タイEU・FTA、第10回交渉会合で複数章が決着、農業で隔たり残る

(タイ、EU)

バンコク発

2026年10月13日

タイ商務省は10月7日、EUとの自由貿易協定(FTA)の第10回交渉会合を、9月28日~10月6日にタイ南部プーケットで開催したと公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

スパジー・スタムパン副首相兼商務相によると、原産地規則、衛生植物検疫(SPS)措置、エネルギー・原材料など、協定本文の多くの章で実質合意に達した。また、物品・サービス貿易や投資の市場アクセス、政府調達でも大きな進展があった。

タイ商務省貿易交渉局(DTN)によると、交渉は最終段階に入り、2026年末の妥結を目指し、市場アクセスと一部の課題で協議を続ける。タイは2026年のFTA戦略で、EUとの交渉を最優先に位置付けている(2026年1月6日記事参照)。タイEU双方は、市場アクセスに関して、互いに交換した提案(オファー)に基づき協議を進めるとともに、物品・サービス・投資上の各分野における、双方の優先要望(リクエスト)について理解に努めたという(10月7日付現地紙「プラチャーチャート」)。スパジー氏は、双方のセンシティブ品目や事業に配慮しつつ、経済・貿易・投資面で具体的な利益につながる市場開放を実現することが狙いと述べている。

一方、隔たりが残る農業分野では、EU側による「植物の新品種の保護に関する条約(1991年改正版)」(UPOV1991)に沿った提案をしており、タイ国内の農家などから懸念が出ている(9月21日付タイ政府プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。現行の植物品種保護法では、農家は再植え付けのために種子を保存・交換することが認められている。タイ政府は、EUとの交渉結果や今後の国内法整備の内容次第では、こうした農家の権利が、現状維持されるとは限らないとの見方を示している(注)。

(注)タイ政府の説明によると、UPOV1991第15条2項では、一定の条件下で農家が自家採種を認める例外を国内法で規定することを認めているとしている。

(藪恭兵、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、EU)

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