日本企業がブリティッシュ・コロンビア州の水素関連プロジェクトを視察

(カナダ、日本)

海外ビジネスサポートセンターサステナブルビジネス課

2026年10月29日

ジェトロのカナダ西部水素・CCS(二酸化炭素回収・貯留)ミッションに参加した水素・CCS関連事業に携わる日本企業・公的機関など22社、32人が9月14~15日、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバーを訪問した。州政府や関係機関から水素・CCS政策について説明を受けるとともに、関連企業や施設の視察、現地関係者とのネットワーキングを実施した。

BC州は豊富な再生可能電力と太平洋に面した立地を強みとし、水素などクリーンエネルギーの生産・輸出拠点として注目を集めている。

9月14日にバンクーバー港内会場で行われたネットワーキングでは、BC州エネルギー・気候ソリューション担当政務官のジョージ・アンダーソン氏が、「BC州政府は、日本との長年にわたる経済・貿易関係を重視しており、水素およびCCS分野における協力を深めていきたい」と述べた。BC州は2021年に「B.C.水素戦略」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを策定し、燃料電池産業の育成、水素製造プロジェクトの支援や産業界との連携を進めている。また、現在は水素の商業可能性を重視した戦略改定を進めているとの言及もあった。

写真 ジョージ・アンダーソン氏講演の様子(ジェトロ撮影)

ジョージ・アンダーソン氏講演の様子(ジェトロ撮影)

ミッション団は、クリーン水素製造技術を開発するエコナパワー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(Ekona Power)を訪問し、天然ガス由来のメタンを熱分解し、水素と固体炭素(カーボンブラック)を生成する設備を見学した。同社はカーボンブラック販売を主な収益源とすることで水素製造コストの低減を図っており、商業化に向け、2027年には新たな実証機の稼働を予定している。同社からは、天然ガス価格が比較的高い日本や欧州では、こうした事業モデルの有効性が高いのではないかとの見方が示された。

15日にはサイモンフレーザー大学のスタートアップ支援機関ベンチャーラボ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを訪問し、同大学の「ハイドロジェンハブ(HH:Hydrogen Hub)」の取り組みについて説明を受けた。HHは、産官学の連携を通じて水素関連技術の研究開発、実証試験および商業化支援を行う。技術移転やライセンス供与にとどまらず、企業や政府との共同研究やパートナーシップ形成を通じて大学発技術の社会実装を支援していることが紹介された。

参加日系企業からは「BC州をはじめとして水素エネルギーを社会に普及させるという本気度を感じられた」「現地企業や関係機関との協業可能性を探る貴重な機会になった」との声が聞かれた。

同ミッションはアルバータ州も訪問している(2026年10月29日記事参照)。

写真 企業訪問の様子(ジェトロ撮影)

企業訪問の様子(ジェトロ撮影)

(山田あゆみ、木村ローズマリー梨花)

(カナダ、日本)

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