EU、ウクライナ・モルドバのEU加盟に向け複数政策群の交渉を開始

(ウクライナ、モルドバ、EU)

調査部欧州課

2026年10月22日

EU理事会は10月13日、ウクライナおよびモルドバとのEU加盟交渉について、「域内市場」と「競争力・包摂的成長」の2つのクラスター、計17章の交渉を開始したと発表した〔プレスリリース(ウクライナ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、プレスリリース(モルドバ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

EU加盟交渉では、交渉対象となる個別の政策分野を「章」と呼び、関連する複数の章をまとめた政策分野群を「クラスター」と呼ぶ。全33章は6つのクラスターに分類される(2026年9月9日付地域・分析レポート参照)。クラスターごとの交渉を通じて、候補国は国内の法制度や運用をEU法体系に整合させ、加盟後にEU法を実施できる行政・制度上の体制を整える。

「域内市場」クラスターは、物品、労働者、サービス、資本の自由移動のほか、会社法、知的財産法、競争政策、金融サービス、および消費者・健康保護の計9章で構成される。「競争力・包摂的成長」クラスターは、デジタル変革・メディア、税制、経済・通貨政策、社会政策・雇用、企業・産業政策、科学・研究、教育・文化、および関税同盟の計8章を対象とする。

加盟プロセスは主に、(1)加盟候補国の認定、(2)加盟交渉、(3)加盟条約の締結から成る(2022年5月19日付地域・分析レポート、2026年9月9日付地域・分析レポート参照)。ウクライナとモルドバは、それぞれ2022年2月、3月にEU加盟を申請し、いずれも同年6月に加盟候補国となった。EUは2023年12月に両国との加盟交渉開始を決定し、2024年6月25日に加盟交渉を正式に開始した。両国は2026年6月に「基本事項」、同年7月に「対外関係」の交渉を開始しており、今回の交渉開始により、全6クラスターのうち4クラスターが交渉の対象となった。

ウクライナの国営通信社「ウクルインフォルム」(10月13日)によると、フセボロド・チェンツォフ副首相(欧州および欧州大西洋統合担当)は、今回交渉が開始された2クラスターを、ウクライナのEU加盟プロセスと同国の経済変革における「経済的中核」と位置付けた。この17章が同国経済のほぼ全ての側面に関係すると述べた。

(後藤大輝)

(ウクライナ、モルドバ、EU)

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