米国・ウクライナ復興投資基金、重要鉱物・エネルギー分野への投資を承認

(ウクライナ、米国)

調査部欧州課

2026年10月09日

米国・ウクライナ復興投資基金(URIF)は10月2日、米国とウクライナの共通の経済的・戦略的利益を推進するため、重要鉱物およびエネルギー分野における一連の新たな投資を承認したと発表した。重要鉱物に関する案件への投資のURIFの承認は初めて。

重要鉱物分野では、ウクライナのスーパーマーケットチェーン「ATB」の共同所有者であるヘンナディー・ブトケビッチ氏が設立したBGVグループ・マネジメントと共同投資プラットフォームを立ち上げるため、URIFが約3,000万ドルを投資する。同プラットフォームを通じて、希土類元素、ウラン、ベリリウム、ジルコニウムの鉱床に関する初期段階の探査・開発案件への投資を進める。米国国際開発金融公社(DFC)の投資部門責任者のコナー・コールマン氏によると、これらの鉱物はいずれも米国の重要鉱物リストに含まれている(「ロイター」10月3日)。

エネルギー分野では、ウクライナの電力・熱供給体制を強化するための2案件が承認された。このうち、URIFは、DFCがウクライナ最大の民間エネルギー企業DTEK向けに承認した約1億ドルの融資に参画する。この融資は、約60万世帯の電力需要に相当する電力を最長2時間供給できるシステムの導入に必要なもの。

URIFは、複数地域に分散型の熱電併給設備を整備・運営する事業にも出資する。同事業では、戦争によって損傷した電力・熱供給を回復させるため、地域単位のエネルギー拠点を整備し、完成後は数千世帯に電力と熱を供給することを目指す。

今回の決定に際し、DFCのベン・ブラック最高経営責任者(CEO)は、各プロジェクトを通じて、ウクライナの経済復興の基盤を築き、両国間のパートナーシップを深めていると強調した。ウクライナ大統領府のオレクシー・ソボレフ副長官は、同パートナーシップを通じて、より多くのウクライナ企業が成長し、ウクライナ経済に新たな機会が生まれることを望むと述べた。

URIFは、ウクライナと米国の政府間協定に基づき設立された(2025年5月2日記事参照)。米国のコンサルティング会社アルバレス・アンド・マーサル(A&M)が投資顧問を務め、毎月開催されるプロジェクト選定委員会が、URIFの戦略的優先事項に沿って投資案件を選定する(2026年3月5日記事参照)。DFCのコールマン氏によると、URIFの現在のプロジェクト・ポートフォリオの総額は約7,000万ドルと推定されている(「ロイター」10月3日)。

(後藤大輝)

(ウクライナ、米国)

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