タイBOI・SET・SEC、重点成長分野のIPO促進で締結
(タイ)
バンコク発
2026年10月02日
タイ投資委員会(BOI)、タイ証券取引所(SET)、証券取引委員会(SEC)は9月17日、「BOI to IPO(新規株式公開)」プログラム(注1)の下で投資奨励を受けた企業の資本市場での資金調達促進に向けた覚書(MOU)を締結
した。特に、政府が重点成長分野と位置付ける「ニューエコノミー(新産業)」分野(注2)の企業による資金調達や上場を後押しし、投資主導型の経済成長や経済構造の高度化を推進する狙いがある。今回の取り組みは、BOIの投資奨励制度とタイ資本市場を結び付けるものであり、投資奨励を受けた企業が、タイ国内で資金調達しながら事業拡大を進められる環境を整備するものだ。
背景には、政府が投資額の拡大だけでなく、技術・イノベーションの導入、高度人材の雇用・育成、タイ企業の先端産業サプライチェーンへの参画など、投資がもたらす付加価値を重視していることがある。
BOIによると、プログラム参加企業には、既存の投資優遇措置に加え、追加インセンティブを付与するという。例えば、SETが認定したニューエコノミー分野の企業は、既存の税務恩典に加えて、法人税免除期間の3年延長または5年間の法人税50%軽減を選択できる。また、一般企業も、事業内容に応じて、法人税免除期間の2年延長または3年間の法人税50%軽減の対象となる見込みだ。
また、SETとSECは、企業の上場準備やIPO手続きを支援するほか、上場関連費用の補助やIPO審査の効率化も進める。さらに、SETは、BOI奨励企業の上場を促進するため上場基準の見直しも進めている(2026年9月29日記事参照)。
タイでは、これまでに外国企業が投資進出後にタイ証券取引所へ上場した事例もみられる。BOIは、こうした成功例を踏まえ、企業の世界市場に向けた事業拡大の拠点として、タイを活用していくことを後押ししたい考えだ。
(注1)「BOI to IPO」プログラムとは、特に、新産業(ニューエコノミー)分野における成長企業を対象に、資本市場からの資金調達と国内事業拡大を支援するためのものであり、9月11日にBOI理事会で承認された制度
。
(注2)ニューエコノミーとは、タイを高付加価値かつ持続可能な経済へと導く重要な成長エンジンと位置付けられている、次の10の重点成長分野を指す。(1)先進農業・食品、(2)バイオ燃料・バイオ化学、(3)先端医療・ヘルスケア、(4)クリエーティブ観光、(5)次世代自動車、(6)航空・物流、(7)デジタル・電子商取引、(8)スマートエレクトロニクス、(9)ロボティクス、(10)テクノロジー・イノベーション。
(野田芳美)
(タイ)
ビジネス短信 bb582237ec001158





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