モロッコ、衆議院選挙で連立政権第2党が勝利、初の女性首相が誕生

(モロッコ)

ラバト発

2026年10月02日

モロッコで9月23日、衆議院選挙(5年に1度、395議席)が実施され、改選前に与党連立政権第2党だった「真正と現代党(PAM)」が97議席(前回選挙比10議席増)を獲得して勝利した(添付資料表参照)。第1党として与党を率いてきた「独立国民連合(RNI)」は66議席(36議席減)で第2勢力となり、続いて「イスティクラル党(PI)」が65議席(16議席減)で第3勢力を維持した。前回2021年の下院選挙で大敗した「公正と発展党(PJD)」(2021年9月15日記事参照)は議席数を13から54へと大きく挽回した。内務省によると、投票率は38.08%にとどまった。

PAMは9月1日の選挙公約で、国民の購買力向上や若者支援に向けた政策を柱として、2027年から2031年までの5年間で総額3,500億モロッコ・ディルハム(約5兆6,000億円、MAD、1MAD=約16円)を投入する行動計画を掲げた。具体的には、最低年金額の引き上げや新規雇用の創出、低所得者に対する所得税の免税などが示されている。

今回の選挙について、国家人権評議会(CNDH、注)のアミナ・ブアヤシュ議長は、おおむね平穏に実施されたと評価した。その上で、選挙への信頼向上と市民参加の拡大に向け、選挙人名簿への登録機会の拡大や、海外在住モロッコ人による代理投票の検証を提言したほか、女性や若者の政治参加を促す仕組みの整備などを各政党に求めた。

モハメッド6世国王は9月29日、モロッコ憲法第47条に基づき、第1党となったPAMの共同執行部調整役(事実上の党トップ)であるファティマ・エザハラ・エル・マンスリ氏(現マラケシュ市長)を首相に任命した。モロッコ史上初の女性首相となるエル・マンスリ氏による組閣の行方が注目される。

(注)CNDHはLe Conseil National des Droits de l’Homme の略。1990年に設立された、モロッコにおける人権の保護と促進を担う国家機関。

(渡辺理々華)

(モロッコ)

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