IEA報告、9月に中東からの原油輸出増加、ディーゼル燃料の需給逼迫は長期化へ

(中東、世界)

調査部中東アフリカ課

2026年10月16日

国際エネルギー機関(IEA)は10月14日、石油市場報告(2026年10月)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。世界の原油需給について、供給回復が進む一方、在庫減少により2026年末まで引き締まった状態が続くとした。

9月の世界の石油供給は、湾岸産油国の増産により、前月比日量250万バレル増の日量1億230万バレルだった。湾岸産油国からの原油輸出は日量440万バレル増の日量1,390万バレルで、ホルムズ海峡を通過する石油輸送量も日量370万バレル増の日量1,090万バレルに増加した。サウジアラビアの東西パイプラインによる輸送も速やかに回復し、迂回ルートによる輸出量も前月より日量97万バレル増の日量560万バレルとなった。他方、域内のエネルギー施設やタンカーに対する攻撃の再拡大により、供給回復は依然不安定だと指摘した。

世界の石油在庫は2月末から9月末までに5億900万バレル減少した。IEAは原油価格の高止まりと景気悪化により、2026年の世界需要が前年比日量260万バレル減の日量1億240万バレルになると予測する。

米国エネルギー情報局(EIA)が10月6日に発表した短期エネルギー見通し(2026年10月)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、中東からの輸送制約と在庫減少を踏まえ、2026年第4四半期のブレント原油価格を1バレル当たり平均105ドルと予測した。2027年平均は84ドルへ低下するとみるが、いずれも前月の予測値より10ドル以上上方修正している。

ディーゼル不足は2027年まで継続の見通し

IEAによれば、9月の世界のディーゼル輸出は前年同月比で日量約70万バレル減少し、日量470万バレルとなった。中東とロシアの純輸出量が合計で同130万バレル減少し、米国や中国の輸出増加では補えなかった。輸送用ディーゼルの需要は価格変動の影響を受けにくく、供給減少が需要減少を上回っている。IEAは、需給逼迫が長期化し2027年まで続くと予測する。

IEAは10月7日付プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、加盟国が3月に合意した石油備蓄放出を加速し、ディーゼルを優先して市場に供給すると発表した(2026年10月13日記事参照)。必要に応じて、各国が保有する2億バレル超のディーゼル備蓄の追加放出も検討し、需給と価格の安定を図る。

中東情勢を巡る最新動向は「イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報」を参照。

(塩川裕子)

(中東、世界)

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