。ジェトロでは、「地域エコシステムへの外資誘致プログラム」(注2)の一環で過去に山形大学とオランダやフィンランドの研究機関との連携を支援しており(2024年11月21日記事、2025年10月27日記事参照)、今回は山形大学と熊本大学の国内広域での連携を生かした、ドイツの研究機関および企業をはじめとするエコシステムとの連携の強化を狙いとしている。

9月15日には、熊本市でIZM、EMFT、熊本大学、山形大学の4者が包括連携協定を締結し、「3次元積層」「インクジェット・プリンテッドエレクトロニクス」などといった分野で技術連携を深化させることを確認した。

写真 4者包括連携協定締結式(ジェトロ撮影)

4者包括連携協定締結式(ジェトロ撮影)

熊本大学で行われた半導体パッケージングをテーマとした「日独ジョイントワークショップ」およびポスターセッションでは、全国から半導体関連企業や研究機関・アカデミアから200人ほどが参加した。会場では、フラウンホーファーが強みを持つ先端実装・チップフォイルパッケージ技術、熊本大学が誇る3次元積層技術と、山形大学が牽引するプリンテッドエレクトロニクス(印刷技術)など各機関の強みが紹介されたほか、日本企業からも独自の高機能素材や精密加工・製造装置技術などが紹介され、活発な議論が交わされた。さらに、個別商談会では延べ47件の商談が行われ、今後の協業の具体的な方向性が示された商談も複数あり、アカデミア間にとどまらず、アカデミア・民間企業間、民間企業同士でも共同研究や技術提携などの連携も推進される機会となった。

写真 「日独ジョイントワークショップ」の様子(ジェトロ撮影)

「日独ジョイントワークショップ」の様子(ジェトロ撮影)

さらに、山形大学の研究拠点である有機エレクトロニクスイノベーションセンター(INOEL)や半導体関連企業数社への訪問も行われた。同センターが誇る先進的なクリーンルームや最新の印刷装置、実証拠点であるスマートハウスなどを視察したほか、今後の日ドイツ・アカデミア連携や国際的な共同研究の推進に向け活発な意見交換が行われた。

写真 山形大学施設見学の様子(ジェトロ撮影)

山形大学施設見学の様子(ジェトロ撮影)

熊本大学と山形大学は半導体後工程をテーマとするJ-PEAKS(文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業」)に採択されており、それぞれ3次元積層実装やサステナブルエレクトロニクスを研究開発の中核に据えている。今回の招聘を契機に、半導体後工程分野におけるドイツと日本のアカデミアおよび企業間のさらなる連携拡大、技術開発の促進が期待される。

(注1)招聘事業に際し、くまもと半導体グリーンイノベーション協議会(KSGI)とジェトロ熊本貿易情報センターは、熊本の半導体関連分野におけるエコシステムの形成・強化を目的とした覚書を締結した(2026年9月18日お知らせ・記者発表)。

(注2)ジェトロによる、地域エコシステム関係者と連携し、外国・外資系企業の国内地域への誘致や国際協業連携を促進するプログラム。

(表志保、柴田桃佳、舟根宏紀)

(ドイツ、日本)

ビジネス短信 d590096b5798c127