「KL20」をジョホールで開催、クリエーティブ産業促進のためIP創出や海外展開を推進
(マレーシア)
クアラルンプール発
2026年10月15日
マレーシア政府が推進するスタートアップ・イニシアチブ「KL20」(2024年4月25日記事参照)の一環として、クリエーティブ産業をテーマとするイベント「KL20ジョホール」が9月30日、ジョホール州のイスカンダル・マレーシア・スタジオで開催された。KL20は、2030年までにクアラルンプールを世界トップ20のスタートアップ・エコシステムとすることを目指す国家プロジェクト。半導体や先端技術をテーマとした9月24日の「KL20ペナン」(2026年10月9日記事参照)に続き、KL20ジョホールではゲームやアニメーション、映画、デジタルコンテンツ分野を中心に知的財産創出やコンテンツ輸出の促進を成長戦略として打ち出した。
開会式でアクマル・ナスルッラー経済相は、マレーシアのOMG StudiosとオーストラリアのSandpiper Entertainment、韓国のGreenfish Studioなどによる国際的なコンテンツ制作案件を2件発表した。今後2年間の事業規模は総額2,200万ドルで、マレーシア・オーストラリア映画・テレビの制作(1,000万ドル規模)、マレーシア・韓国映画の制作案件(1,200万ドル規模)を予定している。
アクマル経済相は、映画、アニメーション、ゲーム、デザイン、視覚効果(VFX)、バーチャルプロダクション、デジタルコンテンツなどで構成される「オレンジ経済(注1)」を第13次マレーシア計画における成長分野と位置付け、知的財産(IP)創出や輸出促進に向けて戦略的に取り組む方針を示した。戦略推進に向け、アンワル・イブラヒム首相を議長とする「国家オレンジ経済評議会(Majlis Ekonomi Jingga)」を設立する計画も明らかにした。
パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)
ジョホール州投資・貿易・消費者行政・人的資源委員会のリー・ティンハン委員長は、ジョホール・シンガポール特別経済区(JS-SEZ)が州の成長を支える基盤になると述べた。JS-SEZでは約35万7,000ヘクタールを対象とし、今後10年間で100件以上のプロジェクト誘致と2万人以上の高度人材雇用創出を目標としている。同氏は、また州の投資誘致機関インベストジョホール内に映画・映像制作の誘致支援を目的とした専門部署「Film Johor」を設置し、映像・コンテンツ産業の発展を支援していくことを発表した。
本イベントでは、国内外のバイヤーとのビジネスマッチングのほか、ブース出展やパネルディスカッションが実施された。また、人材育成を目的とした「Screen Jam」および「Game Jam」(注2)も開催され、上位チームにはマレーシア国家映画開発公社(FINAS)の有するコンテンツ制作のための助成金申請機会や、今後開催される関連イベントへの参加機会を提供。
企業・団体によるブース出展(ジェトロ撮影)
(注1)クリエーティブ産業のことを指す。
(注2)KL20ジョホールの一環で、人材育成を目的に実施された若手クリエーター育成プログラム。参加者は36時間以内にそれぞれ短編映像やゲーム開発を行い、最優秀者がKL20ジョホールで発表された。
(ニザール・カイルッディン、都築佑樹)
(マレーシア)
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