英規制機関、政府の同意を受け、北海ジャックドーガス田の生産開始を承認

(英国)

ロンドン発

2026年10月23日

英国政府は10月21日、エネルギー相が北海移行規制機関(NSTA)によるジャックドー(Jackdaw)ガス田の生産開始承認に同意したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、同日にNSTAも同ガス田の生産開始を承認したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。政府は同ガス田が10月末までに生産開始し、ピーク時には英国のガス生産量を約6%押し上げると見込む。稼働期間は最長11年間で、エネルギー安全保障の強化や数百人の雇用に加え、英国経済に29億ポンド(約6,119憶円、1ポンド=約211円)の経済効果を生むとする。

ジャックドーガス田は、英国のシェルとノルウェーのエクイノールのジョイントベンチャー(JV)、アデュラ(Adura)が推進するプロジェクト。2022年6月に生産承認を得ていたが、翌7月に環境団体グリーンピースが行った司法審査の申し立てを受け、2025年1月、生産したガスの燃焼に伴う温室効果ガス(GHG)排出量を考慮していない当初の承認は違法だったとの司法判断が下され、本判断に基づき再審査が行われていた。なお、政府は現在、新たな探鉱ライセンスを発行しないと公約しているが、ジャックドーガス田は公約前にライセンスを取得済みのため、公約に反しないとしている。ジャックドーガス田のほか、同じくアデュラが推進するローズバンク(Rosebank)油田も同様の司法判断を経て再審査を受けている。

ミアタ・ファーンブレー・エネルギー安全保障・ネットゼロ相は本承認の意義について、「今冬の光熱費を引き下げることはないが、エネルギー安全保障の観点から理にかなった判断であり、また、輸入エネルギーの使用量を減らせば全体としての排出量も減少する」と述べた(10月21日付BBC)。再生可能エネルギー(再エネ)の業界団体リニューアブルUKは、「石油・ガスはエネルギー転換期においても引き続きエネルギー構成において重要な役割を果たし、北海は雇用創出と税収増に貢献している。英国の石油・ガス部門を支える多くのスキル、能力、企業が、将来のクリーンエネルギーシステムの構築にも活用されていることも認識している」と述べ、北海とその従事者を支持するとした。

石油・ガス税収を脱炭素に充てる基金を設立

政府は合わせて、北海の石油・ガスからの税収を財源に、再エネと低炭素エネルギーに投資する新たな基金、エナジー・ウェルス・ファンドの設立を発表した。初期資金は20億ポンド。将来の雇用創出に加え、ガスと電気の価格連動性(2026年5月1日記事参照)を低減することで、長期的な電気料金引き下げを図るとしている。

(齊藤圭)

(英国)

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