「KL20」をペナンで開催、半導体産業促進のための新基金設立も発表

(マレーシア、日本)

クアラルンプール発

2026年10月09日

マレーシア経済省は9月24日、半導体分野の産業育成を目的としたイベント「KL20」をペナンで開催した。同省が2024年4月に発表した「KL20アクションペーパー」(2024年4月25日記事参照)に基づくイベントで、今回が初開催だった。関連イベントは9月29日にジョホールでも開催され、今後はクアラルンプール(注1)でも開催される予定だ。

イベントの開催にあわせ、ペナン州政府は経済省と共に半導体産業向けの2つの戦略基金を設立することを発表した。1つ目は「戦略技術基金(Strategic Technology Fund)」で、州政府が5,000万リンギ(約19億5,000万円、1リンギ=約39円)を拠出する。ペナン州企業によるアイデア・技術の商業化、自社IP(知的財産)の開発、海外展開などを支援する。2つ目は、ペナンの集積回路(IC)設計関連企業を対象とした投資優遇策「ペナン・シリコン・デザイン@5km+」(注2)の拡充だ。経済省が2,500万リンギを拠出し、インキュベーション施設の拡充やペナン州企業の技術開発、試験、実証に活用する。これら連邦政府と州政府による基金や支援策を通じて、同州の半導体分野で有望な企業との協業が促進されることが期待される。マレーシアが半導体産業育成で掲げる「メード・イン・マレーシア(マレーシアで生産)」から「メード・バイ・マレーシア(マレーシア国産)」への転換を後押しする。

写真 戦略技術基金を発表する様子(ジェトロ撮影)

戦略技術基金を発表する様子(ジェトロ撮影)

KL20のイベントに日本企業も登壇

ジェトロはKL20の公式パートナーとして本イベントに広報ブースを出展した。会場ではペナンの半導体テック企業を中心に37社が出展し、IC設計や先端パッケージング技術などを紹介した。

日本企業も参加し、TOPPANとデジタルペナンが協力覚書(MOU)を締結した。デジタルペナンは、ペナン州企業のデジタル経済促進を担う州政府機関で「ペナン・シリコン・デザイン@5km+」の実施機関。また、イビデン、トウキョウアーチザンインテリジェンス(Tokyo Artisan Intelligence、TAI)、TOPPANなどがパネルディスカッションに登壇した。マレーシアの大手半導体設計受託企業のオップスターとも協業を進めているTAI(2026年6月26日記事参照)の中原啓貴CEOは、パネルディスカッションで「特にチップデザインの分野では日マレーシア企業の協業連携の可能性は大きい」と強調した。

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

(注1)「KL20」は2030年までにクアラルンプールを世界のスタートアップ・エコシステム・ランキングでトップ20入りさせることを目指す政府のスタートアップ・エコシステムの支援施策。関連イベントは、ジョホールバルは9月29日開催、クリエイティブ産業がテーマ。クアラルンプールは10月19日開催、同施策の総括編として開催を予定。詳細は公式ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(注2)ペナン州政府が2024年9月に発表した同州バヤンレパス工業団地の半径5キロ圏内に所在する集積回路(IC)設計企業を対象とした投資優遇政策(2024年10月1日記事、2025年12月5日記事参照)。日本からはTOPPANが半導体パッケージング分野の連携パートナーとして参画している(2026年9月24日時点)。

(アンドリュー謝克耀、都築佑樹)

(マレーシア、日本)

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