シンガポールの第3四半期GDP成長率、速報値で前年同期比5.4%
(シンガポール)
シンガポール発
2026年10月16日
シンガポールのエネルギー・貿易産業省(METI、注1)は10月14日、2026年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率が速報値(注2)で前年同期比5.4%だったと発表した。成長率は第2四半期の6.2%から低下した。季節調整済み前期比でも1.1%と、第2四半期の1.5%から伸びが鈍化した。
分野別では、製造業の成長率が前年同期比7.5%と、第2四半期(12.9%)から伸びが鈍化したものの、AI関連需要に支えられ引き続き堅調だった。METIは、「電子や精密エンジニアリング、輸送エンジニアリング、一般製造業の生産拡大が、化学とバイオメディカル両部門の落ち込みを補った」と説明した。建設分野は公共・民間建設工事の増加を背景に8.8%と、第2四半期の6.1%から伸びが加速した。また、サービス業は5.2%だった。
シンガポール通貨金融庁(MAS、中央銀行に相当)は同日、「シンガポール経済は向こう数四半期にかけて堅調に推移する。しかし、その後は人工知能(AI)の投資サイクルが例外的な勢いから減速し、世界的な金融環境も引き締まるなか、成長率も鈍化すると見込む」との見解を示した。
2026年の消費者物価指数とコアインフレ率、下方修正
また、MASは2026年通年のコアインフレ率(注3)の予測を「1.5~2.0%」、総合消費者物価指数(CPI)の予測を「2.0%程度」と修正した。同庁は4月、両指標の予測をそれまでの「1.0~2.0%」から「1.5~2.5%」に引き上げていたが(2026年4月15日記事参照)、今回いずれも下方修正した。
MASはコアインフレ率について、「向こう数四半期はやや高めの水準で推移するものの、2027年半ば以降低下する」との見通しを示した。同庁は2027年通年のコアインフレ率と総合CPIについて、ともに「1.5~2.5%」との予測を明らかにした。
なお、MASは同日、金融政策の現状維持を発表した。MASは金融政策の手段として政策金利を設定せず、四半期ごとにシンガポール・ドル(Sドル)の名目実効為替レート(NEER)の誘導目標(政策バンド)を定める独自の金融政策を採用している。同庁は、SドルNEERの誘導目標帯の現行の傾斜幅を維持し、目標帯の幅と中心値の水準を変更しないとした。
(注1)貿易産業省は10月1日付でエネルギー・貿易産業省に改称(2026年7月24日記事参照)。
(注2)第3四半期の速報値は、2026年7~8月の統計に基づく。METIは第3四半期のGDP成長率の改定値を11月中に発表予定。
(注3)コアインフレ率は、総合CPIから住宅関連費と自家用道路交通関連費を除いたもの。
(本田智津絵)
(シンガポール)
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